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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

米ビルボードソングスチャートの新たな仕掛けはK-POPとのコラボレーションにあり

リゾ「Truth Hurts」が新しいチャート上の”仕掛け”を用意してきました。

仕掛けとは、米ビルボードソングスチャートを押し上げるべく追加投入される、新たなミュージックビデオやリミックスのこと。以前からこのチャートではよく見られていたことですが、なんといっても今年インパクトが大きかったのはリル・ナズ・X「Old Town Road」における、ベテランカントリー歌手のビリー・レイ・サイラス客演版でしょう。その「Old Town Road」の首位陥落後、リゾは「Truth Hurts」に2つのリミックスを追加投入し初のチャート制覇を成し遂げていますが、とりわけラッパーのダベイビーが参加したリミックスが「Truth Hurts」を首位へ押し上げたのみならず、最新9月28日付チャートにおいてはリル・ナズ・X「Panini」にダベイビーが参加したバージョンが1週間フルで加算されたことで、リル・ナズ・Xに2曲目のトップ10ヒットをもたらしています。

ではリゾ「Truth Hurts」の新たな仕掛けとは何でしょう。実はリゾ、新鋭アクトのAB6IX(読み:エービーシックス)を招いたバージョンを今週初めに突如公開したのです。

来月には初のフルアルバム『6ixense』が予定されているAB6IXは、新鋭ながら5月リリースのEP『B Complete』を韓国アルバムチャートで2位に送り込み、今後が期待されるK-POPアクト。全米1位のリゾと組むことは彼らのステップアップにつながるはずです。そしてリゾにとっても。

リゾ「Truth Hurts」は最新9月28日付米ビルボードソングスチャートで首位を制しながら、チャートを構成する3指標のうち唯一ダウンしたのがダウンロードでした。それも前週比12%と2桁のダウン。おそらくリゾはこのダウンロードにメスを入れたかったものと考えます。K-POPアクトはBTSやBLACKPINK等がアメリカで成功を収めていますが、アメリカにおけるK-POPアクトは接触が多くない一方所有が強いという特徴があることから、次週「Truth Hurts」のダウンロードはある程度歯止めがかかる可能性があります。実際、先述した「Old Town Road」においてはBTS のRMを迎えたバージョンが投入され、1週間フル加算で反映された8月10日付米ビルボードソングスチャートではダウンロードが前週よりアップしています(その反動ゆえか、翌週のダウンロードは前週比28%の大幅減になりましたが)。

「Old Town Road」も「Truth Hurts」も、どちらから客演のアプローチがあったのかは判りかねますし、AB6IXの知名度アメリカでどのくらいかは不明。しかしながらK-POPのチャート特性を踏まえ、ダウンロードを押し上げるべくリミックスを制作したのだとしたら戦略の巧さには唸るばかり。同時に、アメリカではK-POPが売れるということが常識となったということも理解出来ます。