イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

1990年代の良質サウンドトラック、『ため息つかせて』

今日のラジオ、よろしくお願いいたします。

映画ファンにはちょっと失礼な特集タイトルかもしれません(ごめんなさい)。ちなみに【いまいち内容が思い出せない映画主題歌(洋画編)】、個人的には大きく2種類に大別されると思っています。一つは"映画そのものは大ヒットしなかった、もしくは内容的に微妙だけど映画主題歌が大ヒットした"パターン、もう一つは"映画はヒットしたものの、後に映画主題歌がCM等様々なタイアップに用いられ映画のイメージが薄れた"パターン。ちなみに前者については、アメリカ等ではヒットしたものの日本では知名度がいまいち...というものも含まれます。

 

さて、自分が米ビルボードソングスチャートに興味を抱きはじめた1990年代中盤、年間トップ10には映画主題歌が2曲ランクインする現象が続きました。その中でも特に印象に残っているのが1996年。

Toni Braxton「Let It Flow」(from『Waiting To Exhale』(1995))

ホイットニー・ヒューストン主演の映画、『ため息つかせて』のサウンドトラックに収録された楽曲。実際は主題歌ではなく挿入歌的扱いですが、トニのセカンドアルバム『Secrets』(1996)からの先行曲「You're Makin' Me High」とダブルAサイドでリリースされ、1996年の年間チャートで9位を記録。ちなみに同年の年間チャートでは、映画『アンカーウーマン (原題:Up Close & Personal)』の主題歌、セリーヌ・ディオン「Because You Loved Me」が3位にランクインしています。

『ため息つかせて』は恥ずかしながら未見なのですが、そのサウンドトラックは全編ベイビーフェイスが手掛け(全曲プロデュース、およびカバー曲を除き全曲ソングライトに参加)、1997年のグラミー賞において主要4部門のひとつである最優秀アルバム賞にノミネートされています。受賞はセリーヌ・ディオン『Falling Into You』に譲りましたが(先述した「Because You Loved Me」はまさにこのアルバムからの先行曲でもある)、ベイビーフェイスの代名詞たる"美メロ"に溢れた16曲は捨て曲一切なし。それを物語るかの如く、アルバムからは「Let It Flow」を含む5曲がソングスチャートでトップ10入りを果たしています。勿論、主演のホイットニー・ヒューストンも歌っています。

R&B系のサウンドトラックは、とりわけこの時期良作が多かった印象がありますが、一方で映画の内容を思い出せるかと言われると...?なものが少なくない気も。『ため息つかせて』関連曲は日本での知名度はいまいちかもしれませんが(なのでラジオでかけないだろうと思いここで紹介)、アルバムは素晴らしいので是非手にしてほしいと思います。中古盤で300円以内で買えるはずです。