長いこと下書きに入れていたエントリーでしたが、この手の問題が絶えないことを踏まえ、このタイミングで浮上させます。
1年前のこのツイートですが、これにははっきり言って強い違和感を覚えました。
リオデジャネイロオリンピック開催前から、東京オリンピックでのパフォーマーにAKBグループやEXILE系、またはジャニーズ事務所系列のアクトが立つのが(容易に想像できるため)我慢ならない...という声をよく耳にしていました。氏の発言もそれに則ってのものでしょう。正直言えば、自分も彼らより(歌の巧さや独自の世界観の構築などにおいて)よりレベルの高い歌手に登場して欲しいという気持ちではあります。
ただ、現状においては先に上げたグループが登場する可能性が高いのは自明。なぜならそれらグループが”量”において高評価をあげているから。日本のエンタテインメント業界は未だ、たとえば音楽ではセールス、テレビでは視聴率、雑誌や新聞では部数...といった量ばかりが良し悪しの指標として用いられます。しかし、質の良し悪しを図る公的指標はほとんど存在しないのが実情です。音楽面においてはセールス以外の指標を導入し多角的にヒットを捉えより現実味を帯びたビルボードジャパンのHot100(ソングスチャート)があるものの、メディアにおいて未だに無視されているように感じます。好い曲がより長く残る傾向にあるチャートが半ば無視され続ける現状は、ビルボードジャパンのチャートの重要性を何度か記載してきた自分にとっては寂しい限りなのです。
で、自分はここで、引用させていただいたツイートをした方を含むエンタテインメント業界の評論家の方々に、このビルボードジャパンのチャートをメディアに、そして市井に浸透させるべく動いていただきたいと思うのです。あの発言は、現状では”量”が凌駕する音楽業界を認めただけであり、それをどう改善させるかを提示せず単に嫌だという個人的感情で終わらせてしまっているのは、業界で働く人の責任放棄だと強く感じてしまいます。業界の中にいてコラム等で広く市井に影響力を与えられるだろう人が、もしくは業界に所属している以上3年後のオリンピックに関わる人に接触出来る可能性を一縷でも持ち合わせる人が、”ならば質を重視したチャートをより重んじましょう。その上で、チャートで上位に留まる歌手は実力があり影響力を持ち合わせている方ゆえオリンピックに参加していただくのはいかがでしょう”と提言すれば有効に作用する可能性はゼロではないはず。にも関わらず、単に”嫌だ”の一言で終わらせるのは非常に勿体無い気がして、残念でなりません。
以前下書きしたエントリーはここまで。実はこの私見を、昨日も持ち合わせてしまったのです。
このツールを【JASRAC殺し】と表記する者が、それも音楽を生業とする方が発言していて驚くと共に、その発言への好意的な声が多くて驚き、呆れます。なぜ敵意とか罵倒とかしか出来ないのでしょう? 一般の方よりJASRACに近い立場にいるなら進言してみては?と悲しくなりますね https://t.co/cUNWTMQqar
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) 2017年9月4日
”JASRAC殺し”と表記した方のツイートをここでは敢えて書かないことにします。その音楽業界の方のコラムではほぼ必ずと言っていいほど蔑視表現があり、一つの対象を褒める際に他の対象を持ち出し非難することを平然と行う姿勢には読んでいて疲れるのです。というかなぜ素直に褒められないのか...昨日の”JASRAC殺し”ツイートにはまたかと思い、至極残念に思います。この、他を咎めないと褒められない表現方法を”逆謙譲”と個人的に呼んでいますが、これって何のメリットもないどころかデメリットだとすら思うんですよね。
自分はここで取り上げた方々のような影響力は持ち合わせていません。が、このブログを見てくださる方は少なからずいらっしゃいます。その方に、セールス面のみの指標では注目されにくい良曲を紹介していく姿勢は今後も続けます。そして、”進言・提言する姿勢”をなにより続けていきます。それが音楽、ラジオ業界に身を置く自分の責務だと思っています。