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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

チャートや賞レースで垣間見える、今のゴスペルの”多様性”

米ゴスペル界が良曲を柔軟に取り込んでいるなあと実感する、最新チャート。

最新11月18日付、米ビルボードゴスペルソングスチャートで18位に初登場を果たしたのがレデシー feat. カーク・フランクリン「If You Don't Mind」。9月にリリースされたアルバム、『Let Love Rule』の巻末曲であり、冒頭や大サビ後の掛け声を聴けば解るように、ゴスペル界の若き大御所、カーク・フランクリンが参加しています。多彩なメンバーが手掛けた作品を締めくくるに十分な、カーク印の逸品。

ふたりの共演映像も観客によりアップされていますね。

 R&B歌手のゴスペル挑戦が珍しいことではないことは、このブログで幾度となく記しています。レデシーにおいては、クリスマスアルバム『It's Christmas』(2008)の巻頭を飾る「I'll Go」で、ゴスペル界の大御所、リチャード・スモールウッドを迎えており(ピアノを担当。Apple MusicではノンクレジットながらCDでは客演として記載)、ブックレット記載の歌詞ではYouが”YOU”と表記されていることから、大文字表記すなわち神様への曲ということが判ります。今作でのカーク・フランクリンの招聘はその流れにあるのかもしれません。そして先に紹介したライブ映像には”続き”があり、レデシーがカークのピアノでカークの名曲、「My Love Is In Your Hands」「Wanna Be Happy?」(途中で切れますが)、自身の「Alright」などを披露しているのです。これは贅沢!

実に相性ぴったりなコラボレーションと言えます。

最新チャートでは、R&B歌手のチャーリー・ウィルソンによる同チャート制覇曲「I'm Blessed」が6位にランクイン(現在はラッパーのT.I.を客演に迎えた歌手名表記となっています)。チャーリーはこの曲のヒットゆえか、先日開催されたソウル・トレイン・アワードのゴスペル部門(ベスト・ゴスペル/インスピレーショナル・アワード)にノミネートされています(結果発表は月末)。

上記エントリーではラッパーのチャンス・ザ・ラッパーをメインに書きましたが、ノミネートされた方は実に多様な顔ぶれであり、今のゴスペルがチャート上でも賞レースでも多様性を持ち合わせている、面白くなっているように思います。今後さらに多くの聖俗(ゴスペル)と世俗(R&B)とのクロスオーバー作品が出てくることを期待します。