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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

2019年、私選ラジオ重大(五大)ニュース

このブログでは毎年、極私的邦楽年間ベストソング集を紹介しているのですが、ラジオ業界についても気になった出来事をまとめてみます。首都圏ラジオ業界を主体に五つのトピックを紹介。昨年のニュースは下記に。

 

① 『たまむすび』の再興、そしてニッポン放送に募る不信

TBSラジオ好調の要因のひとつである平日昼帯『たまむすび』(月-金曜13時)が窮地に陥ったのが今年のこと。前身番組『小島慶子 キラ☆キラ』時代から木曜パートナーを務めたピエール瀧さんの降板、その件におけるゴシップ誌のちゃかし(事情を知らないゴシップ誌やそれに倣ったアプローチで責めたり嘲笑する人間の行為ははっきりいって最低です)もあり、赤江珠緒さん等の心労は相当なものだったでしょう。

再興に向け、番組が新たに木曜に迎え入れたパートナーはこの春まで裏番組を務めていた土屋礼央さんだったことに驚きました。その土屋さんから、仮に話が大きくなっているとしても裏番組の終了の経緯を聞くに、ニッポン放送の姿勢はやはりおかしいという自身の印象が間違っていなかったことを強烈に実感させられるのです。

聴取率については終ぞその結果が公開されなくなり、その点においてはラジオ業界全体に対し不信感を抱かずにはいられませんが、その中でもニッポン放送の姿勢はもはや手の施しようがないのではと思うのです。

 

NHK・民放連共同ラジオキャンペーン”#このラジオがヤバい”の成功

昨年までのキャンペーンを思い出せなくなるくらい、今年は大いに盛り上がったと思います。下記エントリーでの要望は、十分な成功を踏まえた上でそれでも付け加えるならば的な意味合いであり、今回の企画は少なからず若い方にラジオの存在が伝わっていったように思います。

 

③ 『安住紳一郎の日曜天国』タイムフリーに対応

首都圏ラジオ局の数多ある番組の中で高い人気を誇り、関東圏以外からのメッセージも多い(そしてプレゼント当選者に区域で分けることをしない)『安住紳一郎の日曜天国』(TBSラジオ 日曜10時)が今年4月7日から実験と称してradikoタイムフリーを開始しました。

これまで『安住紳一郎の日曜天国』がradiko未対応だったことは非常に勿体無いと思っていました。ポッドキャスト時代から”本放送を聴きなされ”と促す姿勢は知っていましたし、その思いは解るのですが。

上記リンク先にあるradikoのFAQでは『各番組出演者やコンテンツフォルダーに許諾をいただけない場合などは、タイムフリー聴取では配信することができません』とありますが、代打で古舘伊知郎さんが登場した回の翌週、番組のタイムフリーを許諾しなかったのがおそらくは安住紳一郎さん本人であることが、安住さん本人の告白により判明します。

(勝手ながら書き起こしを引用させていただきました。問題があれば削除いたします。)

ラジオがピンチと言われる中でradikoの登場により地域や時間の壁が取れ(有料会員になることも必要ではありますが)、フレキシブルな媒体となっている中にあって、コンテンツホルダー(TBS)が認めているタイムフリーをおそらく許諾しなかったのがTBSの中の人である安住さんの認めない方針にあったというのは違和感を覚えます。最新回に至るまで実験段階であることは未だ迷いがある証拠でしょうが、しかし安住さん自身がタイムフリーの恩恵を受けたのであれば、ユーザー(リスナー)にタイムフリーを認めない行為は矛盾ではないかと思うのですが、厳しい見方でしょうか。

この矛盾、サブスクリプションサービスで自身の楽曲を抱えてきた歌手にも当てはまることと捉えています。自身もサブスクリプションサービスのユーザーである歌手が、その利便性の高さを感じながらも自身の作品を解禁しないことへの矛盾を感じたことで解禁に踏み切る例は少なくないと伺っています。発し手の方が、自身が受け手の立場になるという想像力を働かせれば、より好い環境の構築にはどうすべきかが見えてくるはずです。『安住紳一郎の日曜天国』以外にも同種のタイムフリー未実施を行う番組が柔軟に対応することを願うばかりです。

 

TOKYO FM不正会計、大幅赤字へ転落

TOKYO FMデジタルラジオ事業i-dioの赤字を隠すべく粉飾決算を組織的に行い、最終的にi-dioの撤退、そして特別計上に伴い大幅赤字となりました。気になるのは、JFN(全国FM放送協議会)のキー局であるTOKYO FMがこのような事態を招いたことで、加盟局にも聴取率やスポンサー獲得等に被害が及ばないかということ。一部にはその体力が心配になる局もあるゆえ、心配でなりません。

またTOKYO FMにおいては、その番組編成における村上春樹さん推しが強いことも気掛かりです。村上さんが悪いということではなく、聴取率調査週間にレギュラー番組(一部はニュース等情報番組)を差し替えてまで再放送を実施する行為はリスナーは勿論、ラジオDJ等へも失礼です。

規模の大小に関係なく、局の都合が優先されることでラジオ離れが生じることはあってはなりません。

 

⑤ 青森は凪が続く…新たなスターは不在のまま

青森県の県域AM局、RABラジオが12月24日正午から放送した『ラジオ・チャリティ・ミュージックソン』はこれまでメインパーソナリティが3年連続担当するという制度を採っていましたが数年前から変更。同局の看板番組を務める方が大挙参加するスタイルに変わりました。しかしながら。

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(目の不自由な方へ通りゃんせ基金を!ラジオチャリティミュージックソン - RABラジオより。ブログでの紹介を目的にキャプチャしましたが(且つ来年にはリンク先の掲載内容が変更されるため今年のものを紹介した次第)、問題があれば削除いたします。)

ここ数年生ワイド番組が刷新されていない(もしくはパーソナリティが交代していない)ことが如実に表れているように思うのです。それが必ずしも悪いというわけではありませんが、ラジオが新しい風を吹かせず守りに入るのは、県のエンタテインメント業界自体が活性化しないという点で機会損失ではないでしょうか。たとえば、『GO!GO!らじ丸』(月-金曜11時55分)立ち上げ時に火曜パーソナリティを担当したホイドーズのボーカル、鉄マンさんは次世代のRABラジオを支えてもおかしくない人材だと思ったのですが、理由は不明ながら交代。県域放送局の数少ない生ワイド番組枠で同じパーソナリティの方が二本担当するという事態となっています。

他方、県域FM局のエフエム青森ではアナウンサーを募集しているのですが、疑問は拭えません。

青森県に限らずですが、高い技術を有する職種が契約社員を基本とすること自体に強い違和感を覚えますが今は置いておきます(というよりも、契約社員制度自体にも疑問を抱いているのですが)。現在エフエム青森で生ワイド番組(1時間以上)を担当するのは同局所属のアナウンサーのみであり、仮に来年春以降4名体制で(もしくはひとり抜けたとしても)生ワイド番組を回していくならば、フリーで活動する方がその枠を持てないのもまた機会損失ですよね。”アナウンサーや認知度の高い方でなければラジオで喋ることが出来ない、そうでなければラジオで稼ぐことは出来ない”というイメージが広がるほど、業界で働きたい、ラジオで伝えたいと思う人は減るのではないでしょうか。

 

 

以上5点、例年より長めに書いてみましたがいかがでしょう。苦言を基にした提案が多くなりましたが、来年こそは状況が良くなっていくことを願ってやみません。