ビルボードジャパンソングスチャートのトップ5にランクインした楽曲のうち、シングルCDセールスのみがトップ10入り(他指標は全てトップ10未ランクイン)したものはロングヒットせず翌週急落、果ては1週で100位圏外となるものが多いため、【チャート構成比に占めるシングルCDセールスの割合が極めて高く他指標が伴っていなければ翌週急落する】【そのような楽曲が社会的なヒットとは言えない】ということを、2019年度(2018年12月10日付以降)のソングスチャートから結論付けました。
このエントリーを書き上げた直後、同じ所有指標でもダウンロードの場合はどうだろうと思うように。そこで、シングルCDセールスと同様にダウンロードについても2019年度分から抽出してみることにします。
・BUMP OF CHICKEN「Aurora」(5位→5位)
・LiSA「紅蓮華」(5位→14位)
・米津玄師「馬と鹿」(5位→2位)
事例はわずか4曲(菅田将暉「まちがいさがし」は2週分が該当ゆえ5週分)。シングルCDセールスのみの場合は16曲でしたので4分の1しかありません。そしてLiSA「紅蓮華」以外は該当週の翌週もトップ10内に在籍し、「紅蓮華」もシングルCDセールス加算週にトップ10に復帰しています。
全曲がドラマやアニメのタイアップ曲であり、歌手のコアなファンのみならずライト層も購入していることが想像出来ます。また後日ストリーミングやミュージックビデオが解禁されこれら指標群(ミュージックビデオは動画再生)が加算されることで複合指標で楽曲を補強。無論シングルCDセールスもそのひとつであり、その最たる例が米津玄師「馬と鹿」の首位獲得だったと言えます。
ダウンロードのみに特化した楽曲の場合、接触指標群や他の所有指標も後日(早ければ翌週)加算されることで、極度のランクダウンは抑えられています。この後日加算については、特に米津玄師さんの場合きっちりとスケジュールを立てて順番に解禁しているものと捉えており、他指標がトップ10に入らないとしても不安視していなかったものと思われます。
シングルCDセールスに特化した楽曲の場合、パソコン等に取り込んだ際インターネットデータベースにアクセスした回数を示すルックアップが売上と乖離している場合は特に、シングルCDセールスとユニークユーザー(実際の購入者)数に大きな隔たりがある可能性が高いと言えます。イベント参加券の同梱など、CDがグッズとしての側面を持つことも理由かもしれませんし、一方デジタルではそのような同梱が基本的に出来ないため力を入れづらい側面はあるでしょう。とはいえシングルCDに先駆けてダウンロード販売を行えば、所有への意識が高いコアなファンはデジタルもきっちり購入するのではないかと考えます。たとえ急落しても楽曲の盛り上がりを1段階から2段階に増やせばチャートにおけるインパクトは大きくなり、歌手や楽曲を認知する機会が増えライト層を生むことにもつながると思うのですが、いかがでしょう。
ちなみにストリーミングにおいても調べてみたのですが、総合5位以内の楽曲のうちストリーミングのみトップ10入りした楽曲はありませんでした。接触に強い曲は他の接触そして所有指標でも強いことが解ります。