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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

今週デジタル解禁したaiko、既にビルボードジャパンソングスチャートで「カブトムシ」が再浮上している理由は

一昨日サブスク等デジタル解禁に至ったaikoさんについては、その解禁を後押しした要因の推測を軸に、解禁日にその旨を記載しました。

解禁日を集計期間に含む3月9日付ビルボードジャパンソングスチャートで何曲が登場するか気になりますが、それに先駆けてサブスクリプションサービスのひとつ、Spotifyの解禁日付デイリーチャートが発表されました(→こちら)。今週CDリリースされた「青空」は53位に登場、そのひとつ上に「キラキラ」(2005)がランクイン。そして最も高い位置に初登場を遂げたのが1999年作の「カブトムシ」(42位)でした。

実はこの「カブトムシ」、今週のビルボードジャパンソングスチャートで早くもランクインしているのです。

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一昨日発表された3月2日付ビルボードジャパンソングスチャート(集計期間:2月17~23日)では「カブトムシ」は43位に入り、およそ1年ぶりの100位以内復活を果たしています。牽引したのは15位に入ったTwitter指標をはじめ、共に66位を獲得したミュージックビデオおよびダウンロード。今週火曜まではミュージックビデオがショートバージョンのみ公開、ダウンロードは可能でも充実しているわけではなかったという環境で再浮上に至れたのは、ラジオに因るところが大きいのです。

今週のチャートの集計期間中に放送された『King Gnu井口理のオールナイトニッポン0』(ニッポン放送 木曜27時)で、King Gnuの井口理さんとゲストのaikoさんが「カブトムシ」がデュエットを披露。放送直後からTwitterを賑わせていたこの共演がオリジナルバージョンの再浮上に大きく寄与したことは間違いないでしょう。

そして寄与した理由はもうひとつ。

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(上記はYouTubeの表示を紹介するためにキャプチャしました。問題があれば削除いたします。)

動画は個人アカウント発であることから本来適法ではないのですが、曲の著作権者がきちんとクレジットされています。これが動画のアカウント主によるものかレコード会社や芸能事務所が後に依頼して付けたものかは分かりかねますが、これによりこの動画がUGC(ユーザー生成コンテンツ)としてビルボードジャパンソングスチャート動画再生指標のカウント対象となり、今週火曜まで公開されていたミュージックビデオショートバージョンと合算された(ゆえに動画再生指標が66位に入った)という仮説が成り立ちます。このクレジットを行ったのがレコード会社等だとすれば、半ばこの動画は認められた、合法化された(もしくは目を瞑った)と捉えてもいいでしょう。ちなみにこの違法アップロードの合法化(と捉えられる動き)はアメリカでもみられたもので、たとえば昔のクリスマスソングが公式ミュージックビデオ登場までの間チャートを牽引しています。

今回の「カブトムシ」の上昇はそれに通じるものがあります。

このラジオ共演の余韻がSpotifyでの最上位初登場につながったと言えるかもしれません。来週水曜に発表される3月9日付ビルボードジャパンソングスチャートでどこまで順位を伸ばすか、非常に楽しみです。

 

 

最後にビルボードジャパンへ提案。

仮に今回のラジオ共演動画が最新チャートにおける「カブトムシ」の動画再生指標上昇に寄与したのであれば、弊ブログで以前から述べている”リミックスや客演の有無にかかわらず合算”するようチャートポリシーを変更しないといけないと考えます。

「カブトムシ」のオリジナルバージョンはaikoさん単独のものであり、上記動画も単独クレジットとして登録されています。つまり動画の著作権者登録は厳密には誤っているのですが(というより、そもそもデュエットバージョンは正式には存在しないのですが)、その誤りがそのままチャートに反映されたのであるならば、本来リミックスや客演等新バージョンは合算しないというビルボードジャパンのチャートポリシーが矛盾するということになるのではないでしょうか。これは荻野目洋子「ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)」が、BPMアップ等加工されオリジナルバージョンとは異なる形でバブリーダンス動画に用いられながらオリジナルバージョンとして合算されチャートを上昇した際の矛盾と変わりません。

今回の動画を加算対象外にすることは物理的に難しいと思います。ならばいっそのこと、全て合算したほうがチャート計算上も極めて楽になるのではないでしょうか。合算の方法は既に採り入れている米ビルボード側に問い合わせればスムースに採用出来るはずですので、是非とも検討していただきたいと思います。