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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

ストリーミング強者が結果を出した5月4日付ビルボードジャパンソングスチャート、YOASOBIが一歩抜け出した理由は

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点をソングスチャート中心に紹介します。

4月20~26日を集計期間とする5月4日付ビルボードジャパンソングスチャート、17万枚を超えるシングルCDセールスを武器に、HKT48「3-2」が初登場で首位に輝きました。

首位は制したものの、次週は急落が予想されます。

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前週は総合300位以内に入らず、今週はダウンロードが100位圏外(300位以内)、そしてサブスク再生回数に基づくストリーミング、および動画再生という接触2指標が300位にも満たないことから、以前乃木坂48と比べて弱いと指摘したAKB48の動きをなぞるものと考えます。

前作「意志」は昨年のこの時期に首位を獲得しながら翌週には82位に急落。今作は次週100位にとどまるのか…非常に気掛かりです。

 

さて、今週はトップ10内にヨルシカ「花に亡霊」が6位、YOASOBI「夜に駆ける」が8位にランクインし、両者にとって初のトップ10入りとなりました。

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「花に亡霊」について『アニメーション映画『泣きたい私は猫をかぶる』の主題歌で、劇中のシーンを使用したミュージックビデオも話題』、また『小説を音楽と映像で具現化するユニット』である「夜に駆ける」は『徐々にストリーミングと動画再生が牽引してファン層を拡げ』たことがヒットの要因とビルボードジャパンは分析しています(『』内は上記ビルボードジャパンの記事より)。「花に亡霊」は集計期間にデジタル解禁されたためにダウンロード指標がチャート構成比の4分の1以上を占めていますが、両曲共に強いのがストリーミング。「花に亡霊」は26位、「夜に駆ける」は8位に入っています。

この2曲の他にも、新鋭の歌手によるストリーミング指標上昇曲が複数登場しており、いずれも総合チャートで好位置につけています。

・Rin音「snow jam」(ストリーミング10位 総合20位)

・瑛人「香水」(ストリーミング18位 総合34位)

緑黄色社会「Mela!」(ストリーミング42位 総合37位)

神はサイコロを振らない「夜永唄」(ストリーミング46位 総合75位)

DISH//「猫」(ストリーミング63位 総合82位)

DISH//「猫」については次週、一発録り動画"THE FIRST TAKE"によるバージョンがオリジナルとは別に、100位以内に登場するかもしれません。こちらについては以前記載しています。

 

ソングスチャートにおいてストリーミング指標が重要であることは、CHART insightを調べればよく解ります。

最新5月4日付の各指標上位20曲における総合ソングスチャート100位以内在籍率をみると、ストリーミングが100%を達成し、総合チャートで最も低いKing Gnu「どろん」(ストリーミング20位)でも36位という状況。他指標ではシングルCDセールスが65%、ダウンロードが80%、ラジオエアプレイが35%、ルックアップが70%、Twitterが75%、動画再生が惜しくも95%となっており、デジタル、そして接触指標が高いと総合順位で優位に働くことが判明します。さらに。

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上記はHey! Say! JUMP「I am」急落はストリーミングの興隆が一因? 行うべき対策は何か(3月13日付)で掲載した表の最新版。10位の再生回数の水準は一時下降したもののまた上昇に転じています。1位に関しては11週連続でOfficial髭男dism「I LOVE…」がその座に就くゆえ同曲の勢いにグラフが大きく左右されるものの、1位そして10位共々この1年ちょっとで急増しているのは事実であり、この点からもストリーミングがチャートにおいて重要な指標と言えるはずです。

 

今回紹介した新鋭歌手の楽曲群においては今週初登場を果たした曲もあり、ともすれば今後勢いをキープ出来ないものもあるかもしれませんが、ストリーミングの強さはロングヒットに欠かせない条件であり今後に期待出来るものと考えます。そうなると次なる目標は"さらなる高みを目指すにはどうするか"ということですが、個人的には「夜に駆ける」を総合8位に押し上げたYOASOBIのTwitterアカウントにそのヒントがあると思うのです。集計期間初日における新曲「ハルジオン」のティーザー公開が押し上げの一因と言えるでしょうが、より重要だと感じたのはたとえばチャートの積極的な紹介。それも言語を問わずにつぶやいています。

ビルボードジャパンのチャート担当者がポッドキャストでYOASOBIを取り上げたことを紹介し、ポッドキャストのリンクを貼ってツイートしています。

再生回数等で大台に乗った際には、フォロワーと共に祝っています。

そして様々なカバーも紹介し、ファンに感謝する姿勢も忘れません。

さらに驚いたのは、自分がYOASOBIについてつぶやいた内容をお気に入り登録してくださったこと。著名な方が気にかけてくれるというのはファンは勿論のこと、気になっているけれどもこれから…というライト層(またその予備軍)をファン化させる効果があると思うのです。上記ツイート群も含め、元Spotifyの松島功さんのnoteにおける【②プロモーション・あなたがファンとエンゲージしてる強みはどこ?】がきちんと出来ている証拠ではないでしょうか。

これら施策が着実に成果を上げていることは、先に掲載した「夜に駆ける」のCHART insightにおける理想的なまでの右肩上がりを見れば一目瞭然。おそらくメディアも無視出来なくなっているはずで、現に昨日の『めざましテレビ』(フジテレビ 月-金曜5時25分)で特集が組まれました。これを機にさらなる上昇が予想されますし、YOASOBIはこの点についてもきちんとフォローアップしています。

誘導も徹底。こういうところが強みなのだと実感するのです。

 

Mrs. GREEN APPLE、Novelbright、ちゃんみなさん、そして今日取り上げた方々はストリーミングで常連になりつつありますし現にそうなっている方もいらっしゃいますが、そこに安住せずさらなる高みを目指し、YOASOBIを参考にして自身の素晴らしい音楽をより拡げてほしいと思うのです。

 

 

最後に、今週の米ビルボード、そしてビルボードジャパンのソングスチャートについての解説ポッドキャストをアップしました。最新チャートの解説は毎週木曜午前に更新予定ですので、是非ともよろしくお願いいたします。