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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

三代目J Soul Brothers from EXILE TRIBE、デジタルシングル「Rat-tat-tat」が彼らの今年最高ヒットとなるか

今年の『NHK紅白歌合戦』(NHK総合ほか)の出場を逃した三代目 J Soul Brothers from EXILE TRIBE。同枠はGENERATIONS from EXILE TRIBEが半ば引き継いだ形ですが、カウントダウンライブに三代目 J Soul BrothersをはじめとするEXILE一派がGENERATIONSを除いて出演することも、三代目 J Soul Brothersの落選/GENERATIONSの初出場の要因かもしれません。

しかしながら、三代目 J Soul Brothersの今年リリースのシングルがそこまで好成績を収められなかった(広く世間に浸透したとは言い切れなかった)ことも紅白落選の要因と捉えることが出来そうです。

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今年シングルCDでリリースした2曲の最初の11週の動きをみると、シングルCDセールスのピークに合わせて総合順位も最高位に達していますがその後はシングルCDセールスに比例するかのように降下。アフロジャックを招いた「SCARLET」は動画再生やストリーミングといった接触指標群の落ち込みが速いのが気掛かりでした。

しかしその流れにあって、突飛な動きをみせているのが初のデジタルシングルとなった「Rat-tat-tat」なのです。

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シングルCDセールスおよびルックアップの2指標が稼げないためか総合でトップ10入りは逃しているものの、45位まで落ち込んだこの曲が最新11月25日付では17位まで復調。動画再生は強くありませんがしかし、ミュージックビデオが存在せず公式はオーディオのみという状態でこの成績なのは十分と言えるでしょう。

この曲「Rat-tat-tat」について、ビルボードジャパンでは今月11日に栗本斉さんがコラムを寄稿。11月11日付で突如47位に上昇した動画再生指標について興味深い指摘をされています。

もともとこの曲はPVは作られておらず、オフィシャルのYouTubeチャンネルでも静止画像のもの。普通に考えるとこれ以上伸びる要素はなさそうなのだが、Tik-Tokや素人のダンス動画なども含めて、別の角度からブレイクする可能性もある。そうなると、ツイッターやカラオケなどのポイントとも連動して急上昇することも考えられるだろう。

調べてみると、三代目J Soul Brothers側の仕掛けが見られます。

応募は今月中であり、スペシャルムービーは後にSNSで公開されるとのこと。ハッシュタグから反応を辿るとTikTok等に投稿している方もみられており、動画投稿者が元の楽曲をチェックしようとした結果、再生回数が伸びたことが想像出来ます。

 

今のヒット曲には、TikTokで人気に火が付きサブスクリプションサービスでの流行を経て広く浸透するものが多く、その象徴といえるリル・ナズ・X「Old Town Road」はのちにビリー・レイ・サイラスの助太刀もあって米ビルボードソングスチャートで史上最長となる19週連続首位を達成しました。今回の「Rat-tat-tat」は歌手側から仕掛けたものでありTikTokユーザーの自発的な利用とは少し異なるかもしれませんが、このような方式をいち早く採り入れるLDHの姿勢は見習うべきかと。あとはこの「Rat-tat-tat」がコアなファンのみならずライト層にまで浸透するかどうかで今後の明暗を分けそうです。ムーブメントに至れたならばこの曲で来年の紅白に復帰する可能性もゼロとは言えないでしょう。