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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

アカデミー賞効果! レディー・ガガ & ブラッドリー・クーパー「Shallow」が初の首位に…3月9日付米ソングスチャートをチェック

ビルボードソングスチャート速報。

現地時間の3月4日月曜に発表された、3月9日付最新ソングスチャート。初登場から5週連続で首位を獲得していたアリアナ・グランデ「7 Rings」からその座を奪取したのは、レディー・ガガブラッドリー・クーパー「Shallow」でした。

なんといっても「Shallow」の首位到達要因は、ツイートにあるようにアカデミー賞でのパフォーマンスが大きいですね。

現地時間の2月24日に行われた第91回アカデミー賞で披露された「Shallow」のパフォーマンスに感動し、個人的なこの曲上昇への願いを先週末のブログに書きました。

そして「Shallow」が収録された『A Star Is Born (邦題:アリー/スター誕生)』サウンドトラックが3月9日付米ビルボードアルバムチャートを制したことは昨日お伝えしました。

そして…上昇を願うとは書いたものの、まさかチャートを制するとは! これはいい意味で意外でした。

 

レディー・ガガにとってはコルビー・オドニスをフィーチャーした「Just Dance」(2009)、「Poker Face」(2009)および「Born This Way」(2011)に次ぐ4曲目、ブラッドリー・クーパーにとっては初となる首位となった「Shallow」は登場22週目での首位獲得。初登場から首位に至るまでの期間は歴代10位の長さとなりました(ちなみに最高はロス・デル・リオ「Macarena (Bayside Boys Mix)」(1996)の33週)。デジタルダウンロードは前週比225%もの大幅アップで115000を記録し同指標首位。デジタルで10万超えを果たしたのはドレイク「In My Feelings」が昨夏成し遂げて以来の記録となりました。またストリーミングソングでは前週比185%アップの2730万を獲得し9位に再登場、これまでの最高だった28位を大きく塗り替えています。これは先述したアカデミー賞でのパフォーマンスがガガの公式YouTubeチャンネルに掲載されたことが大きく寄与。ラジオエアプレイでは前週比30%アップの3480万で27位に上昇、こちらもこれまでの最高位36位を上回りました。

アカデミー賞歌曲賞受賞曲が米ソングスチャートを制したのはエミネム「Lose Yourself」(映画『8 Mile』より)以来16年ぶり。デュエットソングに絞るとピーボ・ブライソン & レジーナ・ベル「A Whole New World」(映画『アラジン』より)以来実に26年ぶりとなります。アカデミー賞歌曲賞受賞曲の首位獲得は19曲目となり、その中には1976年版『スター誕生』主題歌、バーバラ・ストライサンド「Evergreen」も含まれます。

サウンドトラックは昨日ブログに記載したようにアルバムチャートを制しましたが、サウンドトラックおよび楽曲が同日付でチャートを制したのは『Furious 7 (邦題:ワイルド・スピード SKY MISSION)』およびウィズ・カリファ feat. チャーリー・プース「See You Again」が2015年4月25日付で同時制覇して以来の記録です。

 

5週連続で首位の座に就いていたアリアナ・グランデ「7 Rings」は1ランクダウンしましたが、ストリーミングは前週比1%ダウンに留まり4390万(同指標首位)。ラジオエアプレイは同13%アップの8080万で同指標6→4位へ上昇。次週は総合チャートで首位へ再浮上する可能性もあります。他方デジタルダウンロードは前週比15%ダウンし23000、3→5位へダウンしています。

 

ホールジー「Without Me」は1ランクダウンし3位。ラジオエアプレイでは前週比変わらず1億770万ですが同指標で首位に立ちました。ホールジーがラジオエアプレイを制したのは、ザ・チェインスモーカーズに客演した「Closer」(2016)以来2曲目。なお前週までラジオエアプレイを14週もの間制していたパニック・アット・ザ・ディスコ「High Hopes」は総合チャートでも9→11位とトップ10落ちしてしまいました。

 

トップ10再浮上組は「Shallow」だけではありません。

J・コール「Middle Child」が11→5位に。4週間前に4位を記録したこの曲は、2月25日のミュージックビデオ公開効果でストリーミングが前週比25%アップの3940万となり6→2位へ上昇。デジタルダウンロードは同4%アップの12000、ラジオエアプレイは同12%アップの2180万で同指標48位にランクインしました。

 

さらに、キャリア初のトップ10入りを果たした歌手も。

ブルーフェイス「Thotiana」が前週の13位から9位に到達。ミュージックビデオではYGをフィーチャーしたバージョンですが、カーディ・Bを招いたものも。

ストリーミングは前週比24%アップの3780万で同指標4位、デジタルダウンロードは同15%アップの15000で同指標13位と好調。この曲についてはヒップホップライターの渡辺志保さんがラジオで解説していますので、みやーんさんによるラジオ書き起こしのリンクを掲載します。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (21位) レディー・ガガブラッドリー・クーパー「Shallow」

2位 (1位) アリアナ・グランデ「7 Rings」

3位 (2位) ホールジー「Without Me」

4位 (3位) ポスト・マローン & スウェイ・リー「Sunflower (Spider-Man: Into the Spider-Verse)」

5位 (11位) J・コール「Middle Child」

6位 (6位) マシュメロ & バスティル「Happier」

7位 (4位) アリアナ・グランデ「Thank U, Next」

8位 (10位) ポスト・マローン「Wow.」

9位 ブルーフェイス「Thotiana」

10位 (7位) トラヴィス・スコット「Sicko Mode」

アリアナ・グランデ「Break Up With Your Girlfriend, I'm Bored」がミュージックビデオが作られながらも登場3週目にして早くもトップ10落ちしたのが気掛かりです。

次週はレディー・ガガブラッドリー・クーパー「Shallow」が首位から陥落する可能性が高いものと思われます。どこまで留まるかを注視し、また今週トップ10落ちしたカーディ・B & ブルーノ・マーズ「Please Me」がミュージックビデオ効果で再浮上するかも注目したいところ。

そして。

突如復活したジョナス・ブラザーズによる「Sucker」がトップ10入りなるかも見どころ。次週も目が離せません。