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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

米ソングスチャート、リル・ウェインがアルバム『Tha Carter V』から4曲がトップ10入り

ビルボードチャートを定点観測。

現地時間の10月8日月曜に発表された、10月13日付最新チャート。マルーン5 feat. カーディ・B「Girls Like You」が3週連続で首位を獲得、またアルバムチャートを制したリル・ウェインがトップ10内に4曲を、全て初登場で送り込んできました。

記事は下記に。

そしてトップ10はこちら。

マルーン5 feat. カーディ・B「Girls Like You」はラジオエアプレイが引き続き好調。前週比2%ダウンしたものの1億2590万を叩き出し、同指標にて12週目の首位を獲得。エド・シーラン「Shape Of You」(2017)以来の記録を達成しました。デジタルダウンロードでは前週比26%ダウンの18000、ストリーミングは逆に伸び、同2%アップの2330万を記録。にもかかわらずストリーミングが13→19位へダウンしたのには、リル・ウェインの大量エントリーが要因となっています。

Tha Carter V

Tha Carter V

9月末にリリースされたリル・ウェインのアルバム『Tha Carter V』は最新10月13日付ビルボードアルバムチャートを制覇、『Tha Carter IV』(2011)以来自身4作目となる首位を獲得しました。

初動480000ユニットという数字はドレイク『Scorpion』(732000ユニット)、トラヴィス・スコット『Astroworld』(537000ユニット)に次ぐ今年3位の記録となります。長らく待たれていた今作の内容についてはbmrをご参照ください。

(ちなみにアルバム実売強化のための施策も打たれていましたが、アルバムセールスは48万のうち141000となっています。)

そのアルバムの勢いがソングスチャートにも反映。ケンドリック・ラマーをフィーチャーした「Mona Lisa」が2位、故エクスエクスエクステンタシオンを招いた「Don't Cry」が5位と、2曲をトップ5内に送り込み、また「Uproar」が7位、トラヴィス・スコットを迎えた「Let It Fly」が10位に初登場。ストリーミング指標では「Mona Lisa」(4300万)、「Don't Cry」(3600万)がワンツーフィニッシュを達成、またデジタルダウンロードでは5位(22000)、9位(16000)となっています。

この結果、リル・ウェインはトップ10内に複数曲を初登場で送り込んだ5組目の歌手に(過去にはエド・シーラン、ドレイク、J・コール、トラヴィス・スコットが達成)。そのうち4曲もの初登場は、ドレイクが7月14日付にて「Nonstop」(2位)、「In My Feelings」(6位)、「Emotionless」(8位)、「Don't Matter To Me (feat. Michael Jackson)」(9位)を送り込んで以来2度目の記録となります。リル・ウェインはこれでトップ10ヒットが24曲となり、ドレイク(31曲)に次ぐ記録となりました(以下ジェイ・Z(21曲)、エミネム(20曲)と続きます)。

リル・ウェインは今回、『Tha Carter V』収録の23曲中22曲がトップ100にエントリーを果たしました。22曲もの初登場は7月14日付におけるドレイク『Scorpion』からの大量エントリーに並ぶ歴代最多を達成。なおドレイクはその7月14日付にて、初登場曲以外および客演参加も含め合計27曲が100位以内にランクイン、翌週7月21日付および2017年4月8日付では24曲がランクインしています(後者はプレイリスト『More Life』の初登場に伴います)。今回のチャートで、リル・ウェインのトップ100内ランクインは160曲となりました(最多はグリー・キャスト(Foxのテレビ番組『Glee』の出演者)の207曲、次いでドレイクの188曲)。

 

さて来週のチャートですが、現地時間の9日(日本時間の10日)に開催される音楽賞、アメリカン・ミュージック・アワードで結果を出した方やパフォーマンスされた曲が伸びるかに注目。リル・ウェインの2週目の動向も確認しないといけません。前週ビルボードではジュース・ワールド「Lucid Dreams」と「GIrls Like You」が接戦に?と伝えていましたが「Lucid Dreams」は3位に後退しています。次週これら2曲の差は詰まってきているのか、チェックしましょう。