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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

デジタル解禁の嵐が躍進、「Turning Up」は次週の動向を注目せよ…11月18日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。

今週のソングスチャートを制したのはNMB48恋愛至上主義」でした。

獲得ポイントは16900。前作「母校へ帰れ!」の首位獲得時(8月26日付)に比べて82.1%と大きく落ち込んでいます。「母校へ帰れ!」は翌週26位(ポイント前週比10.9%)ですので、シングルCDセールスがチャート構成比の9割を超えた「初恋至上主義」が同様の道を辿る可能性は高いと思われます。なお前週首位の=LOVE「ズルいよ ズルいね」は今週42位に急落、ポイント前週比9.7%となっています。今年度の首位獲得作品と翌週の推移はこちら。

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今週注目すべきは、なんといっても嵐の躍進。

前週初登場した「Turning Up」は、集計期間終了のわずか5時間前の解禁で10位にランクイン。集計期間フルでカウントされた今週は2指標でトップとなり総合2位に。『デジタル解禁日である前週の計測最終日(11月3日)で「Turning Up」が獲得したダウンロードとTwitterのポイントは3,663で、当週のポイント合計数の13,297と合計すると「初恋至上主義」を逆転して総合1位となる』(上記記事より)とのことで、仮に11月4日月曜に解禁していたならば…と思うと、勿体無いと思う部分も否めません。

嵐については、11月3日日曜にデジタルシングル「Turning Up」をリリースしたほか、旧作シングルCD表題曲も一部先行曲を除きサブスクリプションサービスで解禁、およびダウンロード配信を開始。その結果。

このように、とんでもない記録を打ち立てています。デジタル解禁曲のチャート推移を一覧化すると。

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Spotifyの11月3~10日のデイリーチャート順位、および今回の11月18日付ビルボードジャパンソングスチャート総合およびダウンロード(DL)、サブスクリプションサービス等がカウント対象となるストリーミング(ST)ソングスチャート一覧がこちら。Spotifyで強い曲がビルボードジャパン総合チャートにもランクインする傾向がありますが、たとえば最新CD曲「BRAVE」はチャート構成比の4分の1以上をシングルCDセールスおよびルックアップで、「感謝カンゲキ雨嵐」は半分以上をTwitterで占めています。

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前者は最新シングルゆえ、後者は櫻井翔さんのツイートに曲名が付いたことによる効果とみられます。

このように、新曲以外がさらに盛り上がるには何かしらのプラスアルファが有効だということが解ります。

しかしながら勿体無いのは、動画再生指標がほぼ全ての曲で未加算であるということ。嵐の公式YouTubeチャンネルにおいては現段階でアップロードされた動画はわずか13本(「Turning Up」のミュージックビデオ、「A・RA・SHI」等先行配信5曲のミュージックビデオおよびライブビデオ等)。仮に全てのシングルCD表題曲のミュージックビデオが解禁されていたならば最新のビルボードジャパンソングスチャートでは22曲を遥かに上回る楽曲がランクインし、トップ10にも複数曲送り込んだのではないでしょうか。以前、ミュージックビデオを公開しない理由を推測しました。

一点、違和感を表明するならば今回のデジタル解禁にオリジナルアルバムはさることながら、ベストアルバムが含まれていないこと。アルバムCDはシングルよりも廃盤になりにくいこと、またベストアルバムの売れ行きが好調であることを考えれば、ダウンロードは解禁されても1曲250円の価格設定を高いと思い、ならばベストアルバムを買ったほうが得として購入に至らせる心理誘導が今回の施策の根本にあるかもしれません。そう考えれば、全シングル曲をダウンロードおよびサブスクリプションサービスで解禁しながらYouTubeで未解禁のままなのも、リリースされて間もないミュージックビデオ集への誘導と思えば合点がいきます。

ミュージックビデオ未解禁はいわばフィジカルへの誘導ゆえの施策と捉えていますが、チャートでのインパクトがより強ければ”ならばミュージックビデオ集を買おう”という心理を広くライト層(歌手や曲には興味はあれど絶対買うわけではない人たち)に形成出来たのではないかという気がします。

 

さて、ソングスチャート3位にはOfficial髭男dism「Pretender」が登場。ストリーミング再生回数はゆるやかに降下し、総合ポイントも2週連続で前週を下回ってはいます。

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しかしながら心配は要らないかもしれません。「Pretender」を収録したアルバム『Traveler』は今週、4週ぶりにトップに返り咲いています。

ルックアップが特段に強いのがOfficial髭男dismの特徴であり、ストリーミング指標同様接触の強さが目立っています。ストリーミング(サブスクリプション再生回数)はダウンしつつもアルバムをフィジカルでチェックする人たちが増えているわけで、「Pretender」そしてOfficial髭男dismの作品全体が今後しばらく高水準をキープするものと思われます。『NHK紅白歌合戦』の出演次第ではさらなる爆発も期待出来ます。

 

さて次週は、嵐「Turning Up」の動向に注目しましょう。これまでジャニーズ事務所所属歌手の作品はシングルCDセールスが強く同指標初加算週に首位を獲得することが多かったものの、今年度首位を獲得した同事務所所属歌手の作品は翌週すべてトップ10落ち、翌週のポイント前週比は山下智久「CHANGE」を除き10~20%という状況でした。仮に次週「Turning Up」がトップ10内をキープし、ポイント前週比20%を大きく超える結果を残すならば、同事務所はデジタルへの移行(導入)を本格的に協議して好いと考えます。

 

明日、このブログではSpotify新規導入におけるビルボードジャパンチャートポリシー変更についてまとめてみます。既に今週から変化していますが、個人的にはこの変化を強く歓迎します。