face it

チャート愛好家。ビルボードジャパンや米ビルボードのソングスチャートなどを紹介します。

はじめに

(2020年9月8日更新)

ブログ【face it】担当のKeiです。チャート愛好家として、ビルボードジャパン最新チャートを様々な視点から分析し、記載しています。

お問い合わせやご意見、ご依頼などがございましたら、faceknk @ gmail.com宛にお願いいたします。もしくは、はてなユーザーの方は各エントリーにコメント出来ますので、よろしくお願いします。

 

外部メディアへの寄稿、および以前出演していたラジオ番組にて担当した音楽特集について一覧化しました。

 

2020年4月からは米ビルボード、およびビルボードジャパンのソングスチャートを紹介するポッドキャストBillboard Top Hits】も配信しています。

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LiSA「炎」が完勝、3万を超えるポイントは誇るべき内容…10月26日付ビルボードジャパンソングスチャートを掘り下げる

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を紹介します。

10月12~18日を集計期間とする10月26日付ビルボードジャパンソングスチャート(Hot 100)、前週からこのブログで予想した通りLiSA「炎」がトップに立ちました。そしてそのポイント数に注目です。

アルバム『LEO-NiNE』もチャートを制し、ビルボードジャパンでは史上初のソングス/アルバムチャート同時制覇を成し遂げたLiSAさん。さらに、ソングスチャートはほぼ完勝といえる結果となっています。

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カラオケ指標を除く7指標が全て3位以内、うち4指標を制覇という状況です。

 

所有指標はシングルCDセールスが65000枚(うち水曜までのセールスは37077枚)、ダウンロードが144446DL(うち水曜までのセールスは57505DL)。双方共に週後半の4日間で売上が失速することなく、金曜に主題歌となった映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が公開されその鑑賞後に購入行動を起こす方が多かったと想像できます。とりわけ、よりカジュアルに購入できるダウンロードのほうが週後半の伸び率が高くなっており、今回のダウンロードセールスは2020年度においては米津玄師「感電」(7月20日付 158572DL)に次ぐ二番目の高さとなりました。

接触指標群のうち、ユーザーが自ら選択できないという意味で受動的接触といえるラジオエアプレイにおいても首位発進。ビルボードジャパンのラジオエアプレイ指標はオンエア回数に調査対象局のエリア別の人口や聴取率を加味して出されるものですが、データを提供するプランテックが発表した同期間内の純粋なオンエア回数でもLiSA「炎」がトップを獲得。しかも今週2位のaiko「ハニーメモリー」が『先週1位からのダウンながら、オンエア数もリクエスト数も先週から大きく増加』していることを踏まえれば、今回の「炎」が如何に大量のOA数を稼いでいるかが理解できます。『』内は下記記事より。

そして能動的な接触といえるサブスクの再生回数に基づくストリーミングは、NiziU「Make you happy」に次ぐ『チャートイン1週目の週間再生としては歴代2位となる8,989,155回再生を記録』。NiziUがリリースタイミングでLINE MUSIC再生回数に関するキャンペーンを実施していた(一方でLiSA「炎」ではキャンペーンが見当たらない)ことを踏まえれば(Pre-Debut Digital Mini Album 『Make you happy』の配信を記念して、各配信ストアでのキャンペーン実施が決定!! | NiziU | ソニーミュージックオフィシャルサイト(6月29日付)参照)、仮に「炎」がLINE MUSICキャンペーンを実施していればチャート初登場時の週間再生回数記録を樹立できたかもしれません。

ルックアップについては、アルバム同様のレンタル解禁日を設けたことでレンタルCDに伴う分が加算されず同指標2位となりましたが、仮に発売と同日解禁にしていれば…という思いがあります(そしてレンタル同日解禁に至ったとして、CDセールスが著しく下がるとは思えないとも考えています)。

 

「炎」については無論、映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の影響はありますが、観た方の感動や熱意を受け止める場所を所有指標にも接触指標にも十分用意したことでより大きなポイントに繋げることができたと言えるでしょう。施策の徹底、そのタイミングの巧さは以前記しています。

またミュージックビデオをフルバージョンにて解禁したことが動画再生指標3位に至った要因と言えます。フルバージョンの重要性については、ショートバージョンで公開した「紅蓮華」が動画再生指標最高8位にとどまっていることも含めこちらも紹介済です。

昨年の『NHK紅白歌合戦』の出演効果が動画再生指標の伸びに活きなかった「紅蓮華」の反省を踏まえてでしょう、「炎」ではフルバージョンでのミュージックビデオ解禁にこだわったものと考えます。そしてCDレンタルを除く全てを同週解禁に至らせたことで大きなうねりを作ることに成功し、「紅蓮華」で成し遂げられなかった首位、そして同作が超えられなかった1万ポイントを大きく上回る30997ポイントでの首位獲得を「炎」が成し遂げています。

