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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ラジオエアプレイ4週1位、Official髭男dism「Stand By You」のアコースティックバージョンはゴスペル的だ

昨日発表された、最新11月12日付ビルボードジャパンソングスチャート。

米津玄師さん、トップ20に限って見ると5曲もランクインしています。

シングルCDのリリースが過去作を引き上げているというのもさることながら、カップリング、それもダブルAサイド(両A面)ではない「ごめんね」が12位まで上昇、それもデジタルダウンロードでは5位につけているのが驚きです。

ダウンロード数は「Flamingo」が83102、「TEENAGE RIOT」が47869に対し、「ごめんね」は27424。ダブルAサイド扱いではないカップリング曲がここまで売れているのは、ファンが米津玄師さんの楽曲全てを購入したいという意思の表れでしょう。

 

個人的に注目したいのは、今週21位につけたOfficial髭男dism「Stand By You」。2週前に最高10位を記録しています。

この曲を牽引しているのは主にラジオエアプレイであり、最新週ではポイントのほぼ半分が同指標で占めています。そのラジオエアプレイ指標では前週まで4週連続首位を獲得(今週は3位)。10月末には複合指標から成る『J-WAVE TOKIO HOT 100』(J-WAVE 日曜13時)も制しています。ドラマ『コンフィデンスマンJP』(フジテレビ)主題歌に起用された前作「ノーダウト」はラジオエアプレイ最高2位、同指標ではトップ10在籍期間が5週であり、今回はそれを上回りそうな気配です。

「ノーダウト」はシングルCDセールス指標において、同時発売のアルバム『エスカパレード』に収録されていることもあってか急落していますが(一方で『エスカパード』はビルボードジャパンアルバムチャートトップ100内に10週滞在)、「Stand By You」はシングルCDセールス指標加算後3週目にしてTwitterと動画再生以外は各指標全て100位以内にランクイン中。また「ノーダウト」は「Stand By You」登場以降ストリーミング指標が再浮上しており、米津玄師さんほどではないにしろ旧譜への効果も見られます。ドラマの高評価もあり「ノーダウト」で知名度を上げたOfficial髭男dismが、「Stand By You」で着実にステップアップしたと言えるかもしれません。

…と、数値面から分析したのですが、個人的には今年5本の指に入るくらい大好きな楽曲に成ったゆえ純粋に推したい、そんな思いです。それはこの動画が公開されたため。

EPに収録されたバージョンと同じおそらくは音源。ボーカルの藤原聡さんの、高いポップセンスの中に溢れ出んとするソウルネスがOfficial髭男dismの魅力だと思っているのですが、よりソウルフルになったのが今回のバージョン。藤原さんの力強い歌声は勿論のこと、メンバーが担当するハンドクラップやコーラスの包むような歌い方、そして大サビ以降のコーラスの盛り上げ方やパート分けを踏まえるに、これはまさしくゴスペルじゃないか!と、以前歌っていた身には嬉しくなりました。この曲における”You”は元のミュージックビデオを見れば仲間だと想像出来ますが、”You”はゴスペルにおいては神様の意味。無理矢理感はあるかもしれませんが、”You”を神様と置き換えてもこの曲は成り立つかもしれませんね。日本のゴスペルクワイアがカバーしても似合うと思います。

アレンジをシンプルにしても魅せることが出来るのは、歌の良さ、世界観が確立されていることの証明。このバージョンを聴いて、ますます彼らのライブに足を運びたくなりました。