イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャートは2強低調、そして3曲が新たにトップ10入り

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の5月27日月曜が祝日のためその翌日に発表された、6月2日付最新チャート。ドレイク「Nice For What」がチャイルディッシュ・ガンビーノ「This Is America」から首位の座を奪還しました。そして新たに3組が初のトップ10入りを果たしています。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

ドレイク「Nice For What」が首位を奪還したものの、これまでに比べて非常に低調な週となっています。ストリーミングは3680万で前週比8%ダウン、デジタルダウンロードは23000(同10%ダウン)、ラジオエアプレイは前週比2%上がったものの7890万となっており、各指標別の順位は順番に3位、10位そして7位とどの指標でも首位に至っていません。他方チャイルディッシュ・ガンビーノ「This Is America」はストリーミングは1位ながら4520万で前週比35%ダウン、デジタルダウンロードは24000で同52%ダウンの5位、そしてラジオエアプレイは2170万で前週比30%アップしたものの46位…「Nice For What」はストリーミングの弱さを4倍近いラジオエアプレイでカバーしたといえるでしょう。とはいえ双方とも勢いがあるとは言えない状況です。

トップ10には新たに3曲が初登場。そしていずれも初となるトップ10入りです。

・リル・ベイビー feat. ドレイク「Yes Indeed」(49→6位)

YouTubeでの動画はなぜか日本で観ることが出来ない模様。アトランタ出身のラッパーによる初のトップ10ヒット。昨年4作ものミックステープをリリース後、今月満を持してリリースしたアルバム『Harder Than Ever』が最新の米ビルボードアルバムチャートで3位にエントリーし、収録曲ではこの「Yes Indeed」が最上位に。ストリーミングは3950万で前週比190%もの大幅アップ。これまで「My Dawg」の71位が最高位でしたがあっさり更新した形に。そして客演したドレイクにとってはこの曲が通算26曲目のトップ10入りとなり、エルヴィス・プレスリーに並びました(尤も今の形でのチャートが始まる2年前からプレスリーは活躍しているため実際のヒット曲はもっと多くなるわけですが)。これでトップ10入り曲数においてドレイクは歴代9位となりました。シングルが新たに切られていること、アルバムリリースが控えているだろうこと、客演参加…これらを踏まえれば数年中に記録が更新されそうな予感もします。

 

・エラ・メイ「Boo'd Up」(11→8位)

ロンドン出身のR&B歌手、エラ・メイのデビュー曲「Boo'd Up」が初のトップ10入り。実はこの曲が最も堅調な動きをしていて、ストリーミングが前週比23%アップ(2860万 6位)、デジタルダウンロード同14%アップ(12000 27位)、ラジオエアプレイ同5%アップ(3510万 30位)と全指標延ばしています。R&Bソングスチャートでは2週目の首位を獲得。デビュー曲がトップ10入りすることはリル・パンプ「Gucci Gang」が昨年末に3位を記録して以来、今年に入ってからは初となります。

 

BTS「Fake Love」(初登場10位)

一昨日発表された米ビルボードアルバムチャートで『Love Yourself : Tear』が首位を獲得したK-PopグループのBTS(防弾少年団)。アルバム収録曲で【2018 ビルボードミュージック・アワード】でも披露された同曲がトップ10入りを果たしました。アルバムの記録については以下に詳しく掲載されていますので是非。

K-Popでは最高位での初登場となった「Fake Love」は、自身の持つシングルでの最高位(デザイナーをフィーチャーした「MIC Drop」(2017)での28位)を更新。6年前に「Gangnam Style」が7週2位を記録し翌年「Gentleman」が5位になったPSYに次いで、K-Popでは2組目のトップ10入りを果たしました(なお、初登場トップ10入りはK-Pop初となります)。ストリーミングは2740万で同指標7位、そしてデジタルダウンロードは首位発進となりました(が、29000というのは寂しいところです。デジタルダウンロード自体の勢いの低下を個人的には感じています)。

 

上位が以前ほどの勢いを保てず、また初登場組がエラ・メイを除いて2週目に今週ほどの勢いを保てるかも気がかり(この”初登場で高位置を記録しながらも2週目に急落する問題”は以前から書いてきました)というのが正直なところ。次週も波乱があるかもしれません。