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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

米ソングスチャートで定番のクリスマスソングが上昇したのは今の時代ならではの施策によるものだった

日本時間で昨日発表された、最新12月21日付米ビルボードソングスチャートでは遂に、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」が首位を獲得しました。

このタイミングで、Real Soundに寄稿した内容も公開。マライア・キャリーが「All I Want For Christmas Is You」および同曲を収録したアルバム『Merry Christmas』の25周年記念盤における様々な施策を用意したことを記載しました。

実際にこれら施策が功を奏したのに加え、公式ホームページでシングルCD等を販売したことも首位獲得に貢献しています。

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カセットも販売しているのですから、今の流行にきちんと乗っかっていると言えますね。シングルCD、カセットおよびレコードは全て、米ビルボードソングスチャートにおけるダウンロード指標に反映されるのです。

 

さて、最新チャートトップ10内にマライア・キャリー以外にも2曲のクリスマスソングがランクインし、ブレンダ・リーは過去最高位を大幅に更新、バール・アイヴスは昨シーズンの最高位に並びましたが、これらには共通点が。昨日のブログエントリーで簡単に触れましたが、あらためて確認していきます。

ブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」(3位)

・バール・アイヴス「A Holy Jolly Christmas」(10位)

さらには、次週以降のトップ10入りが見込まれるこの曲も。

・ボビー・ヘルムス「Jingle Bell Rock」(15位)

これら3曲はいずれも昨シーズントップ10入りを果たしているのですが、その時紹介したブログエントリー執筆時において、上記アニメーションビデオはありませんでした。

今回紹介した3つの動画は全て、今年制作されたものなのです。しかも”オフィシャルビデオ”と銘打たれています。

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動画のアップロード元は”Christmas Music”なるアカウント。昨年はブレンダ・リー「Rockin' Around The Christmas Tree」のリリックビデオが公式として登場していましたが、今年は3曲の公式ビデオをアップしているのです。そこで、画面右上の公式ホームページ(Christmas Music Website)をクリックすると、アカウントの正体が判明。

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公式ホームページはこちら。このトップ画面左下に”2019 UNIVERSAL MUSIC GROUP”とあることから、ユニバーサルミュージックがミュージックビデオを制作したとみていいでしょう。同グループ在籍の歌手による新旧クリスマスソングのミュージックビデオがチェック出来るこのホームページからは、上記ビデオ以外にも今回新たに制作されたものがいくつかみられます。

・ザ・テンプテーションズ「Silent Night」

ディーン・マーティン「Let It Snow! Let It Snow!  Let It Snow! 」

ジャクソン5「I Saw Mommy Kissing Santa Claus」

昨日の米ビルボードソングスチャート紹介時にも触れましたが、これらミュージックビデオの投入はストリーミング指標の押し上げにつながるのです。マライア・キャリーがアップロードした23年前の東京ドーム公演における「All I Want For Christmas Is You」も勿論のこと。昨年ブログで紹介した動画はおそらくは違法アップロードされたものをレコード会社側等が半ば公式化扱いしたものなのですが、今年になってレコード会社が正式な公式ミュージックビデオを制作することで、より多くの再生回数を稼ぐことが出来る…それがユニバーサルミュージックの狙いであり、現にそれがチャートの実績となって表れていると言えるでしょう。一部は歌手側の公式YouTubeアカウントで公開されていますが、ユニバーサルミュージック側から制作の働きかけがあったのではないかと捉えています。

ツイートした段階ではこの施策がレコード会社発のものだとは知らなかったのですが、調べてみて尚の事、レコード会社による施策の重要性を感じることが出来ます。ちなみに歌手側も今シーズンに入りクリスマスソング動画をアップロードすることが目立っている印象があり、たとえばワム!Last Christmas」は4Kバージョンで、またデスティニーズ・チャイルドが18年前にリリースしたクリスマスアルバムの表題曲が今になって公開されています。無論これらの動画もストリーミング指標の獲得につながります。

この動き、日本でも真似出来るはずですよね。尤もそのためには過去の音源のストリーミング(サブスクリプションサービスおよびYouTube)解禁は必須。多くのユーザーがプレイリストに取り込めば取り込む程再生回数が増え、チャートを駆け上がっていくのです。