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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

6月3日付ビルボードジャパンソングスチャート首位曲からはじまる、ジャニーズ事務所所属歌手のシングルCDの展開手法を疑問に思う

5月20~26日を集計期間とする、6月3日付のビルボードジャパン各チャートが昨日発表され、総合ソングスチャートはHey! Say! JUMP「Lucky-Unlucky」が制しました。

Twitterにもあるように、2位にはOfficial髭男dism「Pretender」が、前週から1ランクアップし自己最高位を更新。同曲が菅田将暉まちがいさがし」を逆転する可能性については前週示唆しました。

総合ポイントの前週比はOfficial髭男dism「Pretender」が91.0%に対し、菅田将暉まちがいさがし」は67.7%。「まちがいさがし」はミュージックビデオを公開しておらずまたストリーミング未解禁、CD未リリースにつきレンタルも出来ないという”所有(売上)”のみで”接触”不可という状況ゆえ前週から落ち込んだとみられ(とはいえそれでも前週比でこの数値は立派かと)、他方接触環境も完璧な「Pretender」が逆転した形です。

他方、前週首位の亀梨和也「Rain」は19位へ後退。ポイント前週比は13.6%であり、ジャニーズ事務所所属歌手の平均的な推移を踏襲したと言えます。

デジタル未解禁が響いていますが、他方レンタル解禁日がシングルCD発売と同日だったことやドラマ主題歌ゆえルックアップが強いことが、これ以上のランクダウンを防いだと言えるかもしれません。今週は亀梨さんと同じ事務所所属のHey! Say! JUMPが首位を獲得しましたが、シングルCDセールス指標がポイント全体の9割を超えるため、次週どこまで踏みとどまるかが注目されます。

 

 

さて、今日はジャニーズ事務所所属歌手の楽曲の展開手法について。

デジタルに極めて明るくないジャニーズ事務所所属歌手の展開について、ごく一部ながらデジタルダウンロード解禁の動きがみられていることを踏まえ、デジタル解禁の希望を込めてブログエントリーを記載したことがあります。

しかしながら、この数日間の動きをみるに、この願いがスポイルされるのではと思うようにも。というのも、ここに来てジャニーズ事務所所属歌手がCDの販売に特化した動きをし始めているのです。

 

まず衝撃的だったのが、関ジャニ∞のアプリに伴う動き。

アプリ自体は以前から存在しており、スマートフォン対応のアプリを用意している段階でデジタルに前向きではと思うかもしれません。しかし。

このジャニーズのサービスはそんな生半可なものじゃない。改めてコードを付けることで過去の旧譜すらCDの購入を改めて促そうという、ジャニーズ事務所本来の思想があからさまに具現化されたブツです。

ミュージシャンがストリーミングに楽曲を解禁すること - WASTE OF POPS 80s-90s(5月24日付)より

つまりは、アプリに対応したシリアルコード付きCDが7月に出るので、アプリを活用するためにはそちらを買ってくださいということですよね。ファンの方でしたら既に大半の旧譜を手に入れているはずでしょうが、アプリ対応のためにもう1セット買わないといけなくなるということ。出費がかさまないための配慮でしょうか、期間限定で割引価格での提供となっていますが、それでもとんでもない額になることは確実。ならば通常のミュージックアプリに取り込み活用すればいいと思いますし、取り込むためのパソコンがないならば旧譜を1セット買う資金をそちらに回すことを自分ならば勧めます。アプリ限定のサービスが充実しているのかもしれませんが、流石にこれはコアなファンでも物理的に厳しいのでは? とはいえファンが抱く盲目さは理解出来ますので、自身のできる範囲でどうか…と願うばかりです。

 

