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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

ビルボードジャパンソングスチャートから真の社会的ヒット曲を探す2つの方法

このブログでビルボードジャパンソングスチャートを追いかけるようになった理由に、旧来のランキングでは流行を十分に追えないということがあります。2000年代に入りデジタルの進歩やコピーコントロールCD等によるCD離れ(レコード会社への不信)等もあり、CDセールスだけではその流行を計れないと考えたためです。ビルボードジャパンが時代に即して進化し現在ではかなり完成度の高いチャートとなっていますが、CDセールスがほぼ絶対的なヒットの指針となっていた20年前から近年に至るまでのヒット曲についてはなかなか判断することは難しいのが現状。そんな中、ダウンロード数を主体にブランクといえる期間のヒット曲を分析、紹介するあささんのブログがヒット曲を知る上で非常に参考になりますので、勝手ながら紹介させていただきます(問題があれば削除いたします)。

 

さて、現在のビルボードジャパンソングスチャートについては、シングルCDセールスに複数買い等を踏まえた係数が用いられたとしても、シングルCDセールスに長けた曲が週間チャートを制するケースが多いのが現状であり、その点については思うところがあるのは事実。この思いを含め、改善願いは前に記載しています。

今後これらが改善するかは不明ですが、時代に即してチャートポリシーを柔軟に変化させている(新たな指標を設けたり、指標の中身を充実させている)ことによりどんどん社会的なヒットの鑑となっているビルボードジャパンソングスチャートについて、ではその【社会的なヒットの鑑】になっている曲を見つけるにはどこを見ればよいか?について述べていきます。

 

ビルボードジャパンソングスチャートにおいて、自分なりにチェックするポイントは2つ。

① 所有指標加算2週目において、総合ポイント前週比が高いか

② ストリーミング指標5割前後、動画再生指標2割強…接触2指標でチャート構成比の7割を超えているか

①については先程、『シングルCDセールスに長けた曲が週間1位を獲得するケースが多いのが現状』と書いたことから、シングルCDセールスに特化したランキングと大差ないと思われる方もいらっしゃるでしょう。実際、最新チャートを制したOfficial髭男dism「I LOVE...」がシングルCDセールス指標5位ながらCD関連指標群が初加算となったことでさらなる飛躍を遂げたこともあり、CDセールス自体が大きな影響を及ぼすのは間違いありません。

ならば、点ではなく線を見よという提案です。シングルCDセールス指標が初加算される週は高くとも翌週急落する曲はシングルCDセールス以外の指標が強くないことを指します。逆に他指標で補填されていれば急落は免れるというわけです。

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2019年度の週間ソングスチャートにおいて1位もしくは2位を獲得した曲の翌週におけるポイント前週比を示したのが上記の表。アイドルの曲を中心に、如何にポイント前週比が高くないか、一方でOfficial髭男dismやKing Gnuといった歌手がきちんとポイントをキープ出来ているのかが解ります。また所有指標はCDのみならずダウンロードも該当。現在では未CD化曲も多いことから、CDほどの下落幅ではないにせよ似たポイント前週比になる傾向があります。

 

②についてはつい最近、ロングヒットの定義について記載しています。

CHART insight(リンク先はこちら)から調べたい曲のタイトルをクリックすると曲の詳細が表示され、最新ソングスチャートにおけるチャート構成比が判ります(ビルボードジャパンには是非とも、最新週のみならず各週毎のチャート構成比が出るようにしてほしいという希望を記載しておきます)。ロングヒットに至っている曲はおおよそ、サブスク再生回数を基とするストリーミング指標で5割前後、YouTubeおよびGYAO!の再生回数を基とする動画再生指標で2割強を獲得し、接触2指標合計でチャート構成比の70~75%程度を占めています。この2指標は良くも悪くもランクの変動が激しくなく、言い換えれば浸透している証なのです。

他方、人気曲でもFoorin「パプリカ」のように、フルバージョンのミュージックビデオがアップされながらも動画再生指標加算の条件であるISRC(国際標準レコーディングコード)が付番されていないことで動画再生指標が極めて低くなる場合があります。その場合チャートも上位安定とはならず、「パプリカ」は昨年の日本レコード大賞受賞を機に5位に再浮上した1月13日付の翌週には早くもトップ10圏外となっています。またLiSA「紅蓮華」はダウンロード、シングルCDリリースを経て、タイアップ先の『鬼滅の刃』の人気およびサブスク解禁が大ブレイクの契機となりましたが、こちらはCD人気が根強いこともあれど、最新ソングスチャートで最高位を4位に更新したこの曲が、一方では動画再生指標が30位と伸び悩んでいるのが特徴。これはミュージックビデオがショートバージョンであるためであり、もっとヒットしたであろう可能性を自ずと逸しています。

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チャート上で盛り上がらずともこれら例示した曲は浸透しているという声もあるでしょうが、ビルボードジャパンソングスチャートがCD売上のみのチャートに代わり各種メディアで取り上げられてきていることを踏まえればさらなるチャート上昇に至れない機会損失はひどく勿体無いことだと言えます。また、たとえば曲が気になりYouTubeで検索して公式がショートバージョンだったと知ったらどういう印象を抱くか…経験された方ならば印象が悪くなることはあれど良くなることはおそらくないはずです。機会損失については日本レコード大賞NHK紅白歌合戦の影響が如実に表れた1月13日付ソングスチャート分析の際に記載していますのでよろしければ。

ロングヒットしている曲がすべて70~75%という基準を満たしているわけではないかもしれませんが、そのチャート構成比に至れていない曲にはそのような不備と言われてもおかしくない理由があるのです。

社会的なヒットの鑑たるビルボードジャパンソングスチャートから真の社会的ヒット曲を知るための最低限のポイントはこの2つ。サブスク解禁やミュージックビデオのISRC付番およびフルバージョンでの公開は、逆の例を踏まえれば必ずやらなければいけないことだということが解るでしょう。これら解禁は最低限のポイントよりも大前提、なのです。

 

ビルボードジャパンソングスチャートは毎週水曜昼以降に更新されます。そのタイミングにて、Twitterで【#ビルボードジャパン最新チャート速報】のタグを付けてつぶやいていますのでよろしければチェックしてください。ビルボードジャパン自身がチャート更新後に発信する各種チャートの詳細をチェックすれば、ヒット曲は何かをより深く理解することが出来ます。