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青森県在住。毎週日曜日17時から、FMアップルウェーブ発の番組の一員として参加。音楽・ラジオ好きによる"日々の音"やメディアの話

ちゃんみな「Never Grow Up」がTikTok発でバイラルヒットへ…ヒットの源にあるメディアはもしや

先日Novelbright「Walking with you」について取り上げたReal Soundの記事公開直前、偶然にも彼らが『めざましテレビ』(フジテレビ系)にVTR出演していました。

テレビ出演効果で「Walking with you」はチャートを上昇。SNSでのシェア数に基づくSpotifyバイラルチャートでは日本でトップを獲得し、『めざましテレビ』放送日にはSpotifyデイリーチャートで初のトップ200入り。さらには10月14日付(集計期間は9月30日~10月6日)のビルボードジャパンソングスチャート、各種サブスクリプションサービスの再生回数に基づくストリーミング指標(ただしSpotifyは未カウント)においては23→15位、総合チャートでは63→45位へそれぞれ上昇しています。TikTokを機にSNSで拡散されサブスクリプションサービスで話題になった楽曲が、メディアで取り上げられることでその勢いがさらに加速…TikTokから伝播するバイラルの波は、今の時代のヒットの方程式と言えます。

 

さて、同日付のビルボードジャパンソングスチャート、ストリーミング指標で「Walking with you」と並び16位にランクインしているのが、ちゃんみな「Never Grow Up」。総合ソングスチャートでも「Walking with you」とくっつくかの如く46位へ上昇したこの曲も、TikTokから火が付いたと言えるでしょう。

ちゃんみなさんは1998年10月14日生まれ、21歳のラッパー/シンガー。日本語、韓国語および英語を駆使し、セルフプロデュースも行います。2年前にメジャーデビューを果たし、今年8月にはおよそ2年半ぶりとなるセカンドフルアルバム『Never Grow Up』をリリース。このアルバムからのタイトル曲が徐々に人気を集めているのです。

ちゃんみなさんは、Novelbrightのように歌手自身がTikTokアカウントを持っているわけではないため、歌手サイドからTikTokでヒットを仕掛けることは出来ませんが、“#ちゃんみな”や“#NeverGrowUp”で検索すると様々な動画がヒット。時には歌詞の世界を噛みしめるように、時には自分なりの振り付けをつけて「Never Grow Up」を用いて投稿しているのです。面白いのは、「Never Grow Up」がTikTokで引用される箇所が一部分に偏っていないことで、サビの部分の人もいれば大サビの人もいたり、または曲を早回しして用いる人も。TikTokで曲の様々な部分に触れた方が「Never Grow Up」をフルでもしくはきちんとした速度で聴いてみたいという思いに駆られたり、また歌詞に共感した人が多かったことで、サブスクリプションサービスでの再生回数増加につながったと考えられます。ミュージックビデオのコメント欄では歌詞への共感、TikTokから来たというものが多く見られました。また動画投稿者にちゃんみなさんと同年代の方が多く見受けられたのも特徴的。

そのミュージックビデオ自体にも注目したいところで、日本人歌手で本人がここまで濃厚な恋人同士のシーンを演じることは稀だと思うのです。俳優の吉村界人さんとの撮影はおよそ40時間にも及んだとのことですが、一緒にいる時間が長かったために濃厚さが際立ちながらもごくごく自然な映像になっているような気がします。日本でここまでの映像を作り上げるちゃんみなさんの姿勢に感服します。

 

Spotifyデイリーチャートでは9月以降徐々に順位を上げ、10月10日付の52位が現段階での最高位に。Novelbright同様、テレビメディアがこの曲を取り上げれば「Never Grow Up」が最高位を更新する可能性は高いでしょう。また、複合指標に基づくビルボードジャパンソングスチャートをみると、ストリーミング以外にもダウンロードやTwitter、動画再生の各指標がいずれもここ数週で300位以内に返り咲き、ストリーミング以外でも支持を集めつつあります。最新10月21日付で動画再生指標が92位に上昇しているのは、ちゃんみなさんのミュージックビデオにかける思いが少しずつ浸透してきた証拠と言えるかもしれません。

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上記CHART insightを見ると解るのですが、実は「Never Grow Up」のピークは現在が二度目。最初のピークはアルバム発売週を加算対象とした8月19日付ビルボードジャパンソングスチャートにおいて、ラジオエアプレイ指標が4位に入り総合チャートでも40位に上昇しているのです。これはちゃんみなさんが今夏自身のラジオ番組『Forever Young』(InterFM897)を担当したことが大きいと思われますが、ラジオでOAされたのを耳にした人が「Never Grow Up」の良さに気付きTikTokで使用したのかもしれないのではとふと。ラジオエアプレイは総合チャートと最も乖離している指標のひとつですが、この仮説が正しいとすれば「Never Grow Up」のヒットの下地はラジオが作ったと言えるかもしれません。