イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

「Lovely Day」カバー合戦を機に、ビル・ウィザースのオリジナルとカバーをチェック

先週日曜の『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)で50位にランクインしていたのが、ホセ・ジェイムズ feat. レイラ・ハサウェイ「Lovely Day」。ビル・ウィザースによる名曲のカバーであり、先月発売されたビル・ウィザーストリビュートからのナンバーとなっています。

偶然にもこの秋は、インディR&B界で長年活動を続けるアンソニー・デイヴィッドもビル・ウィザースのトリビュート作をリリース。

どちらがより好みか、是非聴き比べてみてください。オリジナルは今年80歳になったビル・ウィザースによる1977年発表曲。

自分がこの曲を強く意識したのは、1999年のGAPのCMに用いられたこと。尤もここでのバージョンはシック「I Want Your Love」(1979)のベースラインを加えたバージョンの模様ですが。

CMで20年以上前(当時)の曲が用いられた理由は解りかねますが、世代を超えて愛されている曲と言えるかもしれません。そしてカバーに至っては、これまで30組程が挑戦しています。

WhoSampledによる上記データベースの中で最も人気なのが、最新米ビルボードソングスチャートで「Girls Like You」が3週連続1位に輝いたマルーン5と、ビル・ウィザース本人によるカバー。サウンドトラック『Hoot』(2006)に収録されています。同CDはビルのバイオグラフィーを記載したタワーレコードのフリーペーパー『bounce』に掲載されています。なお、こちらではビル・ウィザーズと記載されています。

この「Lovely Day」は本当に愛されていて、松尾潔氏も自身のラジオ番組『松尾潔 メロウな夜』(NHK-FM 月曜23時)の中で特集を組んだほど。

松尾潔 R&B定番曲解説 Bill Withers『Lovely Day』 - miyearnZZ Labo(2016年5月25日付)

ゴスペルを歌ってきた身には、カーク・フランクリンのゴスペル解釈によるカバーを取り上げてくださったのが嬉しい限り。歌手によっては、別解釈を織り込んだカバーを拒否する方もいらっしゃいますが、ビルの懐の深さには感謝したいものです。

このアプローチが後に、アース・ウインド&ファイアーのクラシック「September」のカバーにつながった気がしますね。

 

ゴスペルアプローチでもカバーされたビル・ウィザース「Lovely Day」。サンプリングされる楽曲としても人気となっています。今回のホセ・ジェイムズ&アンソニー・デイヴィッドによる同じタイミングでのカバーをきっかけに、最も好きな「Lovely Day」を見つけるのも楽しいかもしれませんね。