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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

Official髭男dism「I LOVE...」は『恋つづ』効果で年間1位も射程圏内?…3月16日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。

 

3月2~3月8日を集計期間とする3月16日付ビルボードジャパンソングスチャート。前週首位のHey! Say! JUMP「I am」は54位へ急落、新たな1位はJO1のデビュー曲「無限大」が獲得しました。

オーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』出身のグループ、JO1が制覇しました。シングルCDセールスが35万近い売上を記録し同指標1位になった一方、ルックアップはセールスでJO1の5分の1にとどまるMr.Children「Birthday」(総合3位)に敗れています(とはいえ「Birthday」のCDセールスは決して悪い数字ではありません)。JO1がルックアップで敗れたことはレンタル数およびユニークユーザー数の多くなさが予想されるため、今後「無限大」がロングヒットとなるためには如何にライト層を獲得するかが鍵となります。またMr.Children「Birthday」においてはダウンロード、ストリーミングおよび動画再生のデジタル指標群がすべて未加算。CD販売に特化した施策なのかもしれませんが、この「Birthday」から6位のKing Gnu「白日」まで8000ポイント台の接戦であったため、もしかしたら今週トップ5入り出来なかった可能性もあったわけです。タイアップ映画の延期も影響しているかもしれませんが、デジタル施策を見直す必要があるとも考えます。

 

さて今週、やはりOfficial髭男dism「I LOVE...」を取り上げないわけにはいきません。

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2週連続で首位を獲得した後、シングルCDセールスに長けた曲が首位に躍り出る影響で3週連続2位にとどまっていますが、そのポイントはシングルCDセールス加算以降4週連続で1万ポイントを大きく上回っています。それのみならず。

最高ポイントを獲得するタイミングは、シングルCDがリリースされる場合はその加算初週であることが多いのですが、Official髭男dismはその法則をいい意味で裏切ることに成功しています。

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ビルボードジャパンが発信する週間チャートのニュースに掲載されたシングルCDの売上枚数、ダウンロード数、サブスクを基とするストリーミングの再生回数および動画再生回数、そしてそれらの前週比を、総合および各指標の順位に加えたものが上記。ストリーミングおよび動画再生は前週比が常に100%超えを果たし、今週はシングルCDセールスおよびダウンロードも上昇に転じています。

「I LOVE...」の強さの理由は、同曲が主題歌に起用されたドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS 火曜22時)の人気が大きいということは前週紹介しました。

最新3月16日付ソングスチャートの集計期間に放送された第8話(3月3日放送)の無料見逃し配信はTBS史上最高を更新。またリアルタイム視聴率も番組最高となる12.1%を獲得しています(視聴率はビデオリサーチ調べ・関東地区の結果。以下同じ)。

リアルタイム視聴率とタイムシフト視聴率(1週間以内の視聴)を足し重複分を差し引いた総合視聴率では第6話と第7話で20%を突破したことから、第8話の総合視聴率20%超えは確実といえます。また一昨日放送された第9話のリアルタイム視聴率は14.7%となり最高記録を更新しています。

このペースでいけば、ドラマ人気に比例して「I LOVE...」人気が加速するのは確実。少なくとも、第9話効果が表れる次週および最終回放送週を集計期間とする再来週のソングスチャートでは15000を超える可能性は低くないと思われます。ラジオエアプレイが下がり、新型コロナウイルスによる自粛要請でカラオケ需要が減ることは予想されますが、ドラマ人気がサブスクやYouTube等の盛り上がりに波及すればそれらマイナスを補填するのに十分な力となるでしょう。

そして、これは9ヶ月先の話ではありますが、今年度の年間ソングスチャートにおいては「I LOVE...」の上位登場は間違いないでしょう。昨年の年間ソングスチャートにおいては首位の米津玄師「Lemon」がおよそ326000、2位のあいみょんマリーゴールド」が290000、3位のOfficial髭男dism「Pretender」が240000ポイントを獲得していると推測されますが、「I LOVE...」は現段階で86000ポイント強。ドラマが放送される残り2週に15000ポイントずつ獲得すると仮定すれば再来週までに116000ポイントに達し、その上で昨年度の「Lemon」の水準に達するにはその後平均して6000ポイントを獲ればよい計算となります。ストリーミングや動画再生が強い曲はどんなに下がっても前週比90%を割り込むことが稀であることを踏まえれば、昨年と今年で若干チャートポリシーが変更したとは言えども、「I LOVE...」が「Lemon」並みのポイントを稼ぐことは十分有り得ると思うのです。

 

ただ、Official髭男dismの場合は「Pretender」同様、この春に映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』に「Laughter」が主題歌として起用されることが決まっています。

となると、「Laughter」の登場により「I LOVE...」が押し出されるのでは…という懸念は杞憂だと言えそうです。今週のソングスチャートにおいてはOfficial髭男dismの他の曲の総合ポイントも上昇するものが多く、「Pretender」(4位 前週比103.3%)、「宿命」(9位 同104.6%)、「イエスタデイ」(10位 同101.9%)、「115万キロのフィルム」(13位 同108.9%)というように、トップ20入りの曲はすべてアップしています。およそ2年前にリリースされたアルバム『エスカパレード』のオープニングを飾る「115万キロのフィルム」は今週最高位を更新したこともあり、ドラマ効果はヒゲダン全体の勢いにつながっているのです。