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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

ジャンルをきちんと示さないと思しきレコード会社への不安と、ゴスペル歌手ジェイソン・チャンピオンの現在

先日、J-WAVEチャートで好調だとして紹介したのがケイシー・マスグレイヴス「High Horse」。

『J-WAVE TOKIO HOT 100』(日曜13時)の最新5月27日付チャートでも16位にランクイン。国内盤リリースは7月4日ゆえ、この勢いを維持出来るかどうかにレコード会社の手腕がかかっているといえるでしょう。

 

さて、これは私見と前置きして書きますが、日本のレコード会社側はケイシー・マスグレイヴスを”カントリー歌手”という位置付けで売りだそうとしていないのでは?と考えています。理由の一つは日本でのリード曲がカントリー色の薄い「High Horse」であること、そしてもう一つは日本のレコード会社が、かつてのEMIミュージック・ジャパンを吸収したユニバーサルミュージックジャパンであること。後者について、実はEMIミュージック・ジャパンは名称変更前の東芝EMI時代も含め、R&B的なゴスペル(アーバンコンテンポラリーゴスペル)の歌手のアルバムを”ゴスペル”とほぼ謳わずにリリースした過去があり、自分の中ではそれが引っかかっているのです。ゴスペルが少しでも浸透したことは良いことかもしれませんが、”ゴスペルである”ときちんと訴求しなかったゆえに騙されたとすら思う人が出てきたのではないか、と今でも考えています。そのEMIミュージック・ジャパンが当時売り出したゴスペル歌手がキエラ・シアード(キエラ・キキ・シアード)、そしてジェイソン・チャンピオンでした。

レコード会社のホームページ内における、2000年代半ばに売り出したキキ(日本で売り出した際の名前はミドルネームのみ)のバイオグラフィー、および2009年にEMIミュージックから国内盤が出たジェイソン・チャンピオンのバイオグラフィーには”ゴスペル”の文字が出てきますが、ジェイソンのアルバム『Reflections』(オリジナルは2008)の解説には”ゴスペル”の文字が一切出てきません。そして実際の盤において。

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帯の裏にはゴスペルという言葉が出てくるものの、表には”R&B界待望の大型新人”と書かれるのみ。確かに音はR&Bだけどそんなにゴスペルという言葉を表に出したらいけない、売れないとでも考えたのか…と悲しみを覚えた当時の自分がいます。そのことがあったゆえ、ケイシー・マスグレイヴスにおいても、ラジオ等で「High Horse」を聴いてファンになり後に来日公演を観た方が、”「High Horse」の世界観が好きで行ったのにカントリーだなんて知らないし聞いてない!”と激昂するのではという懸念があります。レコード会社にはしっかりと、「High Horse」の格好良さもまたカントリーの側面であると隠さず伝えてほしいと思います。そうすればケイシー・マスグレイヴス経由でカントリーに深く入り込む方も出てくるでしょう。

 

さて、ジェイソン・チャンピオンについて調べてみると、4年前にゴスペル/R&Bプロデューサーのウォーリン・キャンベルのレーベル、My Blockへ仲間入りを果たしています。

実際、「Always」はウォーリン・キャンベルによるプロデュースゆえ自然な流れかもしれません。そして昨年の夏、そのMy Blockより「Are You Ready」というオールドマナーな曲を発表。

声の伸びは相変わらず、気持ち良いですね。今年3月のレーベル所属歌手集合写真にも右上にジェイソン・チャンピオンの姿が確認出来るため、近いうちにアルバムをリリースし完全復活してくれることを心待ちにしています。