NHK-FMでは主に祝日、長時間の特別番組『今日は一日◯◯三昧』を放送しています。今年一発目のラップにフォーカスした『今日は一日RAP三昧』(1月8日放送)も素晴らしかったのですが(RHYMESTER宇多丸さんをはじめ、出演者がTBSラジオ&block.fm陣で占めていたのも面白かったですね)、建国記念日の振替休日に放送された『今日は一日"アナログ・レコード"三昧』が素晴らしすぎたのでメモ。
良かった点をまとめてみると。
① 出演者が多岐に渡っている
歌手のみならずクラブDJ、レコードプレイヤーのメーカー担当者にマスタリングエンジニア/カッティングエンジニア、そしてレコードの小売店担当者が登場。個人的に特に楽しかったのが、Technics担当者が持参した、プレイヤー確認のために自社で使用しているというCorneliusのレコードを紹介したこと。これが実に遊び心満載なのです。
そのレコードを、車が買えるほどの価格で発売予定だという同社最新機材でかけていて、音のふくよかさにも驚かされました。
② リクエストを受け付けなくても番組が成立する
基本的にはリクエストに応えるのが『…三昧』シリーズであり、『...RAP三昧』でもその歴史(において重要な曲)を紹介する合間にリクエストに応じていたのですが、今回はリクエストは皆無。それでも成立出来た(言い換えればリスナーからの不満がみられなかった)のは、レコードを持ち込む方々の、レコードや音楽への愛情の深さにリスナーが深く満足していたからではないでしょうか。
そして特にTwiitterで多く見られたのがこの意見。
③ 総合MC、高市佳明アナウンサーの音楽への造詣が深すぎる
"高市アナ、何者!?"という声が多く飛び交っていましたが、音楽のジャンルや歴史への知識を持ち、多彩なジャンルのゲスト全てにフラットに接し、彼らのレコード等への思いをより強く引き出していた高市アナウンサー。そしてTechnicsやHMV等の名称を敢えて用いていたのももしかしたら高市アナウンサーの判断ではないかと。レコードを大事に思う気持ちをより高い次元で共有したいという思いゆえでは?とと感じた次第(ただしあまりに連呼された場合は"NHKなので"と、やんわりながら喝も忘れず)。DJ KAORIさんパートにおけるソウルミュージックへの知識量もきちんと持ち合わせていたため、仮に『...RAP三昧』第二弾が決定した際は、前回メインだった宇多丸さんが春から平日帯のラジオ番組を担当することで長時間全てのメインを務められない可能性を考慮し、補佐として入ってもいいのではないかと思いますし、なにより高市アナウンサーがメインMCを務める音楽番組があってほしい!と強く願います。とにかく、人選が本当に見事でした。
高市アナウンサーがより深くその素晴らしさを引き出したアナログレコードの世界…番組に触れて、開拓したい思いが強まってきている自分がいます。