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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャート、カミラ・カベロにカーディ・B…次週以降浮上なるか

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の1月8日月曜に発表された、1月13日付最新チャート。エド・シーランが「Perfect」で5週目の首位を獲得しました。トップ10内の変動はなく、凪の状態となっています。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

エド・シーラン「Perfect」にはアルバムバージョン、ビヨンセとのデュエットそしてアンドレア・ボチェッリとのデュエットという3バージョンがあり、今週は3種合計で109000ものセールスを記録(デジタルダウンロード指標1位 前週比34%ダウン)、またラジオエアプレイでは前週比7%上昇し1億3900万を記録、これによりこちらの指標でも1位を獲得しました。エドにとっては「Shape Of You」に次ぐ、ビヨンセにとっては6曲目(デスティニーズ・チャイルド時代を含めると10曲目)となるラジオエアプレイ制覇となります。ストリーミングでは前週比4%ダウンで4位。

2位と3位が交代し、カミラ・カベロ feat. ヤング・サグ「Havana」がポスト・マローン feat. 21サヴェージ「Rockstar」を逆転。「Havana」はラジオエアプレイで「Perfect」に首位の座を譲りながらも前週比5%上昇、ストリーミングでも同10%アップしています。デジタルダウンロードこそ同27%大幅ダウンではありますが、今週金曜にカミラ・カベロの初のソロアルバムがリリースされることで再来週のチャート以降、デジタルダウンロードは下がっても他2指標が更に伸びる可能性があり、1位を狙える可能性はゼロではないでしょう。71位には、先々週61位に登場した「Never Be The Same」がリエントリーを果たしています。

 

面白いのは、「Perfect」と「Havana」におけるストリーミングの差。「Perfect」は3640万で4位、対して「Havana」は3560万で2位...数値と順位が矛盾しているように見えますが、これは今年(今年度の可能性有)に入り、ストリーミングの型によってウェイトの差を設けたため。

以前触れたときには『ストリーミングのうち”有料”サービスが、”無料”よりも重きを置かれるようになる』とのみ記載したのですが、正確にはオンデマンド型がプログラム型よりも重きを置かれる、ということ。日本の数社のサービスを比較した記事から引用すると。

ラジオ型はサービス提供側が用意するプログラムに沿って音楽を聴くスタイルで、曲の選択は制限されるが配信曲数は多い。ラジオ型でしか配信しないアーティストもいる。オンデマンド型は楽曲を検索できるが、配信曲数に制限がある。全体的にラジオ型のほうが月額料金は安く、オンデマンド型は月額1000円前後となっている

音楽7社横並び:料金、楽曲数、独自機能も丸わかり! 音楽配信サービス7社徹底比較 (1/5) - ITmedia LifeStyle(2015年8月5日付)より

日本では(この記事では)”ラジオ型”と呼ばれるものがプログラム型を指します。より多くの金額がユーザーより支払われるオンデマンド型へ高いウェイトを置くことは、歌手やレコード会社を意識した米ビルボードのポリシー変更といえるでしょう。

 

さて次週ですが、ブルーノ・マーズ feat. カーディ・B「Finesse」の動向に注目。この曲は今週、35位に初登場を果たしています。しかも解禁日が木曜であり、デジタルダウンロードおよびストリーミングではわずか1日分のみのカウントでこの位置ですから凄いことです。先週この曲について触れましたが、次週は丸1週間分のカウントとなるためどこまで上昇するか期待しましょう。なお飛ぶ鳥を落とす勢いのカーディ・Bは今週もトップ10内に3曲を送り込み(G・イージー feat. エイサップ・ロッキー&カーディ・B「No Limit」(5位)、ミーゴス、ニッキー・ミナージュ&カーディ・B「MotorSport」(8位)およびカーディ・B「Bodak Yellow (Money Moves)」(10位))、また順位は落としているもののカーディ・B feat. 21サヴェージ「Bartier Cardi」(19位)、オズナ with カーディ・B「La Modelo」(61位)もあり、カーディは6曲をトップ100に送り込んでいます。次週カーディがトップ10に4曲を送り込む可能性もあり、注目したいところです。