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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

日本テレビが採るべきだった真の"即応性"

追悼放送に異議を唱えるつもりは全くありませんが、やはり違和感が拭えないため記載させていただきます。

 

先日亡くなった高畑勲氏の追悼として、先週金曜の『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ 金曜21時)枠で『火垂るの墓』が放送されました。が、この放送に至る流れには正直疑問を抱いています。

高畑氏の死去が報じられたのは先週金曜、4月6日の朝でした。となると、報じられた日の『金曜ロードSHOW!』(日本テレビ 金曜21時)枠を差し替えてもよかったはずです。

この日の『金曜ロードSHOW!』は『るろうに剣心 伝説の最期編』が放送されていました(価格.com - 「日本テレビ」2018年4月6日(金)番組表 | テレビ紹介情報参照)が、前週に『同 京都大火編』が既に放送されていたため(価格.com - 「日本テレビ」2018年3月30日(金)番組表 | テレビ紹介情報参照)、その流れを変えたくなかったのかもしれません。しかし、偉大な功績を遺した高畑勲氏の死去については、『るろうに剣心 伝説の最期編』を先延ばしにしてでも放送する必要があったのではないかと思うのです。スタジオジブリの作品をほぼ独占して流している日本テレビならば尚の事。

追悼放送の決定に際し、日本テレビ側はこうコメントしています。

 「長年にわたり、数々の作品で、お世話になってきた。高畑監督の訃報に接し、番組として何ができるかを考え、最大限の追悼と敬意を込めました」

 「金曜ロードSHOW!」を担当する日本テレビプロデューサーの谷生俊治(たにお・としはる)さん(44)はそう語ります。高畑監督が亡くなったのは5日木曜日の未明。社内での協議を経て、わずか半日で放送番組を変え、予告編を準備したそうです。

  「テレビは即応性のメディア。時時刻刻と変わる社会の状況に応じて、視聴者の『見たい』という思いに応えていくにはどうすればいいかと、いつも考えています」

訃報から半日「コナン」から「火垂るの墓」へ即断変更 日テレの決意 - withnews(ウィズニュース)(4月12日付)より 

"予告編を準備"することと、"放送番組を変え"ることとはイコールではなく、放送番組を変えることとはすなわち流す映画自体の差し替えではないかと。訃報が流れた日に予告編ではなく本編を流すことこそが"即応性"なのでは?と違和感を抱いた次第です。無論、物理的に難しいのは承知していますが、それでも。

そこで思い出したのが、以前のブログエントリー。自分は以前、日本テレビジブリ映画を流す"タイミング"への違和感を書いたのですが、もしかしたら今回の放送も、局のその"タイミング"を踏襲したのでは?と思ったのです。なぜなら『火垂るの墓』放送日はTBSの新ドラマ『あなたには帰る家がある』(TBS 金曜22時)の初回放送と同日となったゆえ。

先述したように、本来訃報が流れたならばその日の放送を差し替える...これは多くの視聴者も思ったことではないかと考えます。宮崎駿&ジブリ劇場作品TV放映リスト 最新データ補間ページ(勝手ながらリンクを貼らせていただきました。問題があれば削除させていただきます)をみると今回が13回目のテレビ放送であり、どのタイミングでCMを挿れるか等のノウハウはあったはずです。にもかかわらず日本テレビが、"ジブリをTBSの連続ドラマ初回にぶつける"目的で一週後の放送にしたのだとしたら、厳しい物言いながら敢えて書かせていただくならば、高畑勲氏の訃報までも、視聴率獲得(ライバル駆逐)が第一という日本テレビの利益最優先のツールとして扱ってやしないかと、心底残念に思ってしまいます。

自分の日本テレビに対する違和感を以前知人に話した際、その人から"利潤を追求することは悪いことではない"と言われました。無論その考えは理解できるものの、今回はエンタテインメント界に偉大な功績を遺した高畑勲氏の追悼放送までもがこのタイミングになったことに、さすがにこれでは芸術よりも...?という姿勢が見えてしまい、首を傾げています。

 

そして、後日発表された視聴率…実はTBSに軍配が上がりました。『火垂るの墓』の視聴率も下記リンク先に掲載されています。

先延ばしにしたこと、新作ドラマ初回にぶつけたこと…訃報が流れた日には物理的に間に合わなかった可能性があることは十分理解出来るものの、"即応性"の意味を履き違えたと言っても過言ではない日本テレビは視聴率も信頼度も下げてしまったように思います。

無論、日本テレビに対する自分の邪推があることは否めませんが、それでもTBS連続ドラマの初回や最終回等の大事な放送日にジブリ等アニメコンテンツを毎回のごとくぶつけてくるのは事実。今回は結果的に偶然ぶつかったと言えるかもしれませんがそれでも、局の姿勢が露呈してしまったように思います。