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「Rockstar」が首位返り咲き、新鋭が好調なチャートアクションをみせる7月4日付米ビルボードソングスチャート…一方で「Trollz」の急落をどう捉えるか

ビルボードのソングスチャートをチェック。現地時間の6月29日月曜に発表された7月4日付最新ソングスチャート、ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」が返り咲き、通算3週目の首位を獲得しました。

ストリーミングは前週比5%ダウンの3790万で同指標6週目の首位、ダウンロードは同7%ダウンの12000(同指標2位)、ラジオエアプレイは同27%アップの3970万(同指標12位)を記録。上記ミュージックビデオが26日金曜に公開されたこと、さらに28日日曜に開催されたBETアワードでもセンセーショナルなパフォーマンスを行ったことで、次週はストリーミングを中心にさらなる伸びを示すかもしれません。下記パフォーマンス動画のサムネイルをみると、彼らが何を訴えているかがよく解ります。

"Black Lives Matter"にちなんだ動きでは、ビヨンセ「Black Parade」が37位に初登場。これでビヨンセにとって通算40曲目となるトップ40入り達成です。ダウンロードは18000を獲得し、この指標を制しています。

なお、ラジオエアプレイのトップはザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(総合3位)で前週比3%アップの7680万を獲得。同指標12週目の首位となっています。

 

新鋭の伸びが目立つチャートとなった今週。TikTok人気を受けてトップ10入りしたセイント・ジョン「Roses」は4ランクアップし4位へ。ストリーミングおよびダウンロードは共に前週比3%ダウンするものの、ラジオエアプレイは同19%アップの4190万を獲得し同指標11位に。

8位および9位は共に初のトップ10入り。しかも、ミュージックビデオのサムネイルにあるレモネードのパックで解るように、ヒップホップのプラットフォームであるリリカル・レモネードが制作。ジュース・ワールド「Lucid Dreams」(2018 2位)のミュージックビデオで一躍時の人となったコール・ベネットが手掛けている作品群です。

ジャック・ハーロウ「Whats Poppin」が10ランクアップし8位へ。ストリーミングは前週比21%アップの1980万(同指標5位)、ダウンロードは同92%アップの5000(同指標23位)、ラジオエアプレイは同23%アップの2600万(同指標29位)と全指標が2桁成長を達成。これは6月24日水曜にこの曲のリミックスが登場したことによるもので、リミックスにはダベイビー、トリー・レーンズそしてリル・ウェインが参加。ストリーミングおよびダウンロードの集計期間後半2日分(ラジオエアプレイの同5日分)にリミックスも加算されたことが、大きな伸びに繋がっています。

 

9位にはリル・モジー「Blueberry Faygo」が前週から2ランクアップ。ストリーミングは前週比1%ダウンの1760万(同指標11位)、ダウンロードは同6%アップの3000(同指標50位未満)、ラジオエアプレイは同14%アップの3650万(同指標13位)とこちらも好調。「Blueberry Faygo」では1990年に最高10位を記録したジョニー・ギル「My, My, My」がサンプリングされています。「My, My, My」は公式ビデオがないため、ライブ映像でチェックしてみてください。

 

新鋭が活躍する一方、もはや中堅の域に入ったといえるポスト・マローンは「Circles」が10位にカムバックを果たし、史上最長となるトップ10入り週数を39週に伸ばしています。

 

最新のトップ10はこちら。

 
 
 
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#Hot100 (chart dated July 4, 2020)

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[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (2位) ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」

2位 (4位) ミーガン・ジー・スタリオン feat. ビヨンセ「Savage」

3位 (5位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

4位 (8位) セイント・ジョン「Roses」 

5位 (7位) ジャスティン・ビーバー feat. クエイヴォ「Intentions」

6位 (6位) ドージャ・キャット「Say So」

7位 (3位) リル・ベイビー「The Bigger Picture」

8位 (18位) ジャック・ハーロウ「Whats Poppin」

9位 (11位) リル・モジー「Blueberry Faygo」

10位 (13位) ポスト・マローン「Circles」

 

さて、前週初登場で首位を獲得していたシックスナイン & ニッキー・ミナージュ「Trollz」は今週、34位に急落しています。前週初登場で首位を獲得した際のブログエントリーにおける表題に回答するならば、真の社会的ヒットとは言えないというのが厳しくも私見です。

前週も触れましたが、YouTubeをブログにきちんと貼り付けることが出来ない、且つYouTubeでしか観られない仕組みにも違和感を覚えています。「Trollz」がストリーミングのうちサブスクでは順位が高くなく、YouTubeが強すぎるというバランスにも疑問を抱くのは自分だけではないでしょう。

「Trollz」はストリーミングが前週比62%ダウンの1380万(同指標18位)、ダウンロードが同92%ダウンの9000(同指標7位)、ラジオエアプレイは同97%アップするも230万(同指標50位未満)。ダウンロードの急落は前週のフィジカル施策の反動と言えますが、前週3位に初登場したリル・ベイビー「The Bigger Picture」が7位にとどまったのとは対象的な動きです。

首位獲得曲の大幅ダウンといえば、昨年12月21日付でザ・ウィークエンド「Heartless」が17位に急落し記録を更新したばかりでした。こちらもフィジカル施策の反動が表れた形です。

その「Heartless」と入れ替わる形で首位を獲得したマライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You (邦題:恋人たちのクリスマス)」は3週間その座に就いた後、1月11日付で急落、しかも100位圏外へと消えてしまいました。実際、首位獲得曲における大幅ダウンの記録保持曲はこちらになります。

しかしながらこれはやむを得ないこと。同週はクリスマスが過ぎたことでチャートからクリスマスソングが一掃されているのです。マライア・キャリーはこの記録に対してこんなコメントを残しています。

「Trollz」は、首位獲得曲の大幅ダウン記録では史上2位となったわけですが、マライア・キャリー「All I Want For Christmas Is You」とはその意味合いが異なるのです。このような記録を達成し、今後ラジオエアプレイが上昇するなどして再浮上するということがないならば、果たして「Trollz」は社会的ヒット曲と言えるでしょうか。1位を目標にすることは理解出来ても、そのために超短期的な戦略を施し、且つ目立つため等を目的として平然と他者非難を行うこと(それも米ビルボードが不正を行ったという糾弾すら辞さない)を是とするシックスナインのやり方には閉口するというのが率直な私見です。

ビルボードには、フィジカル施策に特化しチャートを急上昇しながらその効果が切れると急落する曲が今後乱発されないよう、チャートポリシーの見直しを行って欲しい、少なくとも議論して欲しいと強く願います。