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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

最新チャートにおけるデラックスエディション商法やバンドルのカウントの仕方について、米ビルボードの意見を求めたい

最新5月23日付米ビルボードアルバムチャートが発表されました。

カナダのラッパー、ナヴによる『Good Intentions』が首位に輝いたのですが、集計期間初日にあたる8日にリリースされたこの作品は、リリースからわずか3日後にミックステープ『Brown Boy 2』を『Good Intentions』に付随させ、2in1の形で投入しています。

このデラックスエディション策、さらには集計期間最終日に100種類ものグッズとの組み合わせ(バンドル)や3種のフィジカルによる合計18タイプ(レコード、カセットテープおよびCD各6種)も投入したことで、最終的には135000ユニットを叩き出しています。当初米ビルボードではデラックスエディションやバンドルが出る前、『Good Intentions』の初週が8万ユニットと予想していたため、施策が大きな影響を与えたことは明らかです。

施策、たしかに米ビルボードが認めている形ですが、個人的にはこれでいいのかなという思いを抱いています。今年に入ってからリル・ウージー・ヴァートやザ・ウィークエンドがオリジナルアルバムリリース直後にデラックスエディションを投入しチャートを制しているのですが、最初に出たアルバムを所有した者への配慮がない等の点強く懸念してしまうのです。オリジナル版のリリースからデラックスエディション投入までの期間が1週間を切ってしまっていることで、尚の事そう思います。

ビルボードではアルバムチャートにおいて、グッズとのバンドルに関するチャートポリシーを今年に入ってから変更しました(その一方で、チケットバンドルについては変更していません。理由は下記リンク先に記載されています)。

ナヴ等が採ったデラックスエディション施策については触れられていませんが、米ビルボードは柔軟に議論のテーブルを用意する傾向があるゆえ、近いうちに検討の機会を設けることを強く願っています。

 

さて、明日発表の5月23日付米ビルボードソングスチャートでも引っ掛かる点が登場しています。

最悪の場合終身刑の可能性もあったシックスナイン(上記ツイートの関係上、以下テカシと記載)。新型コロナウイルスの影響で現在は塀の外にいる彼が、新曲「Gooba」が米ソングスチャートを制することが出来ないのは米ビルボードの不正操作のせいだと言っているのです。しかしながら、たとえばヒップホップニュースも取り上げるフロントロウがこの件に触れていなかったり(テカシに関するニュース一覧はこちら。彼が服役した理由も解ります)、そしてこの件はあくまで米ビルボードソングスチャートの仕組みゆえではないかと思うゆえ、自分はこの記事への見解を記載しました。

SNSは自身の主張を一方的に流せる場です。それが問題の記事への反論等ならばわかるのですが、一方的に咎めるだけのやり方は看過出来ません。とはいえ米ビルボードへの"不正疑惑"は以前からあるとのことですので(テカシの動画を取り上げた日刊US HIPHOP NEWSによるこちらのツイートを参照)、ならば米ビルボードには先述したアルバムチャートにおけるデラックスエディション施策を議論することと同時に、アルバムおよびソングスチャートにおけるフィジカルの、それも歌手のホームページ経由で買われた分のカウントの仕方を提示する必要があると思います。企業秘密と言われればそれまでですが、テカシもフィジカルバンドルが出来る立場にありまた実際に『Dummy Boy』(2018)でその施策を行っていること(→こちら。ただこちらがテカシ本人と無関係で行われているのかもしれませんが)を踏まえれば歌手側もデータ提供について存じ上げている可能性もあるゆえ、ならば一般に向けても広く知らせて好いと思うのです。

 

ちなみに、テカシ「Gooba」は最新ソングスチャートを制する可能性は低いというのが私見チャート・マニア・ラボの管理人、トコトコさんの分析に納得するゆえ、勝手ながら取り上げさせていただきます。

ビルボードソングスチャートを予想するサイモンさん、そしてトコトコさんが制度が高いと述べるfhasさんは共に「Gooba」が2位と予想、首位はアリアナ・グランデジャスティン・ビーバー「Stuck With U」としています。

結果は日本時間の明日朝に判明、ブログでも取り上げます。

 

なお、ラジオエアプレイが低くとも首位を制した例としては、直近で5月9日付でトラヴィス・スコット&キッド・カディによるユニット、ザ・スコッツによる「The Scotts」が挙げられます、ラジオエアプレイ50位未満ながら初登場で1位となりましたが、翌週は12位に急落。フィジカルバンドルの反動やストリーミングの降下をラジオエアプレイの上昇分が補填しきれなかったためであり、仮に「Gooba」が首位に立ったとしてもその翌週の動向も把握し、中長期的にヒットしているか否かを判断する必要があるものと考えます。