今週から、毎週木曜は前日に発表される最新ビルボードジャパンソングスチャートの上位陣をざっと、でも深く振り返ることとします。曲単位での掘り下げは金曜以降に。
9月2~8日を集計期間とする、9月16日付のビルボードジャパン各チャートが昨日発表。ソングスチャートは乃木坂46「夜明けまで強がらなくてもいい」が制しました。
【ビルボード】乃木坂46「夜明けまで強がらなくてもいい」101万枚売上で15位からジャンプ・アップして総合1位 今週SG発売の米津は早くも総合2位に https://t.co/aTwZYFf3Wt pic.twitter.com/TCvum6q4mm
— Billboard JAPAN (@Billboard_JAPAN) September 11, 2019
デジタル1週間先行でリリースし前週15位につけていた曲が首位に。シングルCDセールスがミリオンを突破し同指標を制したのみならず、ルックアップおよびTwitterが1位、ラジオ4位、ダウンロード9位と5指標でトップ10入り。シングルCDの『初週売上は前作よりも約4万枚少ないが、ラジオとTwitterは前回を上回る』状況となっています(『』は上記記事より)。
#ビルボードジャパン最新チャート速報
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) September 11, 2019
最新9月16日付ビルボードジャパンソングスチャート、Hot100更新 https://t.co/6zYyzzNPkP 首位の #乃木坂46「#夜明けまで強がらなくてもいい」のポイントは前作首位獲得時の98.6%。2017年春の「#インフルエンサー」以来の低い水準に
一方で、シングルCDセールスに係数が用いられるようになった2017年度以降、「インフルエンサー」がシングルCDセールス初加算週に39010ポイントだった以外はすべて4万ポイントを超えているのですが、今回「夜明けまで強がらなくてもいい」は41197ポイント。4万1千点台は昨夏の「ジコチューで行こう!」および今年のシングル2作が該当し、ここ最近の作品に偏っています(なおシングルCDセールス初加算週の最高ポイント獲得作品は「シンクロニシティ」の45209ポイント(2018年5月7日付))。特典イベントでシングルCDセールスが大きく左右されるとはいえ、ポイントの推移をみると懸念を抱いてしまう自分がいます。次週、シングルCDセールス加算2週目のポイント推移に注目です。
懸念といえば、前週首位を獲得したKing & Prince「koi-wazurai」は14位に大きく後退しています。
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ソングスチャートで前週首位だった #KingandPrince「#koiwazurai」は14位に急落。シングルCD加算2週目としてはこれまでで最も低い順位となりました
シングルCDセールス初加算週は全て1位だった彼らの2週目の動向は、「シンデレラガール」が4位(ポイント前週比21.6%)、「Memorial」が6位(同14.1%)、「君を待ってる」が11位(同11.4%)、そして今作が14位(同11.7%)。「koi-wazurai」は「君を待ってる」よりもシングルCD2週目のセールス、総合ポイント、ポイント前週比で上回ってはいるのですが、仮に弊ブログで先週指摘した未解禁のダウンロードが解禁されていたならばもう少し伸ばせたのでは?という思いに駆られています。
2位に再浮上したのは米津玄師「馬と鹿」。ミュージックビデオ解禁に伴う動画再生初加算が大きく影響しました。
以前「Lemon」と同様のスケジュールでダウンロード解禁の2週後にミュージックビデオを解禁しその2週後にシングルCDが出るのでは?と推測したのですが、今回はダウンロード解禁のおよそ3週後、シングルCDリリースの前週にミュージックビデオが登場する形となりました。解禁が9月3日火曜となり集計期間1週間フルでなかったこともあってか、実は動画再生指標制覇には至れず2位に。昨年以降「Lemon」や「海の幽霊」、また未だ音源化されていない「パプリカ」が動画再生初加算週に首位をマークしているのですが、後述する曲に敗れてしまいました。
