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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

ドラマの最終回に合わせて曲はピークに、Uruのリリースタイミングも効果あり…3月30日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。

 

3月16~22日を集計期間とする3月30日付ビルボードジャパンソングスチャート。前週首位のOfficial髭男dism「I LOVE...」は2位へ後退、AKB48「失恋、ありがとう」が初登場で首位に立ちました。

首位を獲得はしたものの、真のヒットと断言するには言えない状況です。

上記ミュージックビデオは3月上旬に公開され、またサブスクも解禁済ですがこれら接触指標群が非常に弱く、またシングルCDのミリオンセールスに対しルックアップが6位と激しく乖離していることから、ライト層且つユニークユーザー数が少ないこと、コアなファンに支えられていることが読み取れます。ライト層が少ないとシングルCDセールス加算2週目のポイント前週比が小さくなる傾向があるのですが、AKB48は最近のシングルCD表題曲において4曲続けてポイント前週比が5%未満。前作「サステナブル」に至っては3.2%となっており、「失恋、ありがとう」が前作並の水準で推移すれば、次週50位未満に急落することもあり得るでしょう。シングルCDセールスに長けた曲は、翌週の動向をみて真のヒットかを確認する必要があります。

 

一方、前週通算3週目の首位を獲得したOfficial髭男dism「I LOVE…」はダウンするも2位に。

こちらは7週連続で2位以上をキープし、今週まで3週連続でポイント前週比110~115%以内を達成。集計期間に最終回を迎えたドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS)の話題も相俟って、「I LOVE…」はサブスク再生回数で最高記録を更新する等、数値が可視化された4指標すべてが伸びているのです。

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ストリーミング、動画再生のみならずダウンロードも最高値を更新、シングルCDセールスは加算初週に次ぐ成績を収めています。これは間違いなくドラマの最終回効果であり、またその前の回(3月10日放送の第9話)が番組最高となる総合視聴率23.5%を獲得したことも大きく寄与しているはずです(ビデオリサーチ調べ・関東地区の結果)。総合視聴率はタイムシフト視聴率も合算(リアルタイム視聴率との重複分は削除)したものであり、同じくタイムシフトである配信サービスでも大ヒットしているだろうことが想像出来ます。

面白いのは、ここにきて「Pretender」(今週総合3位)が「I LOVE…」と呼応するかのように3週連続でポイント前週比100%超えを達成していること。特にシングルCDセールスは83位に入り、昨年の『NHK紅白歌合戦』出場の余韻が残っていた1月27日付以来9週ぶりに100位以内にランクインを果たしています。下記CHART insightにおいて、黄色の折れ線がシングルCDセールスを示しています。

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ドラマがヒットし主題歌に起用された歌手に注目が集まると、その歌手の他の曲も接触指標群を軸に上昇することは自然な流れですが、そのようなライト層の拡大のみならず、Official髭男dismの所有動向の高まりからは【ライト層からコアなファンへの昇華】という動きも見られると考えます。なおアルバムチャートにおいては、「Pretender」等が収録された『Traveler』(今週6位)がKing Gnu『CEREMONY』(同7位)を、その初登場以来はじめて上回ったことも書き記しておきます。

 

今クールのヒットドラマといえば、『恋はつづくよどこまでも』同様にTBSが放送した『テセウスの船』ですが、主題歌であるUru「あなたがいることで」が9位に入り、遂にトップ10入りを果たしています。

全話平均13.4%、日曜に放送された最終回は19.6%を記録したドラマ主題歌の「あなたがいることで」は初登場以降、シングルCD未リリースながらストリーミング、動画再生といった接触指標群が緩やかに上昇し続けていました。

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そしてこの動きはアルバムにも波及。この曲を収録したアルバム『オリオンブルー』は今週のアルバムチャートで5位に初登場。ソングスチャート共々、トップ10入りを果たしたのです。

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最終回放送週にアルバムがタイミングよくリリースされたことで、シングルCD未発売もあってフィジカル欲が高まっていた方をアルバム購入に誘導出来たと言えるでしょうし、「あなたがいることで」がダウンロード指標で初登場からずっと10位以内をキープしていたことを踏まえれば、アルバムのダウンロード指標が2位と高いのも頷けます。一方でアルバムリリースは、ストリーミングの上昇にも寄与します。Uruさん側がアルバムリリースのタイミングを最終回放送週に合わせてきたのかは断定出来ませんが、しかしドラマファンの熱を上手く取り込んだと言えるのではないでしょうか。 

 

ドラマ主題歌の「I LOVE…」も「あなたがいることで」も、最終回の盛り上がりがうまく波及しています。無論ドラマの質の高さや話題性も鍵にはなりますが、Uruさんのチャートアクションを踏まえれば、ドラマに呼応したアクションを起こせばソングス/アルバムの両チャートで存在感を示せることが証明出来たのではないでしょうか。