イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ミュージックビデオの質感×カントリー、両方のブームを押さえた方が日本でヒットの兆し

最近の海外でのトレンドはたとえば、ミュージックビデオにおけるアナログテレビ的な質感。カルヴィン・ハリス&デュア・リパ「One Kiss」については以前ブログで紹介しましたが、クリスティーナ・アギレラの新曲にもその質感を思わせるものが。

他方、カントリーもまたトレンド。最新米ソングスチャートでトップ10入りしたカミラ・カベロ「Never Be The Same」はカントリー歌手、ケーン・ブラウンの参加版の追加が浮上のきっかけとなりました。

カントリー歌手の他ジャンルへの挑戦(クロスオーバー)のみならず、他ジャンルの歌手がカントリーへアプローチすることも多く見られています。

 

ではこの両者が合わさった作品があるかというと...これが現在日本でスマッシュヒットしているこちら。

『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)、最新5月6日付チャートで19位にランクインしている「High Horse」。リリックビデオではありますがミュージックビデオの質感、そして音的にも80年代感が強く、さらに歌っている方はカントリー歌手のケイシー・マスグレイヴス。この曲はアメリカで3月にリリースされたアルバム『Golden Hour』に収録されています。そして面白いことに、このアルバムは少し先ですが7月4日に国内盤がリリースされることに。

ゴールデン・アワー - ケイシー・マスグレイヴス

実はアメリカでアルバムこそヒットしながらも総合ソングスチャートでは2曲しかトップ100にランクインしていない彼女が国内盤リリースに至れたのは、7月29日のフジロックフェスティバル出演がきっかけかと思われるのですが、レコード会社側が今のトレンドに沿う方を...と探した結果がケイシー・マスグレイヴスだったのかもしれません。カントリーといえば2000年前後にも、ポップアプローチを施していたシャナイア・トゥエインやフェイス・ヒル等が国内盤をリリースし、またシャナイアは車のCMソングに「Up!」が用いられた経緯もあります。日本が常時カントリー推しということではないのは残念ですが、時流に乗って素晴らしいカントリー音楽とその歌手が広まれば音楽の世界はよりふくよかになりますね。