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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

ビヨンセが思い出させてくれた25年前のR&B名盤

少し前になりますが、ハロウィンの話。

ハロウィンの衣装は死にまつわるモノが正しい…そんなことを聞いたことがあったのですが、日本では特に仮装大会になっている模様。しかしアメリカでも、日本寄りな仮装があったので遅ればせながら紹介したいなと。

ビヨンセの格好、トニ・ブラクストン完コピなのです。

(※ビルボードジャパンの記事では表記が”トニー・ブラクストン”となっています。)

ビヨンセが仮装したのは、トニ・ブラクストンのファーストアルバム『Toni Braxton (邦題:熱い吐息)』(1993)のジャケット。

和田アキ子さんばりのショートヘア(のウイッグ?)も似合うなんてビヨンセすごい!と、当時このアルバムを聴きまくった身には嬉しくなりました。

 

トニ・ブラクストンは1990年、5人姉妹によるブラクストンズとして「Good Life」でデビューするもアルバムリリースには至れず。2年後、歌手でプロデューサーのベイビーフェイスの寵愛を受け、映画『ブーメラン』サウンドトラックに収められた「Give U My Heart」をリリース(ベイビーフェイスとのデュエットで全米29位)。同サントラ収録の「Love Shoulda Brought You Home」(全米33位、後にファーストアルバムに収録)をシングルカットした後、ベイビーフェイスをはじめ錚々たるプロデューサー陣が満を持して作り上げたアルバム『Toni Braxton』が翌年リリースされるとそこからは3曲がトップ10入りを果たし、アルバムは1位を獲得。さらに1994年のグラミー賞で最優秀新人賞を受賞し、一躍時の人となったのです。2000年代に入り人気に陰りが出たものの、ベイビーフェイスとの再共演となるアルバム『Love, Marriage & Divorce』(2014)でグラミー賞を獲得しカムバック。またトニ等を除く3人組として1990年代後半にアルバムをリリースしたブラクストンズも、クリスマスアルバム『Braxton Family Christmas』(2015)で5人姉妹ユニットとして再結成しました。

トニ・ブラクストンの魅力はなんといっても彼女特有のアルトボイス。深みのある芳醇な声で魅了してくれます。ファーストアルバムからシングルカットされた「Breathe Again」がチャートを上昇した時期にアルバムを買ったのですが、当時米ビルボードソングスチャートトップ40にランクインした全ての曲をCDで買っていた(そして『Toni Braxton』も最初はそれを理由に購入した)自分が気付くとR&Bに傾倒、それも歌ヂカラのあるトニの作品(およびベイビーフェイスによる美しいメロディ(いわゆる”美メロ”))に魅了された身としては、今回のビヨンセの仮装がR&Bやトニにハマった当時を思い出させてくれるのみならず、以前エラ・メイが「R&Bは死んでなどいなかった」とつぶやいていたのをあたかもビヨンセが後押ししてくれたかのような印象を受け、90年代R&B復権の可能性に嬉しくなるのです。

 

というわけで、ビヨンセに刺激を受けてトニ・ブラクストンの作品をあらためて聴いています。ファーストアルバム収録曲はどれも好きですが、1曲だけ選ぶとしたらこちらでしょうか。渋いかもしれませんが。

この曲のR・ケリーによるリミックスも素晴らしいので是非。

当時はリミックス用にもミュージックビデオが作られていたんだなあと今更ながら驚きました。しばらくトニ・ブラクストンの世界に浸ろうと思います。