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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャートはドレイクがからくも首位キープ、アリアナ・グランデが2曲トップ10入り

ビルボードソングスチャートを定点観測。

現地時間の8月27日月曜に発表された、9月1日付最新チャート。ドレイク「In My Feelings」が7週連続の首位となり、ドレイクは2018年において半年分となる26週、首位を獲得したことになりました。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

2018年に入り、ドレイクの首位獲得週数は26(「「God's Plan」(11週)、「Nice For What」(8週)、「In My Feelings」(7週))。1月を起点とする1年間で最も首位の座を独占した歌手のランキングをみてみると。

28週 アッシャー (2004)

26週 ドレイク (2018)、ブラック・アイド・ピーズ (2009)

19週 ドレイク (2016)、パフ・ダディ (1997)

18週 モニカ (1998)、ビートルズ (1964)

17週 ジャスティン・ビーバー (2017)、ビヨンセ (2003)、ネリー (2002)、ボーイズIIメン (1994)

9年前、「Boom Boom Pow」(12週)と「I Gotta Feeling」(14週)の2曲で半年チャートを制したブラック・アイド・ピーズに並び歴代2位。立ちはだかるはアッシャーのみ(2004年、リル・ジョンリュダクリスをフィーチャーした「Yeah!」(12週)、「Burn」(8週)、「Confessions Part II」(2週)、アリシア・キーズとの「My Boo」(6週)の4曲で28週首位を記録)。ドレイクは通算首位獲得週数も今週で46と伸ばしアッシャーまであと1つ。さあアッシャー超えなるか...というところですがここにきてポイントが急落しています。ストリーミングが前週比16%、デジタルダウンロードが同21%、ラジオエアプレイが同3%と大幅ダウン。これで2位のマルーン5 feat. カーディ・B「Girls Like You」との差はなくなってきたと言えます。

・ドレイク「In My Feelings」(総合1位)

  ストリーミング 5940万 (1位 前週比16%ダウン)

  デジタルダウンロード 30000 (2位 同21%ダウン)

  ラジオエアプレイ 1億600万 (4位 同3%ダウン)

マルーン5 feat. カーディ・B「Girls Like You」(総合2位)

  ストリーミング 3120万 (5位 前週比6%アップ)

  デジタルダウンロード 30000 (3位 同9%ダウン)

  ラジオエアプレイ 1億2800万 (1位 同1%ダウン)

ストリーミングの差をラジオエアプレイでは埋めきれていない「Girls Like You」。そのラジオエアプレイでダウンに転じたため、たとえばiTunes Storeでの安価販売を行うなどして施策を行わないと、「Girls Like You」は首位を獲れずじまいのままかもしれません。無論「In My Feelings」も新たな策を採ってくるかもしれず、次週のチャートに注目したいところです。

その「Girls Like You」に客演参加したカーディ・Bは、自身の主演作でバッド・バニー&J・バルヴィンを招いた「I Like It」(3位)が登場20週目にしてデジタルダウンロード指標を制しました(とはいえ32000という数値の低さがデジタルダウンロードからストリーミングへの移行を物語っているのですが)。デジタルダウンロード指標における首位獲得までの長さ(遅さ)は、同指標がスタートした2004年以降で歴代6位。オール・アメリカン・リジェクツ「Dirty Little Secret」(2006 26週目)、トレイン「Hey Soul Sister」(2010 25週目)、ザ・フレイ「How To Save A Life」(2006 25週目)、レディー・ガガ feat. コルビー・オドニス「Just Dance」(2009 24週)、アデル「Set Fire To The Rain」(2012 23週)に次ぐ記録となりました。

アリアナ・グランデが2曲、ソングスチャートトップ10に送り込みました。初登場時に3位を記録した「No Tears Left To Cry」が12→7位、前週30位だった「God Is A Woman」が8位へジャンプアップ。後者は初となるトップ10入りです。

アリアナ・グランデは最新アルバム『Sweetener』が最新のアルバムチャートを制覇。キャリア史上最高の初動ユニット数だったことで、収録曲2曲がトップ10入りすることに。

アリアナ・グランデは先週月曜に開催された【2018 MTVビデオ・ミュージック・アワード】で「God Is A Woman」をパフォーマンス。この模様は後日アリアナの公式YouTubeアカウントに掲載されました。

さらに「God Is A Woman」はiTunes Storeで69セントの安価販売を実施...つまりアリアナは、アルバムセールス初週にテレビ出演、安価販売というマーケティングを施していたのです。その効果は大きく、「No Tears Left To Cry」はストリーミングが前週比47%、「God Is A Woman」はストリーミングが同68%のジャンプアップ。「God...」のデジタルダウンロードに至っては同78%も上昇しました。ラジオエアプレイにおいては「No...」がピークを超えた一方で「God...」は前週比22%上昇、同指標でトップ40入りを果たしました(46→39位)。

アリアナ・グランデは今回「God Is A Woman」がトップ10入りしたことで、2010年代に入り10曲目のトップ10入りを達成。この記録は女性歌手においてケシャおよびレディー・ガガに並ぶもので、リアーナ(19曲)、ニッキー・ミナージュおよびテイラー・スウィフト(17曲)、ケイティ・ペリー(11曲)に次ぐ記録。男性歌手ではドレイクがぶっちぎりで、29曲ものトップ10を獲得しています。

もうすぐトップ10はこちら。

・カリード&ノーマーニ「Love Lies」(11→11位)

足踏みとはなりましたが、ラジオエアプレイでは前週比9%上昇し6→5位となりました。

ファイヴ・セカンズ・オブ・サマー「Youngblood」(17→15位)

・ベニー・ブランコ、ホールジー&カリード「Eastside」(48→31位)

・ルーク・ブライアン「Sunrise, Sunburn, Sunset」(47→40位)

 

そういえば、2018 MTVビデオ・ミュージック・アワードでエアロスミスと共演したポスト・マローンですが、「Better Now」のミュージックビデオは作らないのでしょうか? このタイミングで投下すれば確実にトップ3...いや天下を獲れる可能性すらあると思うのですが。

披露したのは「Rockstar」でしたね...エアロスミスとの共演ゆえこの曲にしたのでしょうが、チャートを意識して「Better Now」も披露してほしかったなあと思っています。