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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

マーヴィン・ゲイの遺族側はやはり、あらゆるクリエイティビティを壊しかねない悪例を築いてしまった

ちょっとおかしすぎやしませんか…というのが正直な私見

昨日付の記事における裁判、その初期の段階でこのブログでも取り上げました。

この裁判の2015年における(ロビン・シックおよびファレル・ウィリアムスが一度敗訴に至った)流れは下記ニュース(2015年3月11日付、下段に続報有)をご参照ください。

昨日の判決は、『著作権を侵害していると陪審員が出した判決を2018年3月に裁判所が支持したことを受け、再審理請求が連邦第九巡回区控訴裁に提出された』、その上での結果(『』内は下記リンク先より)。結局あのような判決が出たわけですが、弁護士のキャスリーン・サリバン氏が再審理請求の際、訴え論じた内容はやはり重要だと考えます。

「創造的表現の自由陪審員の気まぐれと雇われた音楽学の専門家に翻弄されていいのかという制度的な課題も同様に重要だ。裁判所による客観的な比較もないまま、自曲の要素が告発された曲に”かなりよく似ている”と述べてくれる専門家を著作権所有者が差し出すだけで陪審員を動かすことができるなら、どんな楽曲も著作権に関する法的責任から逃れることができなくなる」と訴えている。

ファレル・ウィリアムスとロビン・シック、著作権侵害訴訟の再審理を請求 | Daily News | Billboard JAPAN(4月13日付)より

 事実、3年前の段階で『訴訟においてゲイの遺族側は過去の判例を無視、音源比較を行わず、あたかも怒りの感情丸出しで陪審員の心を押さえつけ成功に至った』(マーヴィン・ゲイの遺族側はあらゆるクリエイティビティを壊しかねない悪例を築いたかもしれない(2015年3月21日付)より)わけですが、今回も覆ることはありませんでした。3年前、ロビン・シックが過去にもマーヴィン・ゲイと似てる曲を出していたとマーヴィン・ゲイの遺族側が主張し、施した印象付けは最終的に有効となってしまったわけです。本来ならばその曲が出た段階で訴えるのが通常だと思うのですが…結局ヒットしなかったその曲(「Love After War」)と今回の「Blurred Lines」では著作権収入に雲泥の差があり、訴えて勝てば利益になるものと考えたその金銭的打算がマーヴィン・ゲイの遺族側にあったという自分の見方は、今回の判決でより強固なものとなりました。

 

この裁判がきっかけになってか、サム・スミスブルーノ・マーズ、はてはレッド・ツェッペリン「天国への階段」までもが訴えられ、裁判で負けたり、訴訟に巻き込まれる前に手を売ったり…という流れが生まれています。今回の裁判以前からのものもあるでしょうが、今回の判決は今後のエンタテインメント業界全体のクリエイティビティに少なからず、いや大きな影響をもたらすものと危惧します。マーヴィン・ゲイの遺族側に、今回の裁判を終えての感想を伺ってみたいものです。