 

 

さて、「炎」のチャート推移をみると面白いことが解ります。

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CHART insightのチャート構成比をみると、シングルCDセールスは2割にも満たないのです。これが如何に凄いかを以下の表で紹介します。

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(ビルボードジャパンでは一定数のCDセールスを上回った場合にシングルCDセールス指標に係数を用います。その売上枚数は明言されていませんが、複数の予想担当者においてその基準は30万枚ではないかとの見方があるため、そちらを踏まえ週間売上枚数が30万を超える作品を黄色にて表示しています。なお、この係数使用開始以降、ビルボードジャパンソングスチャートが一気に社会的なヒットの鑑となったものと個人的には捉えています。)

この表をみると、獲得ポイントが3万を超える作品は今年度においてシングルCDセールスが30万枚を超える作品ばかり。逆に30万枚を超えても3万ポイントに満たない作品も少なくありません。その中にあって、CDセールスが30万どころかその2割強でしかない「炎」が3万を超えるポイントを獲得したのはまさに、とりわけダウンロードが強いながらも各指標をまんべんなく稼いだ結果と言えます。

 

また、今年度にシングルCDが10万枚を超え総合チャートを制した曲で翌週のポイントが前週比2割を超えた曲はわずかに2作品。最も高いTWICE「Fanfare」でも3割台であり、K-Popアクトの日本オリジナル曲における高い所有指標の反動と言えます。また今年度通算16週もの首位を獲得しているジャニーズ事務所所属歌手の作品は嵐「カイト」を除きシングルCD加算2週目のポイント前週比が2割を下回っていますが、これらはすべてデジタル環境が完璧ではありません(一部歌手はレコチョク等一部のデジタルプラットフォームでダウンロードをフルバージョンにて解禁。またYouTubeにてショートバージョンながらミュージックビデオを解禁する曲も増えてきました。一方、年内限定ながらダウンロードとサブスクを解禁済の「smile」はミュージックビデオが未公開となっています)。逆に、所有に頼らないヒットの図式を築くことがシングルCDセールス加算2週目におけるポイント低下を招きにくくロングヒットにつながることはOfficial髭男dism「I LOVE...」で明らか。LiSA「炎」が、たとえばSpotifyで今週に入ってからも連日再生回数を伸ばしていることを踏まえるとその立ち位置は「Fanfare」等より「I LOVE...」に近いと言え、ゆえに昨日のブログエントリーで述べたように次週のソングスチャート連覇が十分考えられるのです。

 

 

LiSA「炎」は、ほぼ全て同週解禁と周知の徹底により各指標をまんべんなく獲得し、そのポイント数が3万を超える大ヒットとなりました。無論タイアップ先の大ヒットゆえとも言えますが、この曲から日本の音楽業界は解禁スケジュール策定や(そもそも未解禁作品における)デジタル解禁の重要性を学べるのではないかと強く思います。

そしてLiSAさんサイドはこの記録的な内容について、もっと訴求してほしいと願います。これは強く誇るべき記録なのです。

LiSA「炎」は世界のチャートトップ10に入る可能性も? 次週の動向を注視せよ

今日発表されるビルボードジャパンソングスチャートではLiSA「炎」の首位獲得は確実…そのことはこの1週間強で幾度となく記載していますが、注目すべきはその翌週以降の数値でもあるのです。そう考える理由を、ふたつのチャートを用いて紹介します。

 

 

まずはサブスク再生回数の動向。LINE MUSICに比べてチャートの駆け上がりが遅いSpotifyで、「炎」は急上昇を続けています。

この日本におけるSpotifyのデイリー再生回数、通常は平日より土曜、土曜より日曜の再生回数が多く、週末の金曜は他の平日より下がるというのが一般的な流れですが、LiSA「炎」は金曜以降大きな伸びを示しています。

さらに10月19日月曜は前日から3万以上伸ばし、同曲初の26万台に突入。

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赤い折れ線で示したのがLiSA「炎」ですが、この急上昇はとんでもないことです。いや、濃い青で示した米津玄師「感電」こそより急勾配で上昇しているのですが、こちらは曲の発表直後ではなくアルバム『STRAY SHEEP』リリースタイミングでの解禁(Spotifyの日付の区切りの関係上、前日にもランクイン)であり、かなり認知度が高い状態で解禁したため。「炎」はその「感電」並のペースで上昇していると考えれば、その勢いの凄まじさが解るはずです。

