イマオト - 今の音楽を追うブログ -

旧ブログ名:face it。音楽チャートアナライザーとして、ビルボードジャパンや米ビルボードのソングチャートなどを紹介します。

平成を代表する曲が映画化されるタイミングで、中島みゆき「糸」がチャートを上昇するために必要なことを考える

8月21日に公開される映画『糸』。この作品で主演を務める菅田将暉さんによる、石崎ひゅーいさんとタッグを組んだエンディングテーマが17日金曜に解禁されました。

「糸」は中島みゆきさんのカバー曲。オリジナルは1992年のアルバム『EAST ASIA』に収められた後、ドラマ『聖者の行進』(1998 TBS)主題歌に起用されシングル化。Bank Bandが2004年にカバーして以降は様々な歌手に取り上げられ、また多くのタイアップに起用されています。現在では結婚式のBGMやカラオケの定番曲となり、前年度の著作物使用料分配額が多かった上位作品に贈られるJASRAC賞では2016年に3位、そして2017年に1位を記録(その後、2019年および2020年も3位を記録)。昨年、元号が変わる前日に缶コーヒーのCMに起用されたこともあり、「糸」は平成を代表する曲になったといっても過言ではありません。

 

さて、映画公開のタイミングで注目が集まるであろう、中島みゆきさんによる「糸」。ビルボードジャパンがカラオケ指標をソングスチャートに加えて以降、同指標では安定した成績を収めているのですが、ソングスチャートで十分にヒットしているとは言い難いと捉えています。

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ビルボードジャパンソングスチャートのチャート推移(CHART insight)、直近90週分をみると、2019年度からスタートしたカラオケ指標では常時20位以内に入っています(コロナ禍で一時集計取り止めしていた時期を除く)。しかしこのCHART insightで遡ることのできる2014年度以降、「糸」の最高位は2016年6月27日付の44位であり、一度としてトップ40入りを果たしていません。ならば「糸」が再度ヒットに至るにはどの指標の盛り上がりが必要か、考えてみたいと思います。

 

最高位を記録した前後、2015年6月1日~2017年2月13日付のCHART insightをみてみると。

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青の折れ線グラフはストリーミング指標を示します。現在ではサブスクの再生回数が基になっていますが、Apple Music等サブスクサービスの加算開始は2016年12月12日付であり、それまではプチリリにおける歌詞表示回数(を通じてストリーミング数を推定すること)が同指標の基礎となっていました。先程JASRAC賞で2年連続3位以内に入ったことを述べましたが、おそらくは結婚式等で「糸」を使う方が歌詞を確認するという行動が、ストリーミング指標の盛り上がりにつながったものと思われます。しかし現在、ストリーミング指標で「糸」は300位前後を繰り返しており、当該指標を十分獲得するに至っていません。

中島みゆきさんは今年、Amazon Music UnlimitedおよびAmazon Prime Music限定で一部楽曲をサブスクにて解禁しました。

Amazon Music Unlimitedでは現段階で91曲が、Amazon Prime Musicでは12曲が聴取可能。双方に「糸」が含まれていますが、一方でSpotifyApple Musicでは未だ解禁されていません。またビルボードジャパンソングスチャートにおけるストリーミング指標は現段階にて、Amazon Prime Musicはカウント対象外となっています(同サービスがAmazonプライム加入者へのサービス的な位置付けにあることが集計に取り入れにくい理由ではないかと思われます)。Amazon Prime Musicでいくら再生されてもストリーミング指標に反映されないこと、そしてSpotify等での未解禁により、「糸」はストリーミング指標で盛り上がりに至れないものと考えられ、またサブスクサービス限定で解禁という方策は他のサービス加入者からすれば不満の元になってしまうのではと思うのです。ゆえに、早急にサブスクサービス全般に解放することが必要だと考えます。

 

また動画再生の弱さも気掛かりです。2014年度以降、同指標は通算2週のみの加算にとどまり、ランクインした2週とも100位未満(300位圏内)となっています。この原因はオリジナルバージョンのミュージックビデオが作られていないだろうこともありますが、たとえばYouTubeで”中島みゆき 糸”と検索すると、現段階で真っ先に登場するのは歌い手知らずによるカバーなのです。この動画の発信者に公式のマークが付いているのみならず、現段階で8600万を超える再生回数を獲得していることで、動画は歌い手知らずながら信頼を得ているだろうことが解ります。仮にYouTube中島みゆきさん本人による動画がアップされていたならば…と、その著しい機会損失が悔やまれてなりません。

