イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

R&Bベテランシンガーのチャーリー・ウィルソン、初のゴスペルソングスチャート制覇

チェックが漏れていましたが、これは驚きの記録です。

 

先週発表された6月17日付米ビルボードゴスペルソングスチャートを、R&Bのベテランシンガー、チャーリー・ウィルソン「I'm Blessed」が制していたのです。しかも初登場での首位獲得。昨日発表された最新6月24日付チャートでも首位をキープしています。

この曲にはラッパーのT.I.が参加したバージョンも存在しており、そちらにて4月22日付の米ビルボードアダルトR&Bソングスチャートを制覇。そのタイミングで一度ブログで触れたのですが(チャーリー・ウィルソンと日本における彼の"直系"(4月12日付)を参照)、今度はフィーチャリング名義なしのバージョンでゴスペルソングスチャートを制覇しました。

このチャートでの首位到達はチャーリーにとって初の出来事。チャーリーがゴスペル...と驚いたのですが、なんでもこの曲、現在ゴスペルのラジオ局でプロモートされているそうで(『The song is now being promoted to gospel radio』と米ビルボードの記事にはあります)、なるほど初登場で1位というのは積極的なプロモーション、およびアダルトR&Bチャートを制していたことによる事前の浸透度の高さゆえかもしれません。

確かに歌詞を読むと、冒頭から”God”が登場したり、ましてやタイトル自体がゴスペルでよく用いられるフレーズなわけで、ゴスペルチャートでのランクインも自然といえるでしょう。この曲に限らず、またチャーリーの曲でなくとも、たとえば恋愛を歌った曲であれど解釈によっては神様への賛美を歌うとも捉えられるものもありますよね。「I'm Blessed」の歌詞は下記に。

 

 

チャートの観点からみると、ゴスペルチャートにおいても”チャート上昇の施策”がなされているのが面白いなと思うのです。現在の総合ソングスチャートではミュージックビデオやリミックス、iTunes Storeにおける69セントでの安価販売といった仕掛けが見られるのですが、上位に来る曲はいずれもそれを仕掛けるタイミング、いつ解禁すれば爆発するかが的確なのです。今後プロモーターに求められるのはその仕掛け方であり、複合指標に基づくチャートが少しずつ浸透してきたように思える日本でも今後この仕掛け方という意味でのマーケティングがより重要になるでしょう。