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旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

次週カラオケ指標が集計再開されるビルボードジャパンソングスチャート、ポイントが上昇傾向にある理由が明確だった

ビルボードジャパンソングスチャート、次週遂にカラオケ指標の集計が再開されます。

コロナ禍でカラオケの利用者が大幅に減少したことを踏まえ、4月20日付から11週間集計が取り止めとなっていたカラオケ指標。新型コロナウイルスは未だ収束していないためカラオケの利用率はコロナ禍以前には戻ってはいないでしょうが、しかしこれでソングスチャートがさらに面白くなりそうです。集計取り止め直前の4月13日付でカラオケ指標トップ10入りした曲の翌週のポイント前週比がおおむね1割以上ダウンしたことから、次週カラオケ指標上位曲は1割近くポイントが上昇するものと考えられます。集計取り止めの間に社会的ヒットとなった曲のカラオケ順位、そして総合ポイントの推移が気になるのですが、YOASOBI「夜に駆ける」がDAMJOYSOUNDの双方で解禁されている一方、瑛人「香水」やyama「春を告げる」は検索しても見つかりません。これでは「香水」「春を告げる」のポイントアップは期待出来ず、またカラオケサービスが流行を追えていないとしてユーザーからの反発を招くかもしれません。尤もこの懸念は以前提示したもので、早期の解決を強く望むばかりです。

 

カラオケ指標の集計再開は他指標に影響を及ぼすことはおそらくありません。バッティングする指標がないため純粋に加点され、ポイントも全体的に底上げされます。

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上記は2018年度以降のビルボードジャパンソングスチャート、50位の総合ポイント推移をグラフ化したもの。カラオケ指標集計取り止め初週となった4月20日付の50位のポイントは前週比7%ダウンしていますが、その後は上昇基調となっています。これでカラオケ指標が再開となれば、50位のポイントは確実にアップすることでしょう。

 

カラオケ指標は2019年度初週から導入されていますが、上記グラフで50位のポイント推移をみると緩やかな上昇が見て取れます。この理由は、サブスク再生回数を基とするストリーミングにあることは明らかです。

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2019年度以降のビルボードジャパン、ストリーミングソングスチャート1位および10位の再生回数推移がこちら。最新6月29日付のストリーミングソングスチャートでは首位のYOASOBI「夜に駆ける」が史上2位となる9686766回再生を記録。またTWICE「MORE & MORE」は3613902回再生され、10位曲の再生回数の最高を更新しています。

およそ1年前の1位の再生回数が300万台だったことを踏まえれば、サブスクの成長(日本での浸透)がポイントの底上げに寄与していることは間違いありません。昨年度末にSpotifyの再生回数も導入されたことで、影響力は尚の事高まっています。

 

他方、コロナ禍の影響でリリース延期が相次いだこともありますが、シングルCDセールスおよびダウンロードは緩やかな減少傾向となっています。2020年度の推移をまとめてみました。

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動画再生指標上位曲の数値は記事等で明示されませんが、これらのグラフを踏まえれば、総合ポイントに占める接触指標群の割合もさることながらその重要度も高くなっているものと考えてよいでしょう。

 

接触指標群に長けた曲にカラオケ指標が加われば勢いがさらに加速するはず。特に今週初の1万4千点台に突入したYOASOBI「夜に駆ける」は最新のDAMおよびJOYSOUNDの週間チャートで共にトップ5入りしていることから、総合ポイントの推移に注目していきたいと思います。