イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

覚えていて損はない次代のR&B男性歌手、シャリーク

チャートを見て一瞬、”シェリック!?”と思ったのは自分だけかもしれませんが。

ビルボード、最新10月28日付のアダルトR&Bソングスチャートで30位に初登場を決めたのがShaliek「My Love」。後述するbmrの記事には”シャリーク”と記載されていますのでその表記を使用させていただきます。

 

ちなみにシェリックはハイトーンボイスが魅力の男性歌手、でしたがアルバムは1987年の『Sherrick』のみで、1999年に亡くなっています。

最後のサビ前の高音の突き抜けたるや! 本当に素晴らしい歌い手だっただけに早逝は残念です。

 

話をシェリークに戻すと、エントリーした「My Love」はレトロソウルな一曲。曲の好さにうっとりすると共に、中盤から熱くなるところもいいんですよね。

My Love - Single

My Love - Single

  • Shaliek
  • R&B/ソウル
  • ¥250

Apple Musicのリンク先は上記に。

シャリークは3年前、アルバム『Blood Sweat Tears』でデビュー。そこからのサードシングル「I'll Give It Up」紹介の際、bmr『Universalと契約するもアルバムがお蔵入りになった』と記載しており、辛酸を嘗めていたこと、そしてメジャー級の実力の持ち主であることが伺えます。ライブ映像はこちら。かなり歌えます。

 

前作のアルバム同様、「My Love」もリリース元はペンデュラムというおそらくはインディレーベル。ですが今やメジャー/インディに関わらず音源は容易に手に入るのみならず、同レーベルには以前あのトラヴィス・グリーンも所属していたという点でも注目すべきでしょう。メジャーデビュー作となった『The Hill』(2015)でのアコースティックギターによるアプローチがヒットしたことが今のゴスペル界におけるアコースティックムーブメントの礎を築いたといっても過言ではないのですが、ペンデュラム在籍時のアルバム『Stretching Out』(2010)からのシングル、「Still Here」では鍵盤を用いており従来のゴスペルといえる作風。作風の変化を知る上でも『Stretching Out』は注目に値すると思いますし、メジャー移籍で大化けしたトラヴィスの才能をいち早く見抜いていた点で、ペンデュラムには見る目があったと言っていいかもしれません。

ちなみにレーベルを設立したCEOのルーベン・ロドリゲスは3人組女性R&Bグループのディヴァインを見出した方。シングル「Lately」がデビュー作で全米1位を獲得しています。一発屋で終わってしまったのは惜しいですが、ルーベンならびにレーベルの先見の明、嗅覚の鋭さは素晴らしいですね。

 

シャリーク、おそらく「My Love」を収録したアルバムを近々ペンデュラムよりリリースすることでしょう。発売元からしても十分なクオリティが期待出来るだけに、今から楽しみです。