 

 

そしてさらなる注目は、米ビルボードが先月新設したグローバルチャート、最新10月24日付における高位置での初登場。

2種類のグローバルチャートについての特徴は以下に。

このチャートにおいては以前、嵐「Whenever You Call」がGlobal 200で51位、Global Excl. U.S.では17位に初登場しており、LiSA「炎」は「Whenever You Call」に次ぐ順位となっています(Global 200においてはYOASOBI「夜に駆ける」の最高位に並んでいます)。「Whenever You Call」は翌週、両チャートにおいて少なくとも100位以内からは姿を消しましたが、一方の「炎」はさらなる上昇が予想できるのです。

その理由は、このチャートが木曜までのデータに伴うため。次週(日本時間の10月27日に発表される10月31日付)の集計期間は日本における映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の公開日が初日となるのですが、映画は公開日からの3日間で興行収入が46億円を突破する大ヒットを記録しています。

この盛り上がりはSpotifyデイリー再生回数の大幅な伸びに大きく反映され、月曜はこの記録がアナウンスされたことで尚の事再生回数が伸びたものと思われます。昨日昼には「炎」のミュージックビデオが1000万回再生を突破。映画熱はこれら接触指標群のみならず、所有指標(特にダウンロード)にも反映されていくことでしょう。

 

LiSA「炎」の急激な伸びは、社会現象化した『鬼滅の刃』の影響によるものもあれど、LiSAさんサイドがこの「炎」およびアルバム『LEO-NiNE』リリース週に様々な訴求を行ったことが間違いなく反映されているはずです。

映画のヒットのみならず作品の訴求を徹底させたことが、米ビルボードグローバルチャートにおける次週のさらなる上昇につながるというのが私見。とはいえ、Global Excl. U.S.でトップ10を狙えるのではという考えは早計かもしれません。「炎」はほぼ日本のみでヒットしており、「炎」のみならず日本人歌手の曲が世界中でヒットする曲と対峙するのは厳しい状況です。しかし、10月24日付Global Excl. U.S.で首位を獲得したBTS「Dynamite」はストリーミングが6230万そしてダウンロードが12000であり、日本では未だ諸外国よりダウンロードが高いことを踏まえれば、ストリーミングの高くなさをダウンロードが補う形で次週のさらなる上昇が見込まれるものと考えます。

 

今日発表される最新10月26日付ビルボードジャパンソングスチャートでは首位登場が予想されますがそのポイント数が非常に気になります。さらにはサブスク(の中でも数値が可視化されているSpotify)の今後の動向、そして世界中の主なデジタルプラットフォームで購入ならびに接触された数に基づくグローバルチャートでの次週のチャートアクションが楽しみです。そしてそれら動向を踏まえれば、次週11月2日付ビルボードジャパンソングスチャートでの連覇もあり得るのではないでしょうか。

 

 

最後に。

ビルボードジャパンのフィジカルセールスチャートが月曜発表され、シングル/アルバムの双方をLiSAさんが制したとアナウンスがありました。

しかし、このフィジカルセールスに対するリアクションは、翌日発表されたオリコンランキングに対するほうがより目立っているように思います。

ただ、そのリアクションの中に、10万に満たないシングルセールスをもって評価に値しない、CDが売れなくなった的な声が散見されたのはあまりにも悲しいことです(特にこちらのニュースへのリアクションにおいて)。フィジカルのみならずデジタル、所有のみならず接触についても捉える多角的な視野を持ち合わせてほしいと願うと共に、そのようなマイナスイメージを堂々と載せられる方は、たとえば自身が好きな歌手の作品が思うほど売れないと考えればファンを辞めるのか、そもそもフィジカルリリースしていない歌手の作品は評価しないのか等を考えてほしいと強く思います。そして同時に、認知度でオリコンに未だ敵わないかもしれないビルボードジャパンは、複合指標から成る自身のソングスチャートがより社会的なヒットの鑑となっていることを示すべく、訴求を徹底してほしいと強く願うのです。

10月24日付米ビルボードソングスチャート、24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」が初の頂点に

ビルボードソングスチャート、現地時間の10月19日月曜に発表された最新10月24日付ソングスチャート(Hot 100)は24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」が初のナンバーワンに輝きました。

Hot100通算1112曲目の1位、今年17曲目の首位となった「Mood」。24Kゴールデンにとっては昨年11月に「Valentino」が92位に入って以来2曲目のHot100エントリーにして初の首位、イアン・ディオールにとってはHot100自体初エントリーでのナンバーワンとなりました。この曲がヒットの源流は今回もTikTokとのこと。

