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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

「ワーク・ソング」の”真意”に、半世紀経っても変わらぬ現状を嘆く

昨日放送の『わがままWAVE It's Cool!』(FMアップルウェーブ 日曜17時 サイマル放送で全国何処からでも聴取可能です)。音楽特集は勤労感謝の日間近ということで、【労働・WORK】の曲をお送りしました。

この番組は”(少なくとも)東北イチ珍曲をかける番組”と自負しており、八代亜紀さんならば「残酷な天使のテーゼ」がお約束になっているのですが、今日はこちらを。最新ジャズアルバム『夜のつづき』(2017)から、「ワーク・ソング」。

オリジナルは、ジャズミュージシャンのナット・アダレイによる1960年のナンバー。その年のうちにオスカー・ブラウン・ジュニアの手によって歌詞がつけられたそう。後に尾藤イサオさんが、ジャッキー吉川とブルー・コメッツとの共同名義で、日本語詞を付けてカバーしているのですが、その訳詞と、今回八代さんが歌った(オスカーによる)原詞には大きな違いが。勝手ながら、原詞の翻訳を掲載したブログを紹介させていただいています(問題があれば削除します)。

尾藤さん版では、罪を犯したのは主人公自身である一方、オスカーの原詞では主人公はあくまで”目撃者”なんですよね。オスカーが公民権運動活動家でもあった(ソウル&ファンク大辞典:オスカー・ブラウン・ジュニア『シン&ソウル』より)ことを踏まえれば、主人公が『黒人で貧相でお腹を空かせていた』からこそ罪を着せられてしまったという(『』内の引用元である)上記ブログの解釈を支持すると共に、曲の誕生から半世紀以上経った今でもその解釈に納得してしまえるという、黒人差別が未だ絶えることのない現状に愕然としてしまいます。

 

音楽は時に、作られた時代の世相を示します。ゆえに、いつかオスカー版を聴いて、”あんな酷いときがあったね”と言える時が来れば...と思った次第。というか、この曲の真意を知って、タモリさんによるコミカルなカバー版を紹介しようという思いが薄れていった自分がいます...。