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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

星野源「アイデア」のリリース方法に、アミューズの戦略を思う

この予告からの。

答えはこちら。

自分はてっきり「アイデア」を含むアルバムの告知だと思っていました。もしくは「アイデア」がシングルCDとしてリリースされるのか?とも。配信のみの作品を見開き(2ページ)で告知したというのは、朝日新聞の掲載料金参考ページを踏まえるにかなり凄いことなのですが、配信の売上だけで賄うのは厳しいのではと考えると、せめてシングルCDも出したほうが…と思いつつ、そこでふとこんな考えが。

芸能事務所、アミューズに所属する歌手の今年の楽曲において、【タイアップがありながらシングルCDを出さない】パターンが続出しているのです。たとえば。

 

サザンオールスターズ

「闘う戦士(もの)たちへ愛を込めて」(映画『空飛ぶタイヤ』主題歌 6月15日配信開始)

「壮年JUMP」(三ツ矢サイダーCMソング 7月23日配信開始)

上記はいずれもアルバム『海のOh, Yeah!!』(8月1日発売)に収録。

 

福山雅治

「零 -ZERO-」(映画『名探偵コナン ゼロの執行人』主題歌 4月7日配信開始)

その他、ドラマ『正義のセ』(2018 日本テレビ)主題歌「失敗学」、NHK高校野球テーマソング「甲子園」といった新曲も発表していますがこちらは配信等未定。

 

ONE OK ROCK

「Change」(HONDACMソング 2月16日配信開始)

 

Perfume

「Let Me Know」(8月1日配信開始)

アルバム『Future Pop』(8月15日発売)に収録。

 

サザンオールスターズおよびPerfumeは、先行リリースからアルバム発売までの期間が短いゆえシングルCDリリースなしという事態も理解できますが、福山雅治さんおよびONE OK ROCKはアルバムがいつリリースされるか不明、福山さんに至っては昨年12月配信開始の「トモエ学園」(ドラマ『トットちゃん!』(2017 テレビ朝日)主題歌もCDとしてリリースされていません。そして今回紹介した5組は、いくらシングルCDが斜陽産業となったとはいえある程度のセールスが見込めるはずです。各歌手によってシングルCDへのスタンスは変わるかもしれませんが、アミューズとしてはシングルCDを出さないという流れになっているように思うのですがいかがでしょうか。

あくまで個人的には、シングルCDを出すことが、配信が世界に比べて遅れを取っている日本では未だ有効な施策だと思うのですが…ただし、つい最近このエントリーを書いた直後にこういう状況が出てくると、少なくともシングルCDでの音楽の伝播は斜陽(ながら踏みとどまっていた)どころか終わりが見えてきたのかもしれませんし、アミューズの戦略はその"終わりの始まり"となりそうな予感がします。