ストリーミングは前週比2%ダウンの2030万(同指標4位)、ダウンロードは同2%ダウンの7000(同指標6位)、ラジオエアプレイは同16%アップの6290万(同指標6位)。各指標いずれもトップ3には入っていないものの安定した数値を獲得して総合で制した形。特にラジオエアプレイは直近7週のうち6週間もエアプレイゲイナーを獲得しており、同スパンでのエアプレイゲイナー獲得は2017年5-7月にかけてのダディー・ヤンキー & ルイス・フォンシ feat. ジャスティン・ビーバー「Despacito」以来であることから、ラジオでの伸びがヒットの形成において如何に重要かが解ります。

24Kゴールデンはラッパーでもあるのですが、「Mood」はロック&オルタナティブソングスチャートおよびオルタナティブソングスチャートで8週目の首位を獲得。今週は初めてラップソングスチャートも制していますが、ラップとロックの相性の好さは先日のマシン・ガン・ケリーによるアルバム『Tickets To My Downfall』を想起させます。同作品はアルバムチャートを制しており、もしかしたらラッパーのロックアプローチは今後増えていくのかもしれません。

ちなみに”Mood”やその関連語が付いた首位獲得曲はこれが二度目。59年前、1961年6月19日付でパット・ブーン「Moody River」が首位に輝いて以来となります。

 

インターネット・マネー & ガナ feat. ドン・トリヴァー & ナヴ「Lemonade」が前週から2ランクアップし10位に。初のトップ10入りを果たしたこの曲はストリーミングが好調ながら、前週比7%ダウンの2170万となっています。それでも同指標では2ランクアップし2位に。ガナにとってはリル・ベイビーとの「Drip Too Hard」が2年前の10月に4位を獲得して以来のトップ10入り、他の3組にとっては初のトップ10ヒットとなります。

ミュージックビデオのサムネイルにあるパックジュースから解るように、現在のヒップホップを牽引するメディア、リリカルレモネードの起業者であるコール・ベネットがミュージックビデオを手掛けています。コールの作品群はジュース・ワールドに代表されるようにヒットに至っているのが特徴ですが、またもトップ10に送り込んだ形です。また10月頭にロディ・リッチを招いた(一方でガナおよびナヴを省いた)リミックスをリリースしたこともチャート上昇の要因と言えるでしょう。ただし曲全体のポイントにおいてより多くを占めたのがオリジナルバージョンであったため、ロディ・リッチはチャート上ではその名が省かれています。

 

省かれたといえばBTS。ジョーシュ・シックスエイトファイヴ × ジェイソン・デルーロ 「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」はBTSリミックスの加算に伴い、とりわけダウンロード指標が上昇したことで前週初の首位を獲得したものの、今週は5ランクダウンの6位へ。ダウン幅は記事未記載ながら、首位からの陥落はおそらくダウンロードの急落に因るものと思われます。そして今週、BTSリミックスよりもこれまでのバージョンのほうが曲全体のポイントに占める割合が高かったことで、最新チャートではBTSの名が外れています。

またBTSは「Dynamite」が今週3ランクダウンし5位に。ダウンロードが前週比53%ダウンの44000で、同指標は制しているものの他指標がこのダウンを補完できなかったことが総合でのランクダウンにつながっていると言えます。K-Popアクトは所有指標が高い一方で接触指標群が強くないこと、所有指標の陥落を接触指標群が補えない限り総合チャートでの急落を招くことが、今回の2曲からあらためて実感させられます。

 

なお、 9月に米ビルボードが新設した2つのグローバルチャートにおいてはGlobal 200、そしてGlobal 200からアメリカの分を除いたGlobal Excl. U.S.の双方で、10月24日付において「Dynamite」が首位を獲得しています。

グローバルチャートはストリーミングとダウンロードで構成。「Dynamite」は両指標ともにダウンしているものの、両チャート共にダウンロードが10%以上ダウンしているのに対しストリーミングは10%未満で抑えられており、ストリーミングで踏みとどまっていることが解ります。

 

最新のトップ10はこちら。

[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (4位) 24Kゴールデン feat. イアン・ディオール「Mood」

