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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

『うたコン』1月放送内容から考える演歌歌謡曲の問題と解決案

今日の新聞のラテ欄に強い違和感が。

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『うたコン』(NHK総合 火曜19時30分)は先週の平成全般編に続いて今週は昨年1年間限定の名場面集に。その方針、そしてラテ欄に対して疑問を抱き、考えてみました。

 

ラテ欄から抱いた疑問はまず、【生放送を連続で休止する】ということ。1月リリースの作品は他の月に比べて少ないとしても確実に存在するわけで、その新譜を(たとえ番組の終盤であれ)紹介する番組が生放送を連続休止というのはどうなのでしょう。そしてもうひとつが【演歌歌謡曲が重用されていない】という点。ラテ欄には11組と1曲(DA PUMP「U.S.A.」。DA PUMPをそう表記するのもどうかと思うのですが…)が記載されていますが、そのうち演歌歌手は北島三郎さん、石川さゆりさんおよび丘みどりさんの3組だけ。薬師丸ひろ子さんを歌謡曲とカウントしても演歌歌謡曲は全体の3分の1以下であり、とても重用しているようにはみえません。他方この日の放送を紹介するブログでは出演者に石川さゆりさん、丘みどりさんをはじめ山内惠介さん、石丸幹二さん、鈴木愛理さんの5組が掲載、演歌歌手は過半数となっていることから、番組における演歌歌謡曲の立ち位置を感じてしまうのは自分だけでしょうか。

 

尤も、NHKにおいて演歌歌謡曲を紹介する番組は『新・BS日本のうた』(BSプレミアム 日曜19時30分)、『ごごウタ』(NHK総合 金曜15時08分)もあり、棲み分けが出来ていると言われればそれまでですが、『新・BS日本のうた』には再放送が少なくなく、また『ごごウタ』は大相撲中継で潰れることが多いのです。さらに『ごごウタ』においては、現段階で2月8日と15日の放送が決まっており観覧募集も行っているのですが、2月8日分は本日締切にもかかわらず出演者一覧が未だ掲載されていない状況…これではとても演歌歌謡曲を重用しているとは言えませんよね。

 

一方、演歌歌謡曲自体の問題もあります。それは社会的な、演歌歌謡曲ファン以外も知っているようなヒット曲が生まれていないだろうということ。このブログで社会的ヒットの鑑として用いているビルボードジャパンソングスチャートにもほとんど出てきません。それに対し"演歌歌謡曲はシングルCDの売上が第一"と反論する方もいらっしゃるかもしれませんが、そのシングルCDセールス手法が正直とんでもないのです。

ではそんな、演歌の中でも紅白に出るレベルの大手はどのような感じかというと、アイドルを遥かに超えたエクストリームな「複数種」商法が行われています。

2018-12-28 - WASTE OF POPS 80s-90sより

実例はリンク先で是非ご確認いただきたいのですが、"異なるカップリング曲"で、"複数種"を、しかも"2~3回のタイミングに分けて"発売するという方法を行っているのです。それでも『氷川きよしはこれだけやって合計14万枚弱という売り上げ枚数』(上記ブログより)なのですから、一種あたりの売上枚数の少なさを考えるに切なくなります。

売上にこだわるやり方は、個人的には違うと考えています。最たる例が、昨年の和田アキ子さん。

アイドルグループと組んだ曲で突出したセールスを記録したものの、シングルCDセールス2週目の激減、ビルボードジャパンソングスチャートでの2週目のトップ100圏外。実際、『NHK紅白歌合戦』に出場出来なかったことを踏まえるに、この曲が社会的ヒットに至っていないこと、そして売上がそこまで重視される要素ではないことが解ります。

演歌歌謡曲というジャンルがシングルCDセールス重視の姿勢を簡単に転換することは出来ないでしょうが、『NHK紅白歌合戦』での演歌歌謡曲枠の縮小や『うたコン』などでの同ジャンルに対する姿勢を踏まえれば、"シングルCDセールス以外で広く世間に浸透させていく"ための施策を練る必要があると思うのです。

 

 

そういえば、『NHK紅白歌合戦』において演歌歌謡曲の比重が下がっていることを番組や局のせいにするだけのメディアや市井もよく見ます。しかし、先に取り上げたブログでもあるように、演歌歌謡曲においてはCDショップの数に比例した物理的な接点の減少があることをまずは考え、その上で述べていただきたいものですし、同時にデジタルという接点の存在を演歌歌謡曲を好む世代に伝えるのもメディアの役目ではないでしょうか。この伝播は、演歌歌謡曲を好む世代のデジタル嫌いの克服、さらには演歌歌謡曲の発し手の意識改革にもつながるはずで、その結果として演歌歌謡曲が再興すれば『うたコン』をはじめとする音楽番組の意識も変わるものと考えます。