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チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

King Gnu『CEREMONY』はなぜロングヒットしているか、ビルボードジャパンアルバムチャートから紐解いてみる

明後日5日金曜にビルボードジャパンが今年度上半期チャートを発表します。アルバムチャートにおいてはKing Gnu『CEREMONY』が上位に進出することは間違いないことから、以前記載した(そして今日付で修正した)Official髭男dism『Traveler』の総合および3指標の順位や数値を記載した表に倣い、『CEREMONY』についても取り上げてみます。『Traveler』については下記に。

 

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5月18日付ビルボードジャパンアルバムチャートの上昇は、コロナ禍の影響で実店舗の多くが営業を自粛し且つ大型連休期間でリリース自体が少なかったため。総合チャートでは最新6月1日付で初めてトップ10落ちとなりましたが、ルックアップは常時3位以内。登場3週目の集計期間6日目以降にレンタルが解禁されルックアップが上昇しますが、それまでの間も上位をキープし、特に初登場週に全指標を制覇したことはその勢いの凄まじさを表しています。

 

『CEREMONY』はOfficial髭男dism『Traveler』に比べてCDとダウンロードのセールス比率が異なります。CDに封入された全国ツアーチケット先行申し込みシリアルナンバーを使って応募出来る期間が集計期間の初週いっぱいとなっていたことが、初登場週のCDセールスがぐんと伸びた理由と言えます。

初週売上がCDとダウンロードの合計で27万を突破したのは、昨年『NHK紅白歌合戦』で披露された「白日」の反響が活きたものと考えられます。「白日」は紅白放送日を集計期間に含む1月13日付でビルボードジャパンソングスチャート初の2位に達し、且つ1万ポイントを突破。この動きはあいみょんさんが2018年の紅白で「マリーゴールド」を披露し翌年初めてトップ3入り、2月リリースの『瞬間的シックスセンス』が大ヒットした状況に似ています。紅白は歌手にとって絶好プロモーションの場となるわけです。

『CEREMONY』は初登場から7週連続でCDセールスが1万枚を突破。その理由はメディアへの露出が多かったことだと言えるでしょう。アルバムリリースの直前に「Teenager Forever」を、後にシングルカット的な立ち位置で「どろん」のミュージックビデオを公開し、テレビ番組でもパフォーマンスしたことで話題に。さらには「どろん」が映画『スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼』の主題歌となり、公開の2日後には『情熱大陸』(毎日放送 / TBS 日曜23時)でKing Gnuが取り上げられたことも相俟って、売上推移が高いレベルで持続したことが解ります。

 

King Gnuはアルバムリリース以降、新曲をリリースしていないため『CEREMONY』の売上は全体的には緩やかに下っています。しかしサブスクでヒットを続け、またルックアップも好調なことから接触指標群は安定しており、メディア露出や新曲リリースのタイミングで再浮上することは十分に予想されます(これに長け、ロングヒットとなったのがOfficial髭男dism『Traveler』ではないでしょうか)。彼らの次の一手に期待しつつ、それまで『CEREMONY』の世界観に浸り続けようと思います。