2位 (3位) カーディ・B feat. メーガン・ザ・スタリオン「WAP」

3位 (5位) ドレイク feat. リル・ダーク「Laugh Now Cry Later」

4位 (6位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

5位 (2位) BTS「Dynamite」

6位 (1位) ジョーシュ・シックスエイトファイヴ × ジェイソン・デルーロ「Savage Love (Laxed - Siren Beat)」

7位 (7位) ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」

8位 (8位) ギャビー・バレット feat. チャーリー・プース「I Hope」

9位 (11位) ハリー・スタイルズ「Watermelon Sugar」

10位 (12位) インターネット・マネー & ガナ feat. ドン・トリヴァー & ナヴ「Lemonade」

カーディ・B feat. メーガン・ザ・スタリオン「WAP」(総合2位)は通算4週目となるストリーミング制覇ながら、同指標では前週比8%ダウンの2590万となっており首位の数値としてはかなり低くなっています。

ラジオエアプレイを制したのは総合4位のザ・ウィークエンド「Blinding Lights」。通算31週目となる同指標制覇ですがこちらも前週比2%ダウンの7680万。一方で総合でのトップ5入りは通算29週目となり歴代1位記録を更新。またトップ10入りは35週目となり、最長トップ10入り記録を保持しているポスト・マローン「Circles」にあと4週と迫っています。

LiSA「炎」は首位獲得が確実に…チャートアクション最大化に繋げる施策をまとめる

明後日発表される10月26日付ビルボードジャパンソングスチャートは、LiSA「炎」の首位獲得が確実と言えます。

「炎」は、16日金曜に公開された映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌であり、公開館やスクリーン数の多さ、各映画館の公開スケジュールの凄まじさ、観客の熱狂そして評判の高さが相俟って、興行収入はとんでもないものになると予想されます。

たとえばダウンロードにおいて水曜までの速報値をみると、「炎」は2位のback number「エメラルド」の4倍近い売上を記録し独走状態となっています。

映画の大ヒット、各指標の速報値を踏まえれば「炎」が首位を獲得するのは自然なこと…そう言ってしまうのは簡単です。しかしLiSAさんサイドはここに至るまでにかなりの数の仕掛けを行っているのです。

そこで、10月26日付チャートの集計期間である10月12~18日におけるLiSAさんのスケジュール、メディア露出等について取り上げてみましょう。

・LiSA 「炎」に関する主なスケジュール

10月12日(月曜)

 ・「炎」ダウンロードおよびサブスク解禁

 ・iTunes Storeにてプリオーダーキャンペーン実施

 ・TOKYO FM『Skyrocket Company』、TOKYO FM/JFNSCHOOL OF LOCK!』出演

 ・焚き火映像を公式YouTube映像にてライブ配信

 

10月13日(火曜)

 ・ミュージックビデオ フルバージョンにて公開

 ・「炎」ミュージックビデオ 100万回再生突破

 ・シングルCD「炎」およびアルバムCD『LEO-NiNE』店着(フラゲ日)

 ・『LEO-NiNE』収録曲「cancellation」が『百鬼異聞録~妖怪カードバトル〜』コンセプトソングに決定

 ・LiSA2020ver. × Tカード コラボカード発行受付開始

 ・フジテレビ『めざましテレビ』、テレビ朝日スーパーJチャンネル』出演

 ・J-WAVE『STEP ONE』、NACK5『Nutty Radio Show THE魂』出演

 ・ロッキング・オン レビュー掲載

 ・ダ・ヴィンチニュース インタビュー掲載

 ・DAM CHANNELプレゼントキャンペーン実施

 

10月14日(水曜)

 ・シングル「炎」およびアルバム『LEO-NiNE』デジタル解禁

 ・「炎」ミュージックビデオ 200万回再生突破

 ・『LEO-NiNE』制作クリエイターからのコメント紹介企画開始

 ・TBS『あさチャン!』『Nスタ』出演

 ・ミュージック・ジャパンTVにてミュージックビデオ特集

 ・NHK総合『SONGS』10月24日放送回出演アナウンス

 ・オリコン特集記事公開

 ・オリコン 10月13日デイリーランキングでシングル・アルバム共に首位

 ・Amazon Echoシリーズ・アレクサとのキャンペーン実施 

 

10月15日(木曜)

 ・YouTubeチャンネル ”THE FIRST TAKE” 「炎」パフォーマンス予告

 ・フジテレビ『ノンストップ!』出演

 ・アニメイトタイムズ インタビュー公開

 ・Yahoo!ニュース インタビュー公開

 ・スポーツ報知 インタビュー公開

 ・LINEスタンプ発売

 

10月16日(金曜)

 ・THE FIRST TAKE解禁

 ・「炎」ミュージックビデオ 500万回再生突破

 ・公式YouTubeチャンネル登録者数 130万突破

 ・テレビ朝日ミュージックステーション』、日本テレビバズリズム02』にて「炎」パフォーマンス

 ・自身のラジオ番組 TOKYO FM/JFN『LiSA LOCKS!』放送

 ・フジテレビ『とくダネ!』出演

  ・ファンクラブ会員向けCDジャケット映像公開

 

