イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

2020年2月の私的トップ10ソングス+α、選出しました

先月からはじめた、【私的トップ10ソングス】企画は早くも変更。とはいえ企画自体の頓挫ではありません。良曲が多いゆえどんなに絞っても20曲を下回ることはないゆえ、【私的トップ10ソングス+α】として2回目にしてリニューアルすることとします。いい意味での改変であることをご理解ください。その前の月にリリースされているものを主に、しかしその縛りは出来る限り緩くして選んでみました。ミュージックビデオ等動画がない曲は巻末のプレイリスト(Spotify)でチェックしてみてください。

 

 

10位 さかいゆう「Getting To Love You」

イントロのギターとファルセットでこんなにワクワクさせてくれる曲は滅多にありません。にもかかわらず10位というのは、Bメロが3連メロディであるところにまだ少ししっくりきていないため。しかしながらそのBメロからサビに突入した際のカタルシスたるや。様々な凄腕ミュージシャンと渡り歩き生まれたニューアルバム『Touch The World』は今日リリース。楽しみでなりません。

 

9位  RIRI「Episode 0」

RIRIさんの新章といえる美しいバラード。押し引き等豊かな表現力に脱帽、そしてアレンジの凛とした佇まいたるや。プロデュースを担当したUTAさんは昨年末に三浦大知「COLORLESS」も手掛けており、この2曲でネクストフェーズに入った印象があります。

 

8位 ベン・ウィリアムス「If You Hear Me」

恥ずかしながら今回その名を初めて知ったベン・ウィリアムス。ジャズベーシストでコンコードからデビューし、今年リリースした3枚目となるアルバム『I Am A Man』はインディながら、ホセ・ジェイムズ等も所属となればその実力は折り紙付きだと解るはず。じわりと熱を帯びていくアレンジと、相反して熱すぎないボーカルとのバランスが素敵です。短尺化がトレンドとなるサブスクにあって、この曲はイントロだけでも1分半オーバー。しかし、あまりの美しさに惹き込まれてしまいます。

 

7位 テーム・インパラ「Breathe Deeper」

個人的には前作『Currents』の頃から注目していたテーム・インパラ。先月末放送の『アフター6ジャンクション』(TBSラジオ 月-金曜18時)で音楽ジャーナリストの高橋芳朗さんが特集したのを機に彼らへの熱は再燃する一方(特集の概要はこちらに)。この曲を聴いて真っ先に思い出したのはジャネット・ジャクソン「All For You」であり、他ジャンルでもR&B的要素があると惹き込まれるのが自分の傾向。 

 

6位 ディスクロージャー feat. エコ・ルーズヴェルト「Tondo」

およそ1年ぶりに先月リリースされた新EP『Ecstasy』収録曲。カメルーンの歌手、エコ・ルーズヴェルトによる「Tondoho Mba」(→こちら)を大胆にサンプリングした(というかカバーに近いとすら言える)「Tondo」はアフリカン×ソウルミュージックを更に洗練させクラブ仕様に。この曲からはザ・ドリフターズの往年のコント、ヒゲダンスのBGMで用いられたテディ・ペンダーグラス「Do Me」を想起。この手のサウンドには抗えません。

 

5位 竹内アンナ「I My Me Myself」

今月初のフルアルバム『MATOUSIC』をリリースする竹内アンナさんはこれまでのEPでも良曲を輩出していたのですが、今回の爽快感は別格。複雑な展開ながら聴き手を混乱させず、しかもすべてがパンチラインかの如き内容。崎山蒼志さんのノイズギターも◎。後半DAOKOさんを想起させるラップ的展開もキャッチーです。

 

4位 chelmico「Limit」

先月末リリースながら一気に虜に。詳しくは今週のブログにて記載しています。

 

3位 松木美定「実意の行進」

昨年既にリリースされていたこの曲が先月、「焦点回避」と共にあらためて配信開始。恥ずかしながら松木さんをこのときまで存じ上げなかったのですが、邦楽にはあまり用いられない”歪み” ”自己中心的” ”ハリセン” ”有機物”といった言葉達が美しいメロディ、アコースティックを基調とするアレンジにぴったりハマっており、キリンジ×大橋トリオといった赴き。これから聴き込まないといけないと強く思った次第です。歌詞は松木さんのブログに(→こちら)。

 

2位 cero「Fdf」

ライブで披露された際に観客がどうやってノレばいいか苦労していたような話を耳にしました。昭和のゲームもしくはおもちゃ的効果音からはじまり、スコンと抜けたパーカション、邦楽であまり用いられていない管楽器の使用によるイントロ…たしかに頭の中に“?”が生まれるのは無理はないかもしれませんが、しかし二度目にはそんなことが気にならないくらい虜になってしまいました。新しいアルバムからのリード曲なのかは分かりませんが、今年の彼らの動向には注目したいですね。

 

1位 Chara+YUKI「楽しい蹴伸び」

「愛の火 3つ オレンジ」からおよそ20年ぶりとなるコラボレーション、しかもミニアルバムでのリリースというのですから胸踊った方は多いはず。そしてmabanuaさんやSeihoさん等制作陣の顔ぶれに良作を確信していたのですが、TENDREさんが手掛けたブギーに陶酔。ふたりの声が結構似ている(気がすると思ったのは自分だけ?)ことでより没入感が増していきます。以前”泳ぐ”曲をいくつか紹介したのですが(→こちら)、プレイリストに名曲がまたひとつ。

 

 

というわけで、邦楽が多めの10曲となりました。以下、次点として10曲。

 

・I Don't Like Mondays「Plastic City」

あいみょん「さよならの今日に」

・ECHOLL「瞬間 (sayonara ver.)」

THE CHARM PARK「Renaissance is Over」

・フォニー・ピープル feat. メーガン・ジー・スタリオン「Fkn Around」

・キム!「Valentines」

・リアン・ラ・ハヴァス「Bittersweet」

・サブリナ・カーペンター「Honeymoon Fades」

サム・スミス「To Die For」

・トム・ミッシュ & ユセフ・デイズ「What Kinda Music」

 

I Don't Like Mondays.の醸す山下達郎「PAPER DOLL」感(w-inds.橘慶太さんを思わせる甘いボーカルもいいですね)、ジョーン・オズボーンを思わせるブルージーあいみょんさん等トピックスは数あれど(またバレンタインデーリリースのキム!およびサブリナ・カーペンターについては以前記載しています(→こちら))、映画『サヨナラまでの30分』に登場するバンド、ECHOLL名義での「瞬間 (sayonara ver.)」(1月22日にリリースされたサウンドトラック収録曲)は最後まで私的トップ10入りを争った曲で、ボーカルを担当するのはDISH//北村匠海さん、そして新田真剣佑さん。新田さんについてはザ・チェインスモーカーズ「Closer (Tokyo Remix)」(オリジナルはホールジーが客演)への参加でその歌声が注目されていますが、こちらも素晴らしいです。ソングライトを手掛けたodol共々注目です。

 

今月も素晴らしい音楽に出会えることを願っています。