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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

ビルボードジャパンアルバムチャートにおけるデジタルの考え方について、最新チャートから推測してみる

今日も最新のビルボードジャパンチャートについて取り上げます。

10月14日付ビルボードジャパンアルバムチャートはMrs. GREEN APPLE『Attitude』が初登場で首位を獲得しました。

が、チャートを構成する3指標のうち、アルバムCDセールスおよびルックアップ(パソコン等に取り込んだ際、インターネットデータベースへアクセスした回数)においては2位のGLAY『NO DEMOCRACY』に敗れているのです。

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しかし、ダウンロードにおいて『Attitude』が『NO DEMOCRACY』に勝利し、総合でも逆転する形となりました。

『Attitude』のCDセールスは26854枚(同指標3位)、ダウンロードは5213DL(同1位)。『NO DEMOCRACY』のCDセールスは40098枚(同1位)。また、売上は不明ながら『NO DEMOCRACY』のダウンロード指標は4位となっています(数字および順位は上記記事より)。『Attitude』が『NO DEMOCRACY』にルックアップで敗れ、またCDセールスでは13244枚の差がつけられているにもかかわらず、ダウンロードで逆転した理由は何でしょう。『NO DEMOCRACY』のダウンロード数が仮に1000枚だとして、ダウンロード差4000枚でCDとルックアップを逆転出来るのか?と当初は不思議に思っていました。

そこで『Attitude』のチャート構成比をチェックすると、CDとダウンロードのウェイトの差が判明するのです。

 

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チャート構成比に占める比率はCD:ダウンロード=6(未満):4なのに対し、売上数では『Attitude』の比率がCD:ダウンロード=5(以上):1。ここから、売上1枚/DLあたりのポイントはダウンロードのほうが大きいことが解ります。

 

ではなぜ、ビルボードジャパンではダウンロードのウェイトを上げているのでしょう。ビルボードジャパンではアルバムCDセールスにおいて、シングルCDとは異なり複数買いを考慮した係数(売上枚数が極端にに高い場合、作品毎に調整するために用いる数値)を用いていない模様です(係数については【Billboard JAPAN Chart】よくある質問 | Special | Billboard JAPANをご参照ください)。しかし、アルバムでも複数種販売が一般化し、シングルほどではないにせよユニークユーザー(実際の購入者)数が売上枚数と乖離することは珍しくありません。他方ダウンロードは基本1種類であり、ダウンロードサイト毎に買うという熱烈なファンの方がいらっしゃると仮定しても、売上枚数とユニークユーザー数の乖離はほぼないものと思われます。この実情を踏まえて、ウェイトの差を設けたのではないかと結論付けたのですが、いかがでしょう。

 

さて、ビルボードジャパンのアルバムチャートでは米ビルボードにはないルックアップ指標が導入されていますが、一方でサブスクリプションサービスでの再生回数に基づくストリーミング指標は用いられていません。米ビルボードソングスチャートおよびアルバムチャートで昨夏から導入された、ストリーミングの算出方法は下記に。

ビルボードジャパンがアルバムチャートにルックアップを用いるのは日本特有のレンタル動向をチェックするためですが(【Billboard JAPAN Chart】よくある質問 | Special | Billboard JAPAN参照)、今や接触手段においてはレンタルのみならずサブスクリプションサービスも台頭。特にここ最近のストリーミングソングスチャートにおける再生回数急増はそのことを如実に示しています(ストリーミングを制するものがチャートを制す? 日本的な売れ方は真のヒットと言えるか?…10月14日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック(10月11日付)参照)。これを踏まえるに、もしかしたら次のチャートポリシー改正でストリーミング指標が導入され、アルバムチャートを構成する1要素になるかもしれません。ちなみに、もしも現段階でストリーミング指標が構成要素の1つであったならば、10月14日付ビルボードジャパンストリーミングソングスチャートで100位以内に9曲も送り込んでいるMrs. GREEN APPLEGLAY(100位以内のエントリーはゼロ)との差を広げていたことは間違いないでしょう。