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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

ゴールデンボンバー、新元号ソングだけでの紅白返り咲きは厳しい?

元号発表の日にリリースされ、それも集計期間初日の発表と好条件ながら4月15日付チャートでは6位に初登場したゴールデンボンバー「令和」。

話題性ほど初登場順位を高くないと考え、半月前にこのようなタイトルでブログエントリーを掲載したのですが。

では、現在の動向はどうなっているかというと。

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3週連続で20位以内をキープしたこの曲。シングルCDセールスが今週初加算され同指標6位となったた一方、シングルCDをパソコンに取り込んだ際のインターネットデータベースへのアクセス数であるルックアップ(オレンジの折れ線で表示)は前週から加算されているという一見矛盾した現象がみられますが、ビルボードジャパンに問い合わせされた方によれば、正式なシングルCD発売日前に先行発売された分はシングルCDセールス指標に加算されないため。「令和」については4月1日デジタル解禁→4月10日一部でシングルCD先行発売→4月17日正式発売…というスケジュールゆえ、この正式な発売日に即したカウントとなっています。

ビルボードジャパンによれば、「令和」の2週分のシングルCDセールスは12447枚であり、シングルCDセールス指標が今週の同曲におけるチャート構成比のほぼ半分を占めています(上記CHART insightのキャプチャを参照)。では前週と今週でシングルCDの売上を分けた場合、もしも前週の売上が前週分のシングルCDセールス指標に加算されていたならばどうなっていたでしょう。売上を判断する指標のひとつにオリコンがありますが、「令和」は最新4月29日付オリコン週間シングルランキングで前週の14位から12位にアップし、5000枚強を売り上げています(敢えて枚数を濁したのは、オリコンが無断転載を強く禁止する姿勢を示しているゆえ。詳しくはこちら)。ビルボードジャパンのシングルCDセールスチャートとオリコンでは枚数に差はあれど、仮に前週と当週の売上比率を6対4とした場合。

4月29日付ソングスチャート、「令和」の総合ポイント :2130

 →半分がシングルCDセールスゆえ同指標の獲得ポイント:1065

 →前週のシングルCDセールス6割と換算、前週分移行分 :  639

これにより

 「令和」の4月29日付総合ポイントは1491(26位相当)

     同4月22日付総合ポイントは2567(16位相当)

上記仮説を踏まえれば、「令和」の総合チャート推移は6→16→26位に。20位以内には2週のみの在籍となるわけです。仮にこのまま失速すれば、「令和」およびゴールデンボンバーはネットやワイドショー的に大きな話題はさらったとはいえ、ヒットしたとは言い難いのではと考えてしまいますし、そうなればビルボードジャパンソングスチャートを出場の判断基準としてスタッフ側が参照する(ものと個人的には考えている)、『NHK紅白歌合戦』(NHK総合他)への返り咲きも厳しいというのが私見です。

 

とはいえ、まだまだ断言は出来ません。間もなく新元号に切り替わり再度同曲が上昇する可能性があるほか、シングルCDのレンタル解禁が偶然にも新元号初日となり、ルックアップ指標の増加も期待出来ます。

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さらには「令和」のひとつ前のシングル、「ガガガガガガガ」が主題歌として起用されたドラマ『トクサツガガガ』(NHK総合)がここにきて高い評価を受けています。

口コミ等で評判が広がった同作品は、再放送も決定。

主題歌は思ったより勢いがなかったというのはCHART insightから解るのですが、これを機に注目が集まるかもしれません。

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ストリーミング指標が一度として300位以内に入っていないのが気になりますが、しかし再放送を機にドラマが話題になり主題歌にも注目が集まれば、もしかしたらゴールデンボンバーは「令和」と「トクサツガガガ」の2曲でもって今年の紅白に出場する可能性もありそうです。NHKへの貢献度(というと聞こえが悪いかもしれませんが)もまた、紅白出場の一要素と考えるゆえ。

あとは「令和」を機に、彼らの代表曲「女々しくて」にもつながっていけば好いと思うのですが。今年度からソングスチャートにカラオケ指標が導入されたものの、同指標で未だ100位以内に入っていないのが現状です。

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黒の折れ線グラフは総合順位。カラオケ指標を示す緑の折れ線は隠れてしまっているのですが、カラオケ指標の導入が「女々しくて」の総合順位を300位以内(100位未満)に押し上げているのは確か。ゆえに、あと一歩何かしらの起爆剤があれば「女々しくて」が100位以内に到達し、歌手全体の話題性も高まるはずです。そうなれば、令和元年の大晦日にはゴールデンボンバーNHKで観られるかもしれません。