イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2018年の音楽トレンドはカントリーとの融合?

本日リリースされた、ジャスティン・ティンバーレイクのアルバム『Man Of The Woods』。そこから先行公開された曲のひとつが、クリス・ステイプルトンとの「Say Something」でした。クリス・ステイプルトンは今年のグラミー賞で最優秀カントリーソロパフォーマンス賞(「Either Way」)、最優秀カントリーソング賞(「Broken Halos」)、最優秀カントリーアルバム賞(「From A Room: Volume 1」)を受賞。デビュー作となる『Traveller』(2015)年でも翌年の最優秀カントリーアルバム賞を受賞している、今最も勢い、そして実力のある若手カントリー歌手なのです。

下記Apple Musicのリンク先では、『自身のルーツや等身大の姿を映し出す』というスタッフメモが掲載されており、ジャスティンの音楽的血肉のひとつがカントリーミュージックなのかもしれません。

 

さて、カントリーミュージックとポップとの融合、このブログでもつい先日記載したばかりでした。

最新曲紹介にあたり、フロリダ・ジョージア・ラインとラッパーのネリーとのコラボレーションを併せて紹介したのですが、そのフロリダ・ジョージア・ラインとビービー・レクサによるコラボレーション曲「Meant To Be」が現在、凄まじい勢いでチャート上昇中なのです。

最新2月3日付米ビルボードソングスチャートでは赤丸を付け前週より5ランクアップの12位に到達、次週以降のトップ10入りが期待出来る曲。ビービー・レクサはラッパーのGイージーに客演参加した「Me, Myself & I」(2015)が最高7位を記録するヒットとなり、そこで彼女の名前を知ったという方もいらっしゃるでしょう。

その他にも彼女は、デヴィッド・ゲッタやワン・ダイレクションのルイ・トムリンソンなどの作品にフィーチャーされたり、逆に自身の作品にはリル・ウェインやニッキー・ミナージュ等を招聘していますが、まさか今回カントリーを取り入れるとは、そして最初のパートをフロリダ・ジョージア・ラインに歌わせるとは...驚きました。この「Meant To Be」、米ビルボードカントリーソングスチャートにおいて昨年12月16日付で初登場1位を獲得して以降現在まで9週連続で首位をキープ。カントリーのラジオエアプレイにおいては最新2月3日付で24位とまだまだ(ゆえにカントリー以外のファンがデジタル2指標で支持していることが解るの)ですが、総合ソングスチャートの上昇を機に、カントリーファンにも徐々に響いてくることでしょう。

 

さらには公開されたばかりのこの曲にもカントリーの血が。

4年前にフォクシーズとの「Clarity」でグラミー賞最優秀ダンスレコーディング賞を獲得したゼッドの新曲が「The Middle」。ここでボーカルを務めるマレン・モリスもカントリー歌手。2016年にアルバム『Hero』でメジャーデビューし、そこからの「My Church」が昨年のグラミー賞最優秀カントリーソロパフォーマンス賞を受賞。そして彼女自身昨年グラミー賞最優秀新人賞にノミネートされています。

「My Church」ミュージックビデオにおけるタバコを吸ってポイ捨て、腕の刺青...自分のカントリーのイメージとちょっと違っていて驚くのですが、逆に言えばカントリー"らしくなさ"がゼッドの新曲に起用された要因かもしれません。

 

そして、カントリーをまぶした新曲を発表したのが大御所、カイリー・ミノーグ

サビこそいつものカイリーらしいと思うのですが、アコースティックギターではじまるイントロには驚かされました。この「Dancing」、日本でも好調な滑り出しをみせています。

 

これらは濃くも薄くも、カントリーテイストがどこかにまぶしてある曲達。もしかしたら今後もカントリー歌手とのコラボレーションや、カイリー・ミノーグのようにコラボはなくとも音の世界観がカントリー寄りになる方も出てくるかもしれず、レゲエやトラップ等が人気となった2010年代の音楽シーンに、"カントリー"が新たな流行の仲間入りを果たすかもしれません。