仮にオリジナルバージョンのミュージックビデオが作られていないとしても、現在ではリリックビデオやアニメーション等の公式動画を後から作成して動画再生指標を獲得するという方法があります。アメリカではクリスマスの時期に過去の名曲が上昇するのがこの数年の傾向ですが、サブスクの再生回数が反映されるのみならず、昨年は過去の名曲に新たにミュージックビデオが用意されたことでさらなる上昇につながりました。

これら制作にたとえ着手できなかったとしても、オリジナルバージョンの音源を利用している動画に権利者側から許諾を与え、ユーザー生成コンテンツ(UGC)として半ば公式化させ、カウント対象にするという手段もあります。

 

 

「糸」をモチーフにした映画が公開されれば、また菅田将暉×石崎ひゅーい「糸」が人気となれば、自ずとオリジナルバージョンがカラオケ中心に盛り上がるはずです。他方、そのオリジナルバージョンはポイントが十分に獲得できる環境にありません。他のサブスクサービスへの解禁や動画の用意は中島みゆきさんご本人の意向が最優先となるでしょうが、より多くの方が接触できる環境を用意し接触指標群を充実させることが今のヒットの基礎になっていることはこのブログで幾度となく記載しています。2020年のヒット曲のひとつに「糸」を加えるという意気込みを持って、是非とも中島みゆきさんサイドにはチャート上昇の施策を検討していただきたい…そう強く思っています。

ジャニーズ事務所所属歌手のシングルCD表題曲、チャートの急落度が大きくなっている理由を内外の要因から考える

最近はジャニーズ事務所所属歌手について書く機会が増えています。同事務所をメインにしたブログエントリーはこの1ヶ月で実に6回。彼らの曲には好きなものも多く、たとえばKinKi Kids「KANZAI BOYA」は上半期邦楽ベストのひとつに選んだほど。それゆえもっと広まってほしい、そのためにはデジタル環境の改善が必須ではという思いが、エントリー数に反映されたと考えています。

 

さて、ジャニーズ事務所所属歌手のシングルCD表題曲について、今年度のビルボードジャパンソングスチャートの動向で気になることが。それは、シングルCDセールス加算2週目の総合ポイント前週比が以前より低下していること。これまでは大半の曲が10~20%の間で推移し、中には20%を超えるものもありましたが、今年度は10%未満が増えているのです。

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総合ポイント50位未満はポイント未記載のため、同週50位のポイントを基に推定値を掲載し()内に表記。今年は10曲中3曲、シングルCDセールス加算2週目の総合ポイントが前週比10%未満に。またシングルCDセールス加算2週目に50位を下回るケースも目立っており、今年度は既に3曲となっています。

 

この状況が生まれた理由には内的および外的要因があると言えそうです。外的要因は、全体的なポイントの底上げを指します。

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これまでは50位のみのポイント推移を追いかけていましたが、今回は1位および10位のポイントも併せて掲載。1位のポイントには週により大きな変動がありますが、それ以外は安定して推移。しかしながら10位は最新7月20日付で最高のポイントを記録し、50位についてもカラオケ指標再開後に最高を更新。双方とも上昇しているのです。

このソングスチャート10位および50位におけるポイント底上げの要因は明白です。

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2020年度ビルボードジャパンソングスチャートにおいて、シングルCDセールスは10位と50位、ダウンロードおよびストリーミングは1位と10位の数値を定点観測したグラフが上記。所有を示すシングルCDセールスの50位およびダウンロードの10位は緩やかに下降する一方、接触を示すストリーミング(サブスク再生回数に基づく)は明らかに増加しています。7月13日付では1位および10位共に最高記録を更新しましたが、これはNiziU『Make you happy』収録の4曲全てがトップ10入りしたことが影響しています。

今年に入り目立っているTikTokYouTube発のヒットはまずサブスクに波及する傾向があり、コロナ禍の自粛期間にこの形のヒットが増えています。また海外では、注目度の高いアルバムは解禁直後に収録曲全てがサブスクで上位に登場。たとえばジュース・ワールドの遺作として7月10日にリリースされた『Legends Never Die』は、リリース日に米Spotifyデイリーチャート22位までに20曲がエントリーを果たしています。サブスクのニーズが高まることで、今後『Make you happy』や『Legends Never Die』のような大挙ランクインが日本で定番化するかもしれず、ゆえに他の曲はその波に耐えうる体力が必要となってきます。

しかしながら、ジャニーズ事務所に所属する大半の歌手はデジタル未解禁ゆえ、ストリーミングに動画再生を含めた接触指標を十分に獲得することができません。昨日は今年の作品におけるラジオエアプレイの安定について記載しましたが、初週のCDセールスに合わせてラジオエアプレイやTwitterが盛り上がる分、その反動がより大きくなっているのではと思うのです。その反動、そして接触指標で抑えることができないこと、これが内的要因と言えるでしょう。

