イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

YOASOBIが3連覇を果たした6月15日付ビルボードジャパンソングスチャート、DISH//「猫」の合算、および『ミュージックステーション』の改善を願う

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を、ソングスチャート中心に紹介します。

 

6月1~7 日を集計期間とする6月15日付ビルボードジャパンソングスチャート。YOASOBI「夜に駆ける」が3週連続で首位を獲得しました。

とりわけ、ストリーミングおよび動画再生といった接触指標群で強さを発揮。

総合ポイントの前週比は107.1%。前週の伸びが1%未満であったことを踏まえれば踊り場を抜けた印象があります。昨日はSpotifyでの伸びを紹介しましたが、この伸びもビルボードジャパンソングスチャートにしっかり反映されています。

 

さて今週は、DISH//「猫」の2バージョンが共に上昇しました。

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上記は初のトップ20入りを果たした”THE FIRST TAKE”バージョン。そして3年前リリースのオリジナルバージョンも最高位を更新しました。

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これは間違いなく、6月5日放送の『ミュージックステーション』(テレビ朝日 金曜21時 以下『Mステ』)に北村匠海さんが出演し「猫 ~THE FIRST TAKE ver.~」を披露した効果と言えるでしょう。そして注目すべき、且つ気になるのはTwitter指標。”THE FIRST TAKE”バージョンが32位に対し、オリジナルバージョンは13位に登場、総合順位と逆転しています。これはおそらく『Mステ』を観て”THE FIRST TAKE”バージョンの意味で(別バージョンの記載を省いた)「猫」とつぶやいた方が多かっただろうことが原因と考えます。これまでも弊ブログでは、米に倣ってオリジナルバージョンと他のバージョンは合算すべきではないかと提言してきましたが、今回のTwitter指標の逆転現象が自分の仮説の通りだとすれば、受け手が2つのバージョンを一緒くたにしているものと思われるため、合算は尚更必須ではないかと強く思った次第。これまで合算すべきと考える理由は下記ブログエントリーでも記載しましたが、今回のTwitterの件を加えて今一度、ビルボードジャパンに提案したいと思います。

合算されないために「猫」の勢いが可視化されにくい状況は、歌手側にとって、また勢いの元となった番組の力が伝わりにくいという意味でも、すごく勿体ないと思うのです。

 

さて、『Mステ』に北村匠海さんが出演し、さらに所属グループであるDISH//の名がきちんと表記されたことに安堵しています。出演前にこのようなブログエントリーを記載していたゆえ尚の事です。

出演後、ヒャダインさんがこのようなツイートをしていたのが印象的でした。

このツイートは今のDISH//の環境(の問題)と希望とを巧みに示したものと受け止めています。個人的には、4年前『Mステ』に遂に初出演を果たした三浦大知さんがその出演から程なく、RHYMESTER主宰の音楽フェス”人間交差点”に出演した際に宇多丸さんが放った一言を思い出しました。

『Mステ』を注視すべきだとするブログエントリーには多数のアクセスをいただいた一方、『Mステ』と強い結びつきを持つジャニーズ事務所の所属歌手のファンの方から反論をいただきました。以前ツイートしたのですが、その内容をこちらにも掲載します。

(※上記ツイートは記載日における最新のビルボードジャパンソングスチャート(6月1日付)、もしくは記載日における再生回数を掲載しています。)

 

5日放送の『Mステ』はビルボードジャパンでヒット中の”愛される動画”発の曲を紹介しており、社会的ヒット曲を追いかけるという姿勢が見て取れました。”愛される動画”発のヒットについては下記ブログエントリー等をご参照ください。

『Mステ』は今後制作体制が通常モードにシフトしていき、また今週以降ジャニーズ事務所所属歌手が連続でシングルCDをリリースするため同事務所所属歌手が相次いで出演することになるでしょう。その中にあっても、社会的ヒット曲を追いかける姿勢を続けていくことを願いますし、ジャニーズ事務所のライバルたる方々が社会的ヒット曲を生んだ際はきちんと紹介することを強く願います。

また、”愛される動画”発のヒットにはダウンロード解禁は勿論のこと、ミュージックビデオのフルバージョンの解禁、サブスクの解禁は欠かせないわけで、ジャニーズ事務所所属歌手がこのようなヒットを勝ち得るにはデジタル解禁が大前提であると考えます。本来、彼らのファンの方々にとって重要なのは、デジタル解禁を事務所側に求めていくことではないでしょうか。