さて、関ジャニ∞のキャンペーンがコアなファン向けのものだとすれば、特段その歌手のファンではないものの楽曲に興味がある等のライト層向けに対しても、不自由な状況が生まれています。実は、ジャニーズ事務所所属歌手が今月以降リリースするシングルCDにおいて、レンタル解禁が発売日と同日設定ではなくなっているのです。5月22日にシングルCDが発売され、今回1位を記録したHey! Say! JUMP「Lucky-Unlucky」はレンタル解禁が6月8日となり、アルバム同様およそ3週間後に設定されています(発売日はこちら、そしてレンタル解禁日はこちらに。リンク先はどちらもTSUTAYAより。近隣のTSUTAYAおよびGEOで昨日レンタルコーナーを確認しましたが、「Lucky-Unlucky」は見当たりませんでした)。このレンタル解禁が発売日と同日設定ではなくなっている事態、自分が調べてみた昨年末以降今年春までの同事務所所属歌手の作品では一切見当たず、「Lucky-Unlucky」を機にはじまっている模様。今後はNEWS「トップガン」もシングルCD発売が6月12日レンタル解禁が6月29日と遅れることになります(なお、V6および山下智久さんのシングルも6月にリリースされますがレンタル解禁は同日となっています)。

 

これまでジャニーズ事務所所属歌手のシングルCD収録曲を所有(購入)ではなく接触する場合、ラジオのような受動ではなく能動的(自発的)に接触出来る唯一の手段がCDレンタルでした。事務所側へのデジタルに明るくない姿勢を懸念する声は少なくないものの、ともすれば発売日とレンタル解禁が同日という設定をキープしてきたことが、その声を抑える(沈静化させる)ひとつの要因になっていたかもしれません。が、今回その唯一の接触手段も潰える形となってしまったのです。5~6月発売の4組のサンプルのみで断言するのはまだ早いかもしれませんが、とはいえ山下智久さんの所属レコード会社がソニー、V6がavexと外部であるのに対しHey! Say! JUMPジェイ・ストーム、NEWSがジャニーズ・エンタテイメントジャニーズ事務所関連のレコード会社所属。また、先述した関ジャニ∞ジェイ・ストーム内のINFINITY RECORDS所属でありこちらも関連レコード会社であることを踏まえれば、自社内でコアなファンの囲い込みを徹底させる一方、ライト層はCDを購入しない限り受け付けない(と言っても過言ではない)体制を徹底させてきているように思います。

 

(なお、先述した関ジャニ∞のシリアルコード付き商品がTSUTAYAレンタルデータに現段階で登場しておらず(TSUTAYA関ジャニ∞をレンタル検索し、新しい順に表示した結果はこちら)、このあたりも気になるところです。)

 

 

今後、ジャニーズ事務所関連以外のレコード会社からリリースしている同事務所所属歌手のシングルCDのレンタル解禁がどうなるかに注目ですし、また今回の事態を踏まえればミュージックビデオのティーザーを解禁する/しない等もジャニーズ事務所関連のレコード会社か否かであることが大きく影響していることが解ります(今週King & Prince「Naughty Girl」のミュージックビデオのティーザーがYouTubeにアップされましたが、King & Princeはユニバーサルミュージック所属。ただし厳密にはユニバーサル内の”Johnnys’Universe”所属となります)。

現状において強気な戦略を採っていますが、ともすれば男性アイドル歌手という括りの中でメディア露出の多さ等で抜群の知名度を誇っているゆえ、レンタル解禁を遅らせてもほぼ安泰だろうという見方を持っているのかもしれません。しかし、たとえば今週のアルバムチャートでは全員が歌って踊れるというLDH新形態のBALLISTIK BOYZ from EXILE TRIBEの初アルバムが今週のビルボードジャパンアルバムチャートを制したり、BTSをはじめとするK-Pop男性グループの人気が続いていたりと、他事務所等所属の男性グループが台頭しているように思う故、彼らと比較して内向きの戦略でいいのだろうか…という思いに駆られます。才能ある方が多い事務所なのですから尚の事、内向きに移行しCDにこだわる姿勢は至極勿体無いよなあというのが私見です。