 

デジタル環境を解放していないシングルCD表題曲がリリース直後に獲得できる指標はシングルCDセールス、ルックアップ、Twitterそしてラジオエアプレイの4つだというのは昨日も書いた通り。この中で、曲に興味はあれど歌手のファンというわけではないというスタンスのライト層が寄与できる指標があるとすれば、極端に言えばレンタルに伴うルックアップの上昇のみかもしれません。Twitterも可能ですが、今ではファンの熱心なツイート活動もしくは社会的なムーブメント(たとえば米津玄師「感電」がミュージックビデオ解禁日に大きなうねりを起こしたことで、最新7月20日ビルボードジャパンソングスチャートのTwitter指標を制しています)が上位を占めるため、1ツイートの貢献度は以前ほど大きくなくなったものと考えます。

サブスクやYouTubeはライト層でもアクセスしやすく、また1000円を超えるシングルCDよりも250円強の曲単位のほうが気軽に買えることもライト層には嬉しいはず。シングルCDセールスに長けていることは素晴らしいですが、各指標をバランス良く獲得するほうがポイントや順位の急落を抑えロングヒットに至りやすいはずですし、社会への浸透度も高まるものと考えています。

SixTONESのラジオ特番発表から感じる、ジャニーズ事務所所属歌手のシングルCD販売戦略の現状

昨日noteにて、BTSを取り上げました。

海外のiTunes Storeでも日本オリジナル曲は好調ですが、K-Popアクトは韓国語曲に比べて日本オリジナル曲ではJ-Popライクなメロディや尺の長さの点に特徴があり、日本オリジナル曲への海外の反応が気になるところです。

 

海外といえば、今週シングルCDをリリースした山下智久さん。配信ドラマ『THE HEAD』のエンディングに起用された「Nights Cold」は世界で配信された模様で、海外在住の方が所有もしくは接触できた旨をTwitter等に投稿しています。しかし日本ではiTunes Storeでダウンロードしたり、Spotifyで触れることはできません。

今週公開されたリリックビデオは短尺版。『日本語のオリジナルのほか、中国語(繁体字簡体字)、インドネシア語タイ語、韓国語、スペイン語、英語の6言語バージョンが制作され、それぞれを母国語とする国限定で公開』(音楽ナタリーより)とのことなので、諸外国ではフルバージョンで公開されているかもしれません。リリックビデオは先日リリースされた嵐「Face Down : Reborn」(→YouTube)でも登場しましたがこちらはフルバージョンでした。

一方で。

この『レコチョクではフルでダウンロードが可能』という状況、前作「CHANGE」でも同様でした。

今作「Nights Cold」は仮にダウンロードが躍進しても、次週のビルボードジャパンソングスチャートにおいてYOASOBI「夜に駆ける」や瑛人「香水」等のポイントを上回るかは微妙と言えそうです。これが仮に、ダウンロードがiTunes Store等でも可能だったならば状況は変わったかもしれません。それでも実施に至らずデジタル環境がさほど変わらない状況(リリックビデオが公開されたものの短尺であることも含む)は、個人的には至極勿体ないと感じています。

 

さて昨日飛び込んできた下記のニュースに、山下智久さんの件も、ここ最近自分が疑問を抱いていた件も解明できたように思う自分がいます。そのニュースとは、SixTONESスペシャル番組がJ-WAVEでOAされること。

OA日は祝日である23日木曜。前日にはセカンドシングル「NAVIGATOR」がリリースされ、新曲のタイトルが番組名(『J-WAVE SPECIAL MUSIC NAVIGATOR』)にも含まれています。J-WAVEではDJをナビゲーターと呼んでいるのですが、この特番タイトルはJ-WAVEナビゲーター集合番組と誤解されてもおかしくないと思うのは自分だけでしょうか。

この特番の存在を知り、自分の中で疑問が晴れたと感じています。ひとつは6月以降のジャニーズ事務所所属歌手のビルボードジャパンソングスチャートにおける、ラジオエアプレイ指標の好調さ。シングルCDセールス加算初週におけるラジオエアプレイ指標の順位はKing & Prince「Mazy Night」が19位、KinKi Kids「KANZAI BOYA」が22位、ジャニーズWEST「証拠」が21位、Hey! Say! JUMP「Last Mermaid...」は19位。Hey! Say! JUMP以外は前作もラジオエアプレイは好調でしたが、一方で関ジャニ∞「友よ」が37位、Kis-My-Ft2「Edge of Days」が83位、Sexy Zone麒麟の子」が85位等、昨年終盤にリリースした作品はラジオエアプレイが好調とは言えず、今年に入ってこのラジオエアプレイが好調に推移し出したと捉えています。これらは下記CHART insightで確認可能です。

