先週金曜、注目の映画からの先行曲が同日リリースとなりました。
・アリアナ・グランデ、マイリー・サイラス&ラナ・デル・レイ「Don't Call Me Angel」
マックス・マーティン一派が制作に関わる、映画『チャーリーズ・エンジェル』(リブート版)からの先行曲。アリアナ、マイリーときてラナ・デル・レイ?と一瞬疑問を覚えるも、曲を聴けばその起用法は納得ですね。そのラナは、BBCのラジオ番組でアリアナの「Break Up With Your Girlfriend, I’m Bored」をカバーし(→Youtube)、アリアナが好反応を示しています(→Twitter)。
・ミーゴス、キャロルG、ロック・マフィア&スヌープ・ドッグ「My Family」
CDアニメとなって帰ってくる『アダムス・ファミリー』からの新曲。チャート常連のミーゴスやベテランのスヌープを配した楽曲はトラップやラテンの要素が自然に混ざり合い面白いですね。さらにこの映画のサウンドトラックにはクリスティーナ・アギレラの新曲も収められる模様です。
主に映画においてはこのような3組以上、主演と客演の関係ではなく全組が主演として併記されたコラボレーションが多く見られます。先日のMTVビデオ・ミュージック・アワードでのライブが印象的なミッシー・エリオットが手掛け、クリスティーナ・アギレラの超絶歌唱できっちり締めた「Lady Marmalade」も映画『ムーラン・ルージュ』(2001)用にカバーされたもの。全米1位を獲得しました。
R&B主体で3組以上の女性歌手によるコラボレーションに関してはこの「Lady Marmalade」も含め、以前取りまとめています。
さらにはこのようなのも。
マドンナとブリトニーのキスシーンが有名ではありますが、サプライズも含め、アメリカの授賞式ならではのコラボレーションと言えそうです。
3組以上、映画絡みのコラボレーションは日本でも。今週水曜、映画『HELLO WORLD』サウンドトラックがリリースされ、音楽を手掛ける2027Soundは『OKAMOTO'Sをハブとして集まったOfficial髭男dism、Nulbarich、OBKR(小袋成彬)、Yaffle、STUTS、BRIAN SHINSEKAIらによるプロジェクト』(『』内は下記音楽ナタリーの記事より)。なのですが、楽曲リストをみると3組以上のコラボレーションはほぼみられません
一方、2027Soundに参加する小袋成彬さんは、今夏ラジオを中心にチャートを賑わせたこの3組のプロジェクトにクレジットされています。
厳密には小袋成彬さんはトラックメイカーではあるのですが、こういう3組以上の併記は日本ではあまりみられません。音楽ジャーナリストの柴那典さんは「Summertime」の楽曲解説で『この曲のあり方が“クリエイティブが国境を超える新たなJ-POPのあり方”の可能性の端緒になるのではないか』と記載していますが(『』内はRIRI×KEIJU×小袋成彬「Summertime」が示す、新たなJ-POPのあり方 3つのポイントから解説 - Real Sound(4月17日付)より)、楽曲の質等に加えて歌手同士の主演としてのコラボレーションおよび歌手名併記という形も新たなJ-POPのあり方になっていくという予感がします。今後この形でのコラボレーションが触れるならば嬉しいですね。