イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

8月5日付ビルボードジャパンソングスチャートでTWICEに逆転を許したSKE48「FRUSTRATION」が採るべきだった施策を考える

7月22~28日を集計期間とする、8月5日付のビルボードジャパン各チャートが昨日発表され、ソングスチャートはTWICE「Breakthrough」が逆転でトップに立ちました。

「Breakthrough」はシングルCDセールスこそSKE48「FRUSTRATION」にトップの座を譲ったものの他指標は全て上回り、7万5千枚ほどのCDセールス差を逆転。他方「FRUSTRATION」を指標毎にみると、100位以内に入ったのは半分の4つにとどまっています。

実は前作「Stand by you」についてはTwitter指標もトップ10入りしていません。

同曲は上記エントリーにて紹介した(テーマに該当してしまった)のですが、シングルCDセールス指標初加算週に総合首位に躍り出た後、翌週には16位に急落。その「Stand by you」に比べて「FRUSTRATION」は総合ポイントが24060→27257、シングルCDセールスが270083→363394と伸びており、またTwitter指標もトップ10入りしていることを踏まえれば、前作より好いと捉えることは出来るでしょう。

しかし気になるのは、今回振るわなかったシングルCDセールス以外の指標の問題。個人的に注目したのは動画再生指標で、300位にも満たないことを不思議に思ったのですがそれもそのはず。

弊ブログでは幾度となく”ミュージックビデオのショートバージョンは再生回数を伸ばさない”と記していますが、前作「Stand by you」がフルバージョンでアップされている(→YouTube)にも関わらず、スペシャルエディットと銘打ってはいるものの今作では短尺化してきたのです。尤も前作も動画再生300位以内未達のため、ショートバージョンでも問題ないと踏んだのかもしれません(詳細は「Stand by you」のCHART insightで確認出来ます)が、動画のコメント欄にSKE48のメンバーが自薦コメントを書き連ねるならばなおのこと、コメント見たさにアクセスしてきた方を落胆させかねないショートバージョンでの公開には疑問を抱きます。

そして動画再生指標ではもう一つ、勿体無い事態が発生。

上記ダンス練習動画はミュージックビデオのショートバージョン同様、エイベックスのアカウントよりCDリリース日にアップされています。スタジオで流した音源をそのまま用いているため音質は悪いものの、こちらはフルバージョン。この動画、実は今朝までに22万回以上再生されており、7月3日に公開されたミュージックビデオのショートバージョンにあと2万弱で追いつくのです。またコメント欄での評判が良く、良評価の割合もミュージックビデオが8割強なのに対しダンス練習動画は95%以上と大差がついています。

ダンス練習動画の再生回数を踏まえるに動画再生指標でランクインしてもおかしくないのですが、おそらくISRC未付番のためランクインを逃しているのではないでしょうか。だとしたら実に勿体無いですね。加算されたとしてTWICE「Breakthrough」に逆転を許したままだったかもしれませんが、チャートアクションを見て動画にアクセスする方が増え、ダンスに魅了されて歌手を気に入る…という流れが生まれにくくなったのは機会損失でしょう。ダンス練習動画は歌手のファンだけではなく、ダンスが好きな方も観るだろうことを踏まえれば、ライト層(その歌手のファンというわけではないが曲等に興味はある方を指す)を増やす好い機会であり、このライト層の育成こそCDセールス一辺倒の歌手がより長く活動するために必要な施策だと考えるため、SKE48側にはダンス練習動画がよりチャートに反映されるようなアプローチを行う(ISRC未付番ならばきちんと付番する等見直す)必要があるものと考えます。たとえばダンス練習動画に魅了され、ダンスを練習する方が「FRUSTRATION」を用いる流れが生まれれば、ストリーミング等他指標にも波及する可能性は出てくるはずです。