ビルボードジャパンソングスチャートのラジオエアプレイ指標は32の放送局からOA数を割り出します。そもそも日本のラジオ局自体が少ないこともありますが、米ビルボードソングスチャートがおよそ1000局を調査するのとは対照的です。局数が多くないと、レコード会社等がラジオ局に対しプロモートしやすくなり、その成果が反映されやすいように思うのです。プロモートについてはサカナクション山口一郎さんのラジオ番組『サカナLOCKS!』の文字起こしをご参照ください。

尤も、プロモートされた曲がOAに至るかは各番組のスタッフの判断次第ですが、局としてヘビーローテションを用意するところもあります。ヘビーローテションを多く輩出するオフィスオーガスタ等の芸能事務所(音楽制作プロダクション)はラジオへのプロモートが強いと感じているのですが、ジャニーズ事務所は今年に入りそのプロモートに力を入れはじめたのではないかと思うのです。それが今回の20位前後というコンスタントなラジオエアプレイの成績につながっているのではないか、そしてプロモートの成果がJ-WAVEでのSixTONESの特番OAにつながったものと考えます。

 

現在では短尺ながらミュージックビデオも解禁されつつあり、また嵐やENDRECHERIはほとんどの曲をiTunes Store等ダウンロードサービスやSpotify等サブスクサービスにて配信していますが、ジャニーズ事務所所属歌手は未だにその多くがデジタルに明るくありません。ゆえに彼らがビルボードジャパンソングスチャートにて稼げる指標はシングルCDセールスやルックアップ、Twitterそしてラジオエアプレイの4指標。ラジオエアプレイの強化(の可能性)はすなわち、既に稼ぐことのできる部分で如何にポイントを増幅できるかという考えに基づくものであり、他方でダウンロードやサブスクさらにフルバージョンでのミュージックビデオ解禁といったこれまで行ってこなかったに着手するという姿勢は残念ながら見えにくいと感じています。この姿勢が、山下智久「Nights Cold」の日本でのデジタル施策の不十分さにも表れたのではないでしょうか。

 

 

ジャニーズ事務所所属歌手がデジタルを解禁することで生まれるのはメリットばかりではないでしょうか。CDが売れなくなる懸念を抱いているのかもしれませんがコアなファンはきちんと購入するはずです。さらにCD表題曲が事前に解禁されればそちらも買うでしょう。その上でサブスクやミュージックビデオフルバージョンでの解禁はライト層の取り込みにもつながり、ライト層からコアなファンに昇華する方も出てくるものと考えます。これらのメリットの可能性は以前から記載していることで、日本のエンタテインメントを世界に轟かすためにも解禁を前向きに検討してほしいと切に願います。

米津玄師「感電」が首位に肉薄、瑛人「香水」がカラオケ急上昇…ハイレベルな戦いとなった7月20日付ビルボードジャパンソングスチャートをチェック

毎週木曜は、前日発表されたビルボードジャパン各種チャートの注目点を紹介します。

7月6~12日を集計期間とする7月20日ビルボードジャパンソングスチャートは、TWICE「Fanfare」が前週から11ランクアップし首位の座に就きました。2位までが2万ポイント、6位までが1万ポイントを超えるというハイレベルな週となりました。

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一方で「Fanfare」の動向については不安な点も。シングルCDセールスは首位を獲得しながらも、昨年7月に2週連続でリリースされた「HAPPY HAPPY」「Breakthrough」に比べて初週セールスが8~10万ダウンしているほか、パソコンにCDを取り込んだ際にインターネットデータベースにアクセスする数を示すルックアップでは3位となり、セールスと乖離。週間セールスで44倍の差を付けながら、King & Prince「Mazy Night」(総合45位)に同指標の首位の座を譲っているのです。ルックアップはレンタルの動向を示す指標でもあり、また実際の購入者数(ユニークユーザー数)が推測できるもの。ドラマ主題歌がレンタルに長けているという特性もありますが、「Fanfare」はコアなファンに支えられており、一方でライト層への訴求はもう少し必要かもしれません。

注目は次週。シングルCDセールス加算2週目となる「Fanfare」がどの位置になるかが気になります。先月に韓国語曲の「MORE & MORE」がシングルCD未リリースながら3位につけたときと、今回の日本オリジナル曲の動向は大きく異なります。【所有<接触】な韓国語曲に対し、「Fanfare」が【所有>接触】という日本オリジナル曲の動向をなぞってしまうのか、チェックしていきたいと思います。

 