10月17日(土曜)

 ・映画『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』公開記念舞台挨拶登壇

 ・フジテレビ『MUSIC FAIR』出演

 
 
 
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MUSIC FAIR様にて、私LiSAは劇場版「#鬼滅の刃」無限列車編の主題歌「炎」と、直太朗様と「愛し君へ」をコラボレーションさせていただきました。緊張を胸に待っていると、直太朗さまが「迷いそうになったら武部さんを頼りについていくといいよ。」と優しくお声がけくださって安心してついて行かせてもらいました。かみさま😭 ありがとうございました☻ #MUSICFAIR #お母さんから直太朗様との映像見たよって動画が送られてきたけどずっと一緒に歌ってて勝手に三人デュエット叶えてた

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 ・TBS『CDTVサタデー』出演

 ・FM802『802 Palette』出演

 ・ビルボードジャパン 特集掲載

 ・読売新聞朝刊 特集掲載

 ・「炎」ミュージックビデオ 700万回再生突破

 

10月18日(日曜)

 ・TOKYO FM/JFN『Monthly Artist File-THE VOICE-』出演

 ・『レインボーシックス Japan Championship 2020』大会にてテーマソング「play the world! feat. PABLO」パフォーマンス

主なものだけでもこれだけあるのですが、その他にもレギュラー番組の放送や地方局へのコメント出演、各CDショップでの展開等が行われています。

さらにはこの期間、LiSAさんのInstagramでもおよそ50もの更新が行われています。この期間に限らず同程度の更新数を常に行っているのかもしれませんが、しかし徹底した取組であり「炎」および『LEO-NiNE』のリリース訴求になっていることは間違いありません。

 

メディア露出やSNS徹底もさることながら、注目はミュージックビデオ再生回数が100万、200万、500万…と一定回数を超えたところできちんとアナウンスしていること。歌手側の感謝の意を伝えてファンと喜びを共有するとともに、YouTubeおよび各配信先のリンクを掲載することでライト層の新たな接触に結びつけることができています。このエンゲージメントの確立は今年の代表的なSNSでの取組と言えます。 

 

 

 

作品のリリーススケジュールの巧さについてもあらためて確認しましょう。「炎」については、集計期間初日にダウンロードおよびサブスクにて解禁したことでビルボードジャパンソングスチャートで首位を狙えるものとして、解禁日に取り上げました。

ミュージックビデオについても最良のタイミングで投入するだろうものの「紅蓮華」のように解禁してもショートバージョンではないかという懸念を抱いていたことは上記ブログエントリーで述べた通り。しかし、火曜に公開されたミュージックビデオはフルバージョンであり、CD売上の速報も踏まえれば「炎」の首位獲得は確実だということをこの段階で確信しました。

「炎」ミュージックビデオは、このブログエントリーを執筆している10月19日7時40分の段階で再生回数が870万を突破。ビルボードジャパンソングスチャートの動画再生指標では昨日までに日本で再生された分が加算対象となりますが、大きな数字を獲得することは間違いないでしょう。

さらには「紅蓮華」をより大きなヒットに結びつけた一発録りYouTubeチャンネル”THE FIRST TAKE”でも「炎」が披露されています。同チャンネルはほぼ間違いなくソニーミュージックの運営であると以前記載しましたが、ソニーミュージック側が「炎」の初週の勢いをさらに伸ばすべく、このタイミングで投入したことは確実と言えるでしょう。

この勢いは、サブスクサービスの中でもLINE MUSICやApple Musicより保守的と言えるSpotifyにおいても表れています。

日曜分は本日夜に発表予定ですが、20万台に伸ばしてくる可能性があります。また10月16日金曜は『Mステ』『バズリズム』および”THE FIRST TAKE”効果もあり、前日から4万以上再生回数を伸ばしています。映画の公開のみならず、このような露出量、そのタイミングが確実に影響していると言えるでしょう。

 

 

「炎」においてはCDセールスおよびそのルックアップ、ダウンロード、サブスク再生回数に基づくストリーミング、さらに動画再生といった各指標が十分加点される一方、レンタル解禁がアルバムと同じく10月31日となることから10月26日付ビルボードジャパンソングスチャートにおいてレンタルに伴うルックアップの加点はありません。しかし「炎」はCDセールスと同発のデジタル指標の高さによりビルボードジャパンソングスチャートで首位を獲得し、そのポイント数は同程度のCDセールスを獲得した作品群を遥かに上回ることでしょう。結果発表は明後日午後であり「炎」の首位獲得は断言できないものの、「炎」におけるCDとデジタルの同週解禁策が今後の音楽業界における最善のマニュアルになっていくはず。『鬼滅の刃』という大型タイアップが付いていない曲であったとしても、この施策から学べることは沢山あるのです。

