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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

東日本大震災後にチャートを駆け上がった星野源「くだらないの中に」

3日前のTBSラジオ『そのときにかける曲』、興味深く拝聴しました。

内容は震災当日、同局のラジオ番組で大根仁さんがなぜビートルズをかけたか、首都圏のラジオ局(J-WAVETOKYO FMニッポン放送および文化放送)は震災直後から曲をかけるまでどのくらいのタイムラグがありそしてどんな曲をかけたか、女川さいがいFMの担当者とのやりとり、等。そして震災前の1週間(3月7~13日。厳密には震災直後も含まれますが、放送局へのアンケートを踏まえれば少なくとも12日まではほぼ曲がかからず)と震災直後(3月14~20日)の各一週間におけるラジオエアプレイチャートの入れ替わりについても紹介。この点については日曜朝、同番組の予告を踏まえて自分も書いたのですが、「何度でも」をはじめとして高橋優「福笑い」等もチャートを駆け上がったことが触れられていました。

同年の上半期エアプレイチャートが集計機関であるプランテックからプレスリリースされており、総評の中で「何度でも」や「福笑い」について触れています。

2011年度 上半期ラジオ エアプレイチャート発表!!~ 全国ラジオ局の楽曲オンエア回数から見る本年の音楽シーンとヒット曲 ~(2011年7月8日付 PDFファイル)

 

そんな中、震災直後のラジオエアプレイチャートで、星野源「くだらないの中に」が5位に入っていたと紹介されていました。ラジオ番組では前週圏外から急上昇したととられる表現が用いられていましたが(実際のところは、プランテックに問い合わせていないため不明です)、この曲は2011年3月2日に発売されたシングル曲であり、また当時星野源さんはJ-WAVEでレギュラー番組を持っていたため、エアプレイはそこまで落ち込まなかったのではないかと思うのです。が、ラジオエアプレイを含む複合指標から成るビルボードジャパンソングスチャートでのアクションには興味深いものが。3月7日付チャートで83位に初登場した「くだらないの中に」は、シングルCDセールスがカウントされた翌週(3月14日付)は15位にジャンプアップ。3月21日付では22位まで順位を下げるものの、3月14日以降のラジオエアプレイも加味された3月28日付ビルボードジャパンソングスチャートでは最高位の12位に達しているのです。翌週も16位にとどまりスマッシュヒットとなったのですが、22→12位という上昇には、震災直後に癒やしや愛を求めるラジオリスナーや局側の人が如何に多いかを感じさせ、また何気ない日常を切り取り歌にした星野源さんのセンスの良さもまた実感できます。

その星野源さんもまた、震災後の息苦しさの中、ラジオの力に救われたと振り返っています。

喋り手(DJ)、発し手(ラジオ局や番組の中の人)そして受け手(リスナー)...立場は違えどもあのときその違いを超えひとつになったのを感じられた、"ラジオの力"を実感したのは皆同じだと思うのです。

 

 

そういえば日曜に書いたブログの中で、震災翌日の『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ 土曜22時 通称『タマフル』)にも触れたのですが、その放送回の後日談が同局の当時平日昼帯だった『小島慶子キラ☆キラ』で、小島さんの代打にその『タマフル』回に出演した江藤愛アナウンサーが担当した際に語られていました。ラジオ局の音楽ライブラリーが使えず自宅から音源を持参した宇多丸さんが選曲をしていたものの、かけようと思っても海や波のメタファーが入っているものがあってかけるのをやめた...というもの。歌詞に慎重になり過ぎるというのは自分も直後にラジオ番組を担当したゆえ、久々に『キラ☆キラ』の音声を聴いていろいろ思い出してしまった次第です。