2位には米津玄師「感電」が初登場。

集計期間初日にダウンロードを解禁すると、主題歌に起用されたドラマ『MIU404』(TBS 金曜22時)の第3回放送直後にミュージックビデオを解禁。ビデオは公開から4日と7分でYouTubeでの再生回数が1000万を突破しています。

このミュージックビデオ公開タイミングは、チャートを追いかける身には嬉しい誤算でした。

今週のソングスチャートにおけるミュージックビデオの集計期間は2日と1時間という短期間ながら、5565360回再生され動画再生指標5位に。またミュージックビデオ解禁に合わせた話題づくりの巧さ、さらに『MIU404』放送回の終盤の衝撃も相俟って「感電」への注目度が高まったこともあり、Twitter指標では「Fanfare」を破ってトップに立ちました。

ミュージックビデオの公開はダウンロードへも効果をもたらしています。ダウンロードデータが残っていない「Lemon」は比較不可のため『ノーサイド・ゲーム』主題歌だった「馬と鹿」の初週動向と比べてみると、「馬と鹿」は初動3日間123132→週間172594ダウンロードに対し「感電」は初動3日間88955→週間158572ダウンロードと倍近い伸びに。ドラマ放送日の違いもありますが、ミュージックビデオ効果も間違いなく波及しているはずです。

惜しむらくは米津玄師さんが未だサブスクを解禁していないために、接触指標が動画再生のみの状況でどれだけ勢いをキープできるかということ(ラジオエアプレイも接触指標ではありますが、ユーザー(リスナー)に基本的な選曲権がないため受動的な接触指標となり、能動的なそれにあたるストリーミングや動画再生とは異なります)。次週は動画再生が1週間フルで加算されるため、2万ポイント超えを果たした今週からどこまでとどまることができるのかが気になります。

 

総合ポイントでは共に前週割れとなったYOASOBI「夜に駆ける」および瑛人「香水」ですが、この2曲ともカラオケ指標がトップ5入り。特に「香水」の勢いが凄まじいのです。

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カラオケ指標の集計対象となるDAMおよびJOYSOUNDで集計期間直前に解禁されたことで、今週は初めて1週間フルで加算。前週は100位圏外(300位以内)でしたが今週は2位となり、一気に上昇した形です。今後、コロナ禍の影響で戻りつつあったカラオケユーザーがまた離れかねず同指標が失速する可能性もありますが(最悪の場合は再び集計取り止めも)、しかしながらTikTokYouTubeで歌ってみた動画がバズを起こし総合チャートにも波及した曲がカラオケでも人気に至ることがこの「香水」で証明されたように思います。

 

となると、同様の流れで上昇中の他の曲にも、カラオケでの素早い解禁が求められるものと感じています。

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Tani Yuuki「Myra」はTikTokで火が付き、ストリーミングに波及したことで前週41位に初登場を果たすと、今週は14位まで上昇。サブスクサービスの中で最も流行に敏感と思しきLINE MUSICでは「Myra」が週間チャートを制し、サブスク再生回数を基とするストリーミング指標では5位に到達しています。

瑛人「香水」がはじめてビルボードジャパンソングスチャートでトップ10入りを果たしたタイミングで下記エントリーを記載しました。これはDAMおよびJOYSOUNDで今日現在解禁されていないTani Yuuki「Myra」をはじめ、インディペンデントで活動する多くの歌手にとって、大ヒットのフェーズへ入るために必要なことだと思うのです。

「香水」がカラオケチャートを急上昇したことで同種のヒットの形をなぞる曲のカラオケ需要の高さが証明されたと感じるゆえ、今後これらヒット曲の早急なカラオケ解禁が必要だと感じています。ラジオでの積極的なOAも同様。地上波のテレビ番組で取り上げられれば、未解禁のカラオケやOA数の少ないラジオに対して流行を捉えていないのではとの厳しい目が注がれるかもしれず、ゆえに先回りして自発的な解禁を行うことが必要ではないでしょうか。

ちなみに「Myra」についてはまだ正式なミュージックビデオがない模様。コロナ禍で制作が大変かもしれませんが、動画再生指標が未だ100位未満(300位圏内)という状況を踏まえれば、制作に挑戦してもよいかもしれません。

 

 

次週、シングルCDセールスは山下智久「Nights Cold」が10万枚近いセールスを獲得するものと思われます。前作「CHANGE」がシングルCDセールス加算初週に11809ポイントを獲得して首位の座に就きましたが、「Nights Cold」は「夜に駆ける」「香水」そして「感電」を超えることはできるでしょうか。同曲のリリックビデオが解禁となりましたがフルバージョンではないため、動画再生指標にどれだけ加算されるかは未知数です。