次週、「馬と鹿」はシングルCDセールス初加算週となり大幅なアップが期待されます。しかし「Lemon」に比べてポイントが芳しくありません。「Lemon」はダウンロード解禁に伴い昨年2月26日付で25359ポイントを獲得し2位に初登場、その後13461ポイント(2位)→17755ポイント(動画再生初加算 2位)→14697ポイント(3位)→37407ポイント(シングルCDセールス初加算 2位)と推移しているのに対し、「馬と鹿」はダウンロード初加算の8月19日付で17437ポイントを獲得し2位に初登場して以降、7059ポイント(4位)→5697ポイント(5位)→11337ポイント(動画再生初加算 2位)と、「Lemon」に大きく水をあけられています。シングルCDセールスは「Lemon」を超える可能性が高く、次週のポイントは前作のシングルCDセールス初加算時を超える可能性もありますが、同日シングルCDをリリースした嵐「BRAVE」が発売日にレンタル開始されたのに対し、「馬と鹿」のレンタル開始は発売の17日後。「馬と鹿」のレンタルによるルックアップが見込めないことも次週のチャートアクションに影響しそうです。
さて、「馬と鹿」の動画再生1位を阻んだのはフィッツ&ザ・タントラムズ「HandClap」でした。
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ソングスチャート2位の #米津玄師「#馬と鹿」の動画再生は2位。同指標を今週も制したのは #2週間で10キロ痩せるダンス BGM、#フィッツ・アンド・ザ・タントラムズ「#HandClap」で総合でも自己最高の20位に到達。韓国発のムーブメントが日本でも浸透しています
「馬と鹿」の動画再生が7665125回に対し、「HandClap」は7964750回。『この曲に合わせてハンドクラップするダンスダイエット動画がTikTok動画で使用されて爆発的に閲覧数を伸ばし、YouTubeでも火が付いて“JAPAN HOT 100”にチャートイン、続いてストリーミングやダウンロードにもその影響を及ぼしつつある』と上記ビルボードジャパンの記事にもありますが、実際ストリーミングも今週遂に300位以内に入り、動画再生の多さが他指標にも波及しつつあります。この「HandClap」については7月20日のブログエントリーで言及していますが、好いものや楽しいものを取り入れる姿勢は万国共通だということがよく解ります。
自分のブログエントリーはこちら https://t.co/aW8cDtWjMp 取り上げた後も日韓の関係悪化は残念ながら続いていますが、“好いものは好い”から取り入れる姿勢に国は関係ないですよね、とあらためて https://t.co/J5N5HAXSOT
— Kei / BreastKonaka (@Kei_radio) September 11, 2019
ソングスチャートトップ20、言い換えれば有料会員にならずともCHART insightで確認出来る範囲でみると、miwa「リブート」が1ランクアップし15位に。この曲についても前週言及しましたが、レンタル開始に伴うルックアップ増加の”ブースト”は少なからず効果的だったものの。
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ソングスチャート15位は #miwa「#リブート」。前週この曲について取り上げた際、遅れてレンタル開始したことでルックアップが上昇すればトップ10入りも…と記載 https://t.co/Rso3tz8iSQ 実際同指標は37→12位と急浮上していますがトップ10入りはのがしています
一方で「リブート」は今週ストリーミング9位となり、miwaさんのキャリア史上最高位を獲得。様々な形で接触されはじめており、ロングヒットの可能性も十分です。
今週のトップ10はこちら。
【今週の総合ソング・チャート“JAPAN HOT100”】
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1位 乃木坂46
2位 米津玄師
3位 Official髭男dism
4位 刀剣男士 formation of 三百年
5位 Official髭男dism
6位 あいみょん
7位 鈴木愛理
8位 Division All Stars
9位 米津玄師
10位 手塚翔太https://t.co/aTwZYFwEO1 pic.twitter.com/4xjQCv6Slx
次週は先述したように、シングルCD同日発売となった嵐「BRAVE」と米津玄師「馬と鹿」の争いとなることは必至。シングルCDセールスでは嵐が優勢でしょうが、「馬と鹿」が主題歌となったドラマ『ノーサイド・ゲーム』(TBS 日曜21時)が今週最終回を迎えることがプラスに作用することは間違いありません。
事実、今回のソングスチャート集計期間最終日に最終回を迎え高視聴率を獲得した『あなたの番です』(日本テレビ)の主題歌、主人公の田中圭さんが演じる手塚翔太名義での「会いたいよ」がシングルCDセールス初加算も相俟って10位に入ったのは、ドラマとの相乗効果と言えます。
(ちなみにこのミュージックビデオは期間限定公開とのことですが、至極もったいない気がします。ソニー・ミュージックには常時公開していただきたいと願います。)
嵐「BRAVE」と米津玄師「馬と鹿」の結果がどうなるか、次週に注目です。