四谷天窓の閉店に寄せて、そしてライブハウスがこれ以上苦境に立たされないために願うことは

コロナ禍により様々な業種、様々な店舗が苦境に立たされています。その中でもこのライブハウスの閉店のお知らせには大きなショックを受けています。

四谷天窓グループの閉店を知ったのは元スタッフの方によるInstagramでした。そしてそのスタッフの方と仲の良い高橋優さんもツイートしています。

 

四谷天窓は、歌うたいではない自分にとっても、今のパーソナリティやアイデンティティを築き上げてくれた場所。今こうして毎日ブログを書いたり音楽に触れ続けるための基礎を作ってくれた場所のひとつと言っても過言ではありません。

 

アコースティックに特化した四谷天窓グループそれぞれのライブハウスは、歌手とスタッフ、歌手と観客そしてスタッフと観客それぞれの距離の近さゆえに親しみやすさや応援の声がより高まっていく印象がありました。スタッフのアドバイス、観客の反応によって磨かれた曲やパフォーマンスは歌手にとって唯一無二の財産になっていくのです。

2020年はコロナ禍の影響によりTikTokYouTube、サブスクの利用者が増えたことで、たとえば瑛人「香水」をはじめとするアコースティックを基調とした曲がヒット。「香水」はビルボードジャパンソングスチャートを制するなどアコースティック曲は尚の事聴き手と寄り添い、動画に用いられバズを起こす可能性が生まれていきました。TuneCore JapanやBIG UP!といった音楽配信流通サービスの登場もバズを起こす、いやそれ以前に歌手の作品を広める役割を果たします。だからこそ四谷天窓のようなライブハウスの存在は、曲の力や歌手の実力を磨く場として今後ますます必要不可欠な存在となっていくはずだと捉えていました。

TikTok等が興隆したのがコロナ禍に因るものであれば、ライブハウスを苦しめるのもまたコロナ禍ではあります。しかし後者において、行政の十分なサポートが得られれば、サポートシステムが解りやすくしっかりしたものならば、そして行政がきちんと心を配る姿勢をみせていたならば、さらなる苦境に陥ることのなかったライブハウスは間違いなく多いはずです。

ライブハウスの状況について加藤氏がアンケート結果をもとに「まだまだ元通りにはなっておらず、通常の3割未満の稼働がほとんど。中にはまったくライブ・営業ができてないところも多く、ガイドラインとして(観客の数を)50%以下でやりましょうということになっており、経済的な再開にはいたってない業種です。はっきり言って、これでは時間の問題で、実際に閉店を選ぶお店もたくさん出てきております。今の状況が続いた場合、5割以上のお店が半年もつかどうかわからない、9割以上が1年もつか自信がないという、非常に悲観的な結果が出ております」と伝えた。

加藤氏による発言は下記動画で確認できます。

コロナ禍で、日本の行政が文化への補償にあまりにも後ろ向きな姿勢がより鮮明になったと感じていますし、クールジャパンとは何ぞという思いも抱かずにはいられません。文化は心を救います。現に救われた者のひとりとして、行政の姿勢の変化を強く願いますし、変わろうとしない者には退出を求めたいとも強く思います。そしてこれ以上の犠牲が生まれないことを願うばかりです。

 

 

自分の四谷天窓での思い出は、稚拙な文章ながら旧ブログに残していますのでよろしければ。今日のエントリーの後半は政治への苦言を主としましたので、旧ブログにてその様子をご確認いただければ幸いです。

四谷天窓グループに心からの感謝の思いを。本当にありがとうございます。

TikTokで人気のReol「第六感」がビルボードジャパンで最高位を更新した要因は

ビルボードジャパンではソングスチャート(Hot 100)、アルバムチャート以外にも様々なチャートが用意されているのですが、昨日発表された2つのチャートでは共にReol「第六感」が取り上げられています。

当週のトップ20デビューは、16位のReol「第六感」、18位のVengaboys「Boom, Boom, Boom, Boom!!」、20位のRedfoo「New Thang」の計3曲。「第六感」は、BOAT RACEのCMソングとして書き下ろされた新曲。ReolがYouTubeのグローバル・キャンペーン“Artist On The Rise”に選出されたことも重なり、自身最大のヒット曲となった。TikTokでは、主にフィンガー・ダンスの投稿が多くみられる。

キンモクセイ」と同じく、全指標前週超えを果たしたReol「第六感」は、当週5位にチャートイン。Reolは、10月10日に放送された『シブヤノオト and more FES.2020』で、東京ゲゲゲイと共に本楽曲を披露。その反響があってか、ダウンロード40位、ストリーミング53位、動画再生数11位を獲得し、前週11位から6ランクアップを果たした。

Reolさんは『シンガーソングライターであり、自身のアーティスト活動全般をセルフ・プロデュースするマルチ・クリエイター』(Reolオフィシャルサイト|プロフィールより)。7月にリリースされたデジタルシングルはHeatseekers Songsチャートで5位に、そして10月19日付ビルボードジャパン総合ソングスチャートで45位にランクイン。デジタル指標群の順位が軒並み上昇し、ダウンロード指標の好調に伴う初登場時の46位を上回りました。

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この「第六感」については以前、LINE MUSICキャンペーン後のチャートアクションを取り上げています。

LINE MUSICキャンペーンといえば"沢山聴いた方が当選もしくはその条件に該当する"再生回数上位対象プレゼントキャンペーンが多く行われていますが、同キャンペーンは実施中こそサブスク再生回数にブーストがかかる一方、終了後は極端に下がるゆえ長期的な効果が得られにくいという欠点がありました。しかし「第六感」はキャンペーン終了後も勢いが持続。BGMキャンペーンの訴求力自体への疑問は否めませんが、特筆すべき動きをみせていることは確かです。

 

最新週の動きにおいて、無論テレビ番組出演効果も上昇の要因に挙げられますが、出演した『シブヤノオト』が最新週の集計期間7日目の放送と考えれば、TikTokのフィンガーダンスの効果がやはり大きいと思われます。

@rrreol999

choreography by 水中めがね∞ ##第六感チャレンジ ##Reol ##第六感 ##Reol6

♬ THE SIXTH SENSE - Reol

Reolさんが8月にTikTokアカウントを開設したタイミングで既に、「第六感」を使ったフィンガーダンスを投稿していたことはのですが、『シブヤノオト』出演後にTikTokに投稿した動画ではダンスの形が変更され、10万を超えるいいねが集まった複数の投稿動画と同じフィンガーダンスとなっています。『シブヤノオト』でも同種のダンスがみられたため、パフォーマンスの振り付けにおいては当初からこのダンスだったのかもしれませんが、この投稿の変化は興味深いところです。

@rrreol999

NHK ##シブヤノオト ##第六感 feat. ##東京ゲゲゲイ ご覧いただきありがとうございました💖 ##Reol

♬ オリジナル楽曲 - Reol れをる

 

実際、「第六感」がCMに用いられていることでテレビ露出量は多く、その浸透も影響しているとは思われます。

Reolさんについては上記以外にも「第六感」の関連動画が数多く公開され、ミュージックビデオにリリックビデオ、そしてライブ映像は今週公開分も含め2本登場しています。興味深いのはリリースビデオで、スマートフォンでの視聴を見越した縦型となっています。

Reolさんについてはリリックビデオではありますが、縦型のミュージックビデオ(英語ではVertical Video)はビリー・アイリッシュ「Bad Guy」をはじめホールジーサム・スミステイラー・スウィフトも用意するなど近年多く制作されています。縦型ビデオは、スマートフォンでの視聴を見越しているのは勿論のこと、チャートを押し上げる施策として通常のミュージックビデオに追加されているのです。

 

その他、以前も紹介しましたがファンとのエンゲージメントの確立を行っているのも特徴。

冒頭で取り上げたふたつの記事へは所属レコード会社がコメントを付けてリツイートしており、ツイート内にはYouTubeのリンク先も用意。またスタッフによるTwitterアカウントではミュージックビデオの1000万再生をファンと共有し、TikTokの記事にもコメントを残しています。Reolさん本人のTwitter発ではないものの、好感が持てることは確かです。

 

 

TikTokを契機としたヒット曲が多いことは今年の特徴であり、アメリカでは43年前に米ビルボードソングスチャートを制したフリートウッド・マック「Dreams」がTikTokによってリバイバルヒットとなっていることは昨日紹介したばかりです。

TikTokスマートフォンで見やすい縦型となっていることで、先述したリリックビデオの需要がさらに喚起されるかもしれません。そうなれば尚の事、TikTokYouTubeへの移行が進むはずですし、何より歌手側がきちんと乗っかっていることが加速に貢献していると言えます。この勢いがたとえば『ミュージックステーション』や『CDTVライブ!ライブ!』への出演につながれば、さらに勢いを増していくことでしょう。