そして、主題歌に起用された映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』の今月23日の公開を控え、今週12位に初登場を果たしたOfficial髭男dism「Laughter」の動向にも注目。ミュージックビデオのティーザーが解禁されましたが、このフルバージョンでの公開如何ではCDリリースを待たずにトップ10入りする可能性もあります。なお「Laughter」の上昇に伴い、今週ソングスチャートで50位以内に入ったOfficial髭男dismの曲は全て、ポイントが前週を上回っています。

(追記あり) 米ビルボード、バンドルおよびフィジカル施策にメス…素早いチャートポリシー変更を支持する

(※追記(2023年5月9日14時54分):はてなブログにてビルボードジャパンのホームページを貼付すると、きちんと表示されない現象が続いています。そのため、表示できなかった記事についてはそのURLを掲載したビルボードジャパンによるツイートを貼付する形に切り替えました。)

 

 

 

昨日は米ビルボード最新ソングスチャート速報を紹介しましたが、その数時間後に米ビルボードがチャートポリシー改正を発表しました。開始時期は未定ながら、これは大きな変更となります。

日本語訳はビルボードジャパンにて公開されています。

アルバムチャートにおけるグッズとのバンドルについて、今年1月3日(1月18日付チャート)以降は多少厳しい内容に変更された一方、チケットバンドルについての見直しは行われていませんでした。

しかし1月の変更では『さほど効果がみられなかったため、バンドル売りそのものを除外する運びとなった』とのこと。『今後チャートに反映されるためには、アルバムを商品やコンサート・チケットと同時購入する場合、アルバムは追加物として販売促進されなければ』ならなくなります(『』はビルボードジャパンの翻訳記事より)。

 

アルバムチャートも厳格化しますが、ソングスチャートを毎週追いかける身としてはこちらのほうにより強い関心を抱いています。

今回はさらに、フィジカル・アルバムやシングルにデジタル・ダウンロード・コードが付随している場合、これをデジタル・セールスとしてカウントしない方針を固めた。これは初週売上を促進するために、まだ生産されていないアイテムを利用する慣習に歯止めをかけるためで、今後はそのアイテムが実際に出荷された時に米ビルボードのチャートに反映されるものとする。

米音楽業界では、生産または出荷されるのが実際には数週間から数か月先になる見込みのアナログ盤やCDを含むフィジカル・リリースに、デジタル音源を即日ダウンロードできるコードをつけて販売する戦術が広く実践されている。最近もジャスティン・ビーバーアリアナ・グランデ、そしてシックスナインなどのアーティストが、チャートで上位を狙うためにこの手段を選んだ。

元の記事でも名指しされたアリアナ・グランデジャスティン・ビーバー「Stuck With U」やシックスナインの一連の楽曲(「Gooba」およびニッキー・ミナージュとの「Trollz」はこのフィジカル施策を使って初登場で上位に送り込んできました。トラヴィス・スコットとキッド・カディによるザ・スコッツ名義の「The Scotts」も同様で、しかし翌週にはここで取り上げた4曲がすべてトップ10落ちとなり、また一度としてトップ10内再浮上を果たせていません。そのアリアナがレディー・ガガに招かれた「Rain On Me」も同様の策が採られましたが、リリース翌週にガガのアルバムがリリースされたことでアルバムの勢いが曲にも波及し、トップ10落ちは免れています。しかしこの場合はスケジュールの勝利と言えるかもしれません。

 

フィジカル施策は、米ビルボードソングスチャートを構成するダウンロード指標のブースト機能を果たしていました。ソングスチャートはストリーミング、ラジオエアプレイおよびダウンロードという3つの指標で構成され、最もウェイトの小さいダウンロードを押し上げることが有効に作用するとしてここ最近フィジカル施策が連発されていたのです。しかし施策開始直後に押し上げたとして、所有指標であるダウンロードは基本的に一度買えば済むものであり、ゆえに翌週の急落は必至。ストリーミングも初週の勢いを保てずダウンする一方、火が付くのに時間がかかる(ただし火が消えるのも良い意味で時間がかかる)ラジオエアプレイが追いつかなければ、総合チャートでの急落もまた必至なのです。その結果が「Stuck With U」や「Gooba」、「The Scotts」等に表れたと言えます。「Trollz」に至っては急落の記録を樹立してしまいました。

「Trollz」への厳しい私見を述べた上記ブログエントリーでは、『チャートポリシーの見直しを行って欲しい、少なくとも議論して欲しいと強く願います』と結びました。今回の素早い見直しを強く支持します。

 

今回例示した、フィジカル施策を利用しながらもトップ10在籍が1週にとどまった作品群は年間チャートで高位置につけることはできないはずです。しかし週間で1位というのはあたかも大ヒットのようにみえてしまいます。そのからくりと呼ばれてもおかしくないやり方を排することで、米ビルボードソングスチャートは真の社会的ヒット曲がわかる”鑑”になると思いますし、また常に自問自答できているチャートなのだと実感します。

ダベイビーが6位以内に3曲ランクイン…7月18日付米ビルボードソングスチャートをチェック

ビルボードのソングスチャートをチェック。現地時間の7月13日月曜に発表された7月18日付最新ソングスチャート、ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」が通算5週目の首位を獲得しました。

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ストリーミングは前週比3%ダウンの4240万となり同指標8週目の首位、ダウンロードは同16%ダウンの13000(同指標2位)。デジタル2指標がダウンする一方、ラジオエアプレイは同17%アップの5420万となり同指標5位に上昇しました。

「Rockstar」は5週目の首位となり今年の首位獲得週数で単独2位に。ロディ・リッチ「The Box」(11週)の半分未満ですが、前週並んだザ・ウィークエンド「Blinding Lights」(4週)を抜きました。その「Blinding Lights」はラジオエアプレイが未だ好調で、総合でも今週2位に浮上。

ラジオエアプレイは前週とほぼ変わらず7730万を獲得。これでラジオエアプレイは14週連続の首位となり、ラジオエアプレイチャートが1990年12月に始まって以降、首位獲得週数で歴代5位タイとなりました。22年前に最長不倒記録を成し遂げたグー・グー・ドールズ「Iris」まで、あと4週です。

 

今週6位に初登場を果たしたのは、ポップ・スモーク feat. リル・ベイビー & ダベイビー「For The Night」。ストリーミングは2760万を獲得し同指標2位、ダウンロードは5000となり同指標18位に登場しています。

今年2月19日に射殺され(享年20歳)、死後のリリースとなったポップ・スモークのアルバム『Shoot For The Stars Aim For The Moon』は今週のアルバムチャートを制覇、また収録された19曲全てが今週のソングスチャート100位以内に登場しました。なお、犯人5名は7月9日に逮捕されています。

「For The Night」への客演参加により、ダベイビーは上位6曲中3曲に登場(3位にはジャック・ハーロウ feat. ダベイビー、トリー・レーンズ & リル・ウェイン「Whats Poppin」がランクイン)。ビルボードソングスチャート62年の歴史の中で6位以内に3曲以上を送り込んだのはザ・ビートルズ(1964 9週)、50セント(2005 7週)、ドレイク(2018 6週)、ジャスティン・ビーバー(2015-2016 5週)、アリアナ・グランデ(2019 1週)、アッシャー(2004 1週)に次いで7組目となり、ダベイビーの勢いの凄さが理解できます。

 

最新のトップ10はこちら。

 
 
 
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#Hot100 (chart dated July 18, 2020)

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[今週 (前週) 歌手名・曲名]

1位 (1位) ダベイビー feat. ロディ・リッチ「Rockstar」

2位 (3位) ザ・ウィークエンド「Blinding Lights」

3位 (2位) ジャック・ハーロウ feat. ダベイビー、トリー・レーンズ & リル・ウェイン「Whats Poppin」

4位 (4位) ミーガン・ジー・スタリオン feat. ビヨンセ「Savage」

5位 (5位) セイント・ジョン「Roses」 

6位 (初登場) ポップ・スモーク feat. リル・ベイビー & ダベイビー「For The Night」

7位 (8位) ハリー・スタイルズ「Watermelon Sugar」

8位 (9位) リル・モジー「Blueberry Faygo」

9位 (6位) ドージャ・キャット「Say So」

10位 (7位) ジャスティン・ビーバー feat. クエイヴォ「Intentions」

 

さて次週は、ジュース・ワールドの遺作となる『Legends Never Die』がアルバムチャートを制する見込みです。

この勢いがソングスチャートにどこまで波及するのか、注目しましょう。

ヨルシカ『盗作』リリースに向けての盛り上がりが見事な件

6月以降、音楽業界は積極的なリリース体制に戻してきました。その最たる動きが6月10日以降のジャニーズ事務所所属歌手によるシングルCDリリースラッシュだったり、8月5日リリースの米津玄師さんのアルバムおよびOfficial髭男dismのEPだったりします。

そんな中、個人的に注目しているのがヨルシカのアルバム『盗作』(7月29日発売)の動向。今月8日に公開されたアルバムの全曲トレーラーは今朝の段階で98万回再生されており、注目の高さが伺えます。

 

ヨルシカは、いわゆるボカロP、クリエイターとして活動するn-buna(ナブナ)さんが、ボーカリストのsuis(スイ)を迎えて2017年に結成したバンド。これまでに2枚のミニアルバムと2枚のフルアルバムを発表。特に昨年は、『だから僕は音楽を辞めた』『エルマ』という2枚のフルアルバムをリリース、積極的な姿勢をみせています。

