face it

青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

RHYMESTERが"本人参加型カバー"で名曲に与える新たな息吹

今週リリースされた、椎名林檎さんのトリビュートアルバム『アダムとイヴの林檎』がとても素晴らしく、個人的には(同作に小袋成彬さんと共に参加した)宇多田ヒカルさんのトリビュートアルバム『宇多田ヒカルのうた - 13組の音楽家による13の解釈について -』(2014)に並ぶ充実作と感じています。

上記は、宇多田ヒカルさんと翌年リリースのDREAMS COME TRUEとの比較に基づく、私見による良質なトリビュートアルバムの条件群を提示したものです。

 

さて、今回の『アダムとイヴの林檎』において、もしかしたら聴き手の中に"違和感"を抱く方がいらっしゃるであろう曲があります。

RHYMESTER「本能」

Fruit Défendu

Fruit Défendu

  • Various Artists
  • J-Pop
  • ¥2100

上記試聴動画ではMummy-Dさんのパートのみが流れてきますが、Mummy-Dさんは竹内朋康さんと共にマボロシとして椎名林檎さんの「流行」(アルバム『三文ゴシップ』(2009)収録)等に参加しておりその人脈に納得する方は多いはず。とはいえ、本家「本能」をサンプリングして新たにラップパートを上乗せするのは果たしてカバーなのか?という声も聞こえてきそうです。

しかし同作は"トリビュート"という体であることに加え、RHYMESTERがヒップホップアクトの中ではこのような企画にとりわけ多く招かれそして結果を残しているという実績があるのです。しかも本家の音源を用いたり、時には本人を招いて新たに歌声を収録するものもあり、カバーや引用された側の歌手がRHYMESTERに敬意を示していることがよく解ります。今回はその一例を紹介しますので、RHYMESTER版「本能」が気になった方は是非掘り進めていただき、まだなんとなく違和感を抱く方も下記作品群に触れてその起用理由を感じていただけたならと思います。

 

加山雄三 feat. RHYMESTER「旅人よ」(アルバム『加山雄三の新世界』(2017)収録)

 (※下記は収録アルバムの宣伝映像)

加山雄三の新世界

加山雄三の新世界

  • Various Artists
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥1800

 

スキマスイッチ「ゴールデンタイムラバー produced by RHYMESTER」(アルバム『re:Action』(2017)収録)

 

忌野清志郎 feat. RHYMESTER「雨上がりの夜空に35」(シングル『雨上がりの夜空に35』(2005)収録)

この制作経緯、過程については清志郎さんの訃報に宇多丸さんが触れた(というよりも、生放送中に速報が入り宇多丸さん自らが紹介することになってしまった)際に話しています。文字起こしは下記に。

(勝手ながら取り上げさせていただきました。問題があれば削除いたします。)

 

RHYMESTER 逆featuring CRAZY KEN BAND「肉体関係 part2」(アルバム『ウワサの伴奏-And The Band Played On-』(2002)収録)

ウワサの伴奏~And The Band Played On~

ウワサの伴奏~And The Band Played On~

  • RHYMESTER
  • ヒップホップ/ラップ
  • ¥2100

この曲が起点となって、忌野清志郎さんとの共演につながっていくという...そちらについては『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ 月-金曜18時)のみやーんさんによる書き起こしを是非。

 

 

清志郎さんとの共演はもう叶わなくなってしまいましたが、RHYMESTER主催のフェス、人間交差点では今後これらコラボレーションを是非ともお願いしたいところです。サンプリングではなく生歌で再演となれば観客の盛り上がりはとんでもないことになるかもしれません。