実はこの4作品、最近ビルボードジャパンアルバムチャートで存在感を見せているのです。

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上からリリース順に、ビルボードジャパンの直近30週におけるチャート推移(CHART insight)を掲載。週間アルバムチャート最高位は上から順に35位、6位、5位、2位。ファーストミニアルバムは一時期総合300位未満となりましたが他の作品は300位を一度も割り込むことなく、そして全作品が今年5月4日付で大きな山を築き上げます。これは同日付で「花に亡霊」が前週の100位未満(300位圏内)から6位にジャンプアップしたことによるもの。

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アルバム『盗作』から「夜行」に続く2曲目の先行作品となった「花に亡霊」はソングスチャートトップ10入りこそ現在まで2週のみながら、主題歌に起用された映画『泣きたい私は猫をかぶる』が6月18日にNetflixにて全世界公開された影響で緩やかに再浮上し、最新チャートでは23位につけています。またチャート構成比をみると4分の3がストリーミング、4分の1弱が動画再生指標によるポイント。これは以前紹介したロングヒットの法則に当てはまります。

「花に亡霊」は一度、3月23日付ビルボードジャパンソングスチャートで総合100位未満ながら300位以内にエントリー。これは集計期間内の3月10日に映画主題歌担当の発表があり、ヨルシカファンのみならずアニメファンの間でも話題になったことがソングスチャートを構成するTwitter指標で54位、総合チャート300位以内に入った要因と言えます。しかしこのTwitter指標において最も特筆すべき動きなのが、アルバムタイトルが『盗作』と発表されたタイミング。6月1日夕方にアナウンスされるとTwitterではトレンド入りを果たし、アルバムに収録されるタイトル曲「盗作」にこのTwitter指標が加算されたことで6月15日付ビルボードジャパンソングスチャートではTwitter指標8位、総合99位にランクインしたのです。全容どころか曲調も全く分からない状態で、タイトル判明の段階で総合チャートに登場することはアイドル等にはあれどもそれ以外のジャンルでは珍しく、タイトルのセンセーショナルさそしてヨルシカへの期待値の高さが示された結果と言えます。

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ヨルシカの人気を示す上で欠かせないのは、セカンドミニアルバム『負け犬にアンコールはいらない』に収録された「ただ君に晴れ」のカラオケ人気。

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「花に亡霊」以上にサブスクの再生回数を基とするストリーミングが大きなチャート構成比を占める「ただ君に晴れ」ですが、カラオケ指標が全体の7~8%程度を占めるのが大きな特徴。総合チャートのピークは「花に亡霊」の急浮上週と同じく5月4日付なのですが、同週はコロナ禍によりビルボードジャパンがカラオケ指標の集計を取り止めていた時期でした。「花に亡霊」のリリースによりヨルシカ(を歌いたい)熱がさらに高まったのでしょう、カラオケ指標が復活した7月6日付では「ただ君に晴れ」の同指標が過去最高の20位に入り、翌週もキープしています。総合およびカラオケ指標のみを抜き出したチャート推移はこちら。

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カラオケ指標の集計元のひとつであるJOYSOUNDが先週発表した2020年カラオケ上半期ランキングでは「ただ君に晴れ」が昨年(年間)より3ランクアップし28位に登場。アーティストランキングでも34→18位にジャンプアップしています。如何にヨルシカがカラオケでも支持されてきているかが見て取れます。

 

「夜行」が最初の先行曲として配信され、アニメ主題歌として「花に亡霊」が起用、『盗作』という衝撃的なタイトル発表も相俟って、ヨルシカへの注目度は俄然高まりました。旧譜の再浮上やカラオケ熱の高まりからみるに、ヨルシカは『盗作』のリリースに向けての数ヶ月で、歌手への興味を集めることに成功したと言えるでしょう。

 

ちなみに昨年の2枚のフルアルバムおよび『盗作』には、ヨルシカのアルバムコンセプトをより強固に表現する特典を同梱した初回限定盤が用意されています(詳細について、『だから僕は音楽を辞めた』はこちら、『エルマ』はこちら、『盗作』はこちらを参照)。その一方で昨年の作品群はダウンロードでも好成績を収めていることから、ヨルシカの作品がフィジカル/デジタルの区別なく聴かれていることが判ります。また『盗作』においてはサブスクでの聴取を目的としたキャンペーンも用意され、所有や接触に関係なく触れてほしいというスタンスが伝わってきます。

旧譜の盛り上がり、『盗作』リリースへ向けての先行曲の人気は上々。リリース時にどれだけの話題を集めチャートを賑